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エイドリアン・ブローナー対マルコス・マイダナ(2013/12/14)

2013-12-16 18:22:31 | ボクシング

WBAウェルター級タイトルマッチ

24歳の3階級制覇王者エイドリアン・ブローナー選手(Adrien Broner)に強打の元SL級王者マルコス・マイダナ選手(Marcos Rene Maidana)が挑んだ注目の一戦は米国テキサス州で行われ、激戦の末に2度のノックダウンを奪ったマイダナ選手が12回3-0判定を制して2階級制覇に成功しています。(体格比較)

いきなりマイダナ選手の左フック右フック攻撃を受けてブローナー選手がバランスを崩しかける場面があった初回。ワイルドに猛々しく迫るマイダナ選手の攻めがスタートからペースを圧倒します。とは言うもののパンチの威力を上手く殺し、またシャープな左フックや右ストレート・アッパーを返しているブローナー選手のペースは見た目ほどは狂わされていない、とか見えた初回だったのですが、2回にマイダナ選手の左フックを浴びて王者がキャリア初のノックダウンを喫します。
スウェーバックに追いついてきた左フックをガツンとまともに食って喫したこのノックダウンでのダメージは確実でしたが、一気に出るマイダナ選手の怒涛の攻めをホールディングでなんとか凌ぎます。そしてかなり効いていたように見えたノックダウンだったのですがわりとすぐに動きからダメージが感じられなくなり、攻撃のシャープさ力強さを取り戻していったブローナー選手。
マイダナ選手の強烈な左右フックを上下に浴びせられる展開は続くものの、鋭い左フックリードやカウンターでの右フック、右アッパーを正確に決めて王者が徐々にペースを引き寄せます。5回6回とペースを失ったマイダナ選手がそのペースを打開しようと7回に強く出て良いショットを決めるのですがラウンド終盤には再び王者の鋭く強いパンチがペースを掌握。8回開始早々にブローナー選手の強烈な左フックリードを浴びて前進が止まり、右ストレートリードを強く決められるなど、完全に王者がペースをひっくり返したかに見えた流れでした。
しかししかし、マイダナ選手が起死回生の左フック2発を決めて再びブローナー選手をリングに這わせてみせます。ここで執拗なホールディングを見せた王者に対しマイダナ選手が故意のバッティングを見舞って減点されるなんて一幕もありましたