TAMAちゃんダッシュ

愛犬タマとマル民の私の毎日です

ミクロとマクロ

2006-02-05 | 
 うまい具合に例えるものだと感心いたしました。Sさんが広島に来て美術館を堪能したことは既に昨日の記事に書きましたが、それだけではなく配色のセンスなどを磨くのに「美術館に行きなさい」と指導もされました。

 時々園芸店の助っ人に行っている私ですが、そのいつもの園芸店を見るなり彼女が言ったのは色のあわせかたが不十分なのでお客様が飽きてしまうということだった。
 正面の部分には春を意識してマーガレットを多く揃えていたのだがそこを見るなり見た気分になってしまうということだった。そして植物を見た次にすぐに値段を見て買うか買わないかを決断させてしまうということだった。圧倒的な色合わせで迫って値段をみないうちに数多く買わせてしまうことが必要だというのだ。買わせてしまうといっても一つだけではなく、幾つかの植物をあわせてトータルの作品として一つでも欠けると物足りなさを感じるような錯覚に陥らせないといけないというのだ。

 物を総合的に見ていくマクロの目線がその園芸店のみならず日本人には足りないという。逆に一つ一つをミクロで捉えるのは日本人は得意だという。それは盆栽や寄せ植えなど色もさることながら草花の高低と配置で小さな作品を作り出すことや一つの植物として完成されたものが多くあるというのだ。パンジーやビオラ、プリムラなど色も品種も数多くあり一つ一つはとても完成されている。でも一つ一つでは単価としてはかなりお安い。それでは儲けにならないらしい。
 その例えをするのに彼女はまた美術の話を持ち出した。

 ヨーロッパの印象画の画家の作品はすぐ側でみると色がべたぬりしているだけだが遠くから見ると美しい作品になる。マクロの見方を得意とする西洋の文化の特徴なのだ。逆に日本人が同じように印象画の絵を描いたとしたら遠くからみても近くからみても遜色のないものを作りあげることができるそうだ。例えば海の波を描いたとして側までよっても水が風に吹かれて波立つ様などの繊細な部分まで描ききるのだ。
 画家にできて園芸店につとめる者にできないわけないと短い時間ながらかなりの指導ぶりだった。

 彼女は池坊の生け花とフランスのフラワーアレンジを融合させ新しい文化を生み出した第一人者です。日本人の花関係の関係者が渡仏した時には彼女が窓口になってくれているそうです。短時間ですが本当にわかりやすくインパクトの強い事を語ってくれました。見た目日本人ですがやはりフランスでの生活が長いせいかやはり感覚は西洋人なのです。

 私が彼女から学んだのは色で錯乱させてトータルで見せる。きちんと学べない私のこの言葉を聞いたら彼女がさぞがっかりすることでしょう。でも美術館にだけは行くことだけは学びました。

 そしてこの日彼女の残した名(迷)言は
「蘭なんか適当に買いたい人に買わせておけばいい。トータルで蘭の金額分花を売ってしまいましょう。」まさにミクロとマクロを一言で言い表してしまったのでした。

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10 コメント

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蘭は美しいのにね。 (不破)
2006-02-06 05:40:19
お久し振りです。



蘭は育てるのに手間入りなので、欲しければ園芸店で買うのも良いものだと思います。

単なる比喩に噛み付くわけではありませんが。



蘭にすべてを捧げている人もいます。

蘭のためにエアコンを入れて出社する彼が独身なのは言うまでもありません。



入院中の友人に蘭を贈ったことがありますが(蘭は当人が好きな花だったので)、かなりエロティックな想像をして楽しんだようです。これには当惑半分。



ミクロとマクロと言えば、経済学でも日本人はミクロが得意かも。大局で考えるのは苦手なのかも。



この週末は法事と役員をやっている体育振興会の行事で疲れました~。はっきりしない頭での思いつくまま書き殴りで、失礼致しました。



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ムクロとメクロ (軽太郎)
2006-02-06 21:48:50
イギリスへいったとき、僕が静かにしているとあちらのイギリス人は、やたら「アーユーハッピー?」と、矢沢永吉みたいなことを言ってきました。

言葉も、西洋はマクロなんだと思います。

日本人は私小説が好きで、自己描写なんてミクロ前線上昇中。だから大きな質問や課題を前にすると足がすくんでしまうのでござる。
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神奈川×仏蘭西さん (en)
2006-02-07 10:56:45
グワッと魅せるのが得意な人が

繊細なものを作るのは

技術的に遠い道のりに思えるけれど、



繊細なものを作るのが得意な人が、

グワッと魅せるのは

感性の扉を増やせばなんとかなりそう?!



