Danchoのお気楽Diary

高校3年間応援団だった「応援団バカ」の日記。スポーツ観戦や将棋等の趣味の他、日常感じる事を、「ゆるゆる」綴ります。

羽生 善治 王将が防衛に向け、幸先良いスタートを切る!/『第57期 王将戦 第1局』

2008-01-18 22:10:00 | 将棋
昨日から、栃木県大田原市を舞台に始まった『第57期 王将戦』の第1局。

2日目の今日、勝敗が決しましたね

結局、96手まで、羽生 善治 王将が、挑戦者・久保 利明 八段を敗って、幸先良いスタートを切ることに成功しました

両対局者は、今年度のタイトル戦では王座戦でも対局していますが、このときも羽生王座(王将)が3連勝していますから、今年度のタイトル戦に限っては、久保八段相手に4連勝したことになります

久保八段側から見た場合は、「“鈍感力”で過去のことは忘れて、心機一転…」とは言っても、シリーズ序盤から、嫌な流れに傾いたかもしれません。

改めて、本局を少し振り返りましょう。



図は、昨日の久保八段が25手目を封じた局面です。

久保八段が、タイトル戦で手を封じるのは初めてなので、どんな手を封じたか…正直すごく興味がありました。

昨日、記事をエントリーしてから、渡辺 明 竜王の師匠である所司 和晴 七段から大変ありがたくもコメントを頂戴しましたが、小生は1筋か9筋のどちらかの端の歩を突いて、羽生王将の構想を伺うかと考え、この時点で動きがあった1筋の歩を突く▲1六歩を予想しました。
所司先生のコメントの封じ手予想にもある様に、反対の9筋の歩を突くことも、負け惜しみではありませんが考えにはありました。
ですが、ここはせっかく囲った美濃囲いの利点を活かす意味で、1筋の歩の方を選びました。
もしくは、久保八段自ら「開戦」を宣言するなら、後手の玉頭でもあり、石田流の攻め筋でもある、▲7四歩とぶつけるというのも考えにはありました。

しかし、いざ今日になって封を切ると…



図のように、久保八段の封じた手は、「▲4六歩」でした。
正直、突ける歩ではあるけれど、この手は全く見えていませんでした…。
封じ手を当てるのは、やはり難しいですね

久保八段は、昨日エントリーした記事に対する、所司先生の今日のコメントにある様に、プロのタイトル戦でも相振り飛車が散見されることから、あえて新たな境地を拓く意味合いから、石田流で積極果敢に攻めるよりも、将来の将棋界のためにも、別な意味で積極策に打って出たのかもしれません。

しかし、その手を「本当にその手は良いんでしょうかね」と咎めるかのように、羽生王将が先手玉の玉頭めがけて攻め続け、それが切れません。



図は小生の昼食休憩中で、今日の対局の昼食休憩前までの局面ですが、5三の地点にいた銀が、後手の「拠点」とも言うべき3五の地点まで進出していますし、後手に連携が取れていない駒がないように見受けられます。

一方の先手は、陣形が乱されているだけでなく、6七の銀の連携性がぼんやりした感じで、この局面で先手を持って自信はありませんね。

その後も、終局まで後手玉の陣形がほとんど乱れることなく、終始先手玉付近で攻防が続いていましたし、76手目に△4八角成と羽生王将が馬を作ってからは、先手の飛車を「アーティスト」に捌かせない指しまわしで着実にポイントを積み重ねていったように思います。

そういった観点からも、終局後に羽生王将が「90手目(△3四歩)を着手してはっきり良くなった」と語った以上に、差がついていたように感じます。

まさに、羽生王将の完勝譜で、「貫禄勝ち」でしたね

自らの封じ手が、羽生王将の攻めの呼び水と奇しくもなってしまった感はありますが、久保八段も平凡な手ではなく、志向を変えた感じで積極的に動いた格好の封じ手だったのですから、悲観することはないと思います。
“鈍感力”で本局のことは過去の事として、着実に勝ち星を積み上げて、このシリーズを盛り上げて欲しいと思います


羽生王将が、貫禄を示す形で今後も久保八段を圧倒し、防衛に成功するでしょうか…。
それとも、“鈍感力”で少し嫌な感じで傾き始めた流れを打開し、最後には羽生王将を倒して、タイトル奪取が叶うでしょうか…。


第2局は、1週間後の24日と25日に、滋賀県彦根市で行われます。
(今度は、昨年度から関西に移籍した久保八段にとっては、「ホーム」での対局になりますね。)


興味は尽きませんね


追記

所司先生へ…。

昨日エントリーした入門者の駄文を綴った記事に対し、恐れ多くも封じ手予想などの貴重なコメントを頂戴し、誠にありがとうございました。
コメントを大変ありがたく拝読させていただきましたが、大変勉強になる内容です。
今後も、入門者から「卒業」できるように棋力向上に努めて参りますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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