ぞくぞくワクワクするような

いいお話しだと感じました☆

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なるほど ()
2006-02-07 20:01:26
と思いながら、拝見です。



花屋さんや園芸店で思うのは、花苗でも育って豪華になった見本があると、余計売れますよね。その見本がセンス良く仕立てられていたら尚更です。

それと商品管理が良くない所が有るのは、有る意味やむをえないかと思うけど(多いのだから)ロスが多いなと思いますね。植物も名何となく可哀想だし。



瑠葉さん園芸店に指導に行っているのですか。私はこれからは山の普通の木を小さな容器に植えて楽しむ。



自然の風景を小さな容器の中に作る。そんなのをやってみたいと思っています。実家の山から取ってくればただだから。。園芸店さんにはつまらない客ですね(笑)
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ミクロとマクロ (ともちゃん)
2006-02-07 20:05:13
色の配色の重要性は、学生の頃

グラフィックの授業で叩き込まれました。

今でもそれは仕事に大いに役立ってる気がします。



アイポイントを定めさせて、そこを視点に商品を眺めさせる・・

その中で単品でも素敵なものを、セットしてディスプレイし

本来は買うはずじゃなかった物までトータルで欲しくさせる・・・





商売には大切な事ですね。



あら、やだわ。ナニワ商人みたいじゃないです?おほほ。





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不破さんへ (瑠葉)
2006-02-07 20:54:55
蘭は女王様なんですよ。

ものによってはその花だけでとんでもない値段なものも。

そして管理がとても難しいのでお姫様扱いをしながら

女王様にさせていくといった様子でしょうか。

そういうことがお好きな人にはとても大切です。

私もしっかり管理することができればチャレンジしてみたいとも思うのですが…

ただたくさんの花があって蘭だけではない

売るのはセンスも含めたトータルで差別化していくしかないということなんです。

ミクロは数多く集めなければ

そしてマクロは広がりを感じると私自身は

大きい小さいだけではなく思っていますけどね。



法事、役員をやってる体育振興会の行事?

う~ん、私より若いとばかり思っていたんだけど…

謎の人物だね。
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軽ちゃんへ (瑠葉)
2006-02-07 22:36:46
矢沢みたい…とすると矢沢はマクロ目線?(笑)

幸せかそうでないかと聞かれてどういう状態を持って

尋ねているのかと思いました。

若いことが幸せなのか、日本人であることが幸せなのか、嬉しいことがあって幸せなのか。

こうやって細かく考えていくことがミクロなんですよね。

でも薄笑いを浮かべていると

何でもありと思われるから気を付けましょうね。
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enさんへ (瑠葉)
2006-02-09 08:25:34
努力して何とかなるでしょうかね。

私にはenさんがおっしゃるところの繊細さが

著しく欠けていますのでどうなることやら。

ただ店をつくっていくのは私ではなく

スタッフなのでそれが救いですね。



この神奈川県のSさんはひとしきり

神奈川県民とフランスの問題点を毎日喋っていたような気がします。

どちらもお洒落なイメージがあったのですが…

そのうちこの件については取り上げます。
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風さんへ (瑠葉)
2006-02-09 08:32:32
本当は自然にあるものをそのまま演出できるのが

一番良いのですが…

なかなか都市近郊になると山の方にいって植物を楽しむことも難しいです。だから自生している山野草などを貴重に思うのでしょうね。



ロスの話を出されていますが実はポット苗には秘密があります。

あれの寿命は入荷してから約3~4週間以内には植え替えをしないといけません。それ以上たつと余程管理が良く無い限り殆どロスになる意味あいで作られているのです。だからロスになると感じて気負ったりするのですが見切りを早くつけてディスプレイなどに活用するのが良いのです。

そういうことをもっとお客さまにもお話していって欲しいとは思っているのですが。
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ともちゃんへ (瑠葉)
2006-02-09 08:36:06
やっぱりともちゃんはちゃんと勉強していらっしゃいますね。私はほぼ感覚で見え方がどうとか思っているだけなんでやっぱり抜け落ちてしまうところが多いんですよ。本当はともちゃんみたいにデザインをしっかり学んでいる人が専門的に指導していくのが良いのでしょうがなかなか人件費もかさみ…

ってこっちが商人のようなこと言ってますね。

そのうちデコには乱入しますので。

でも雪解けはいつになることやら…

問題は湯原なんだよね。
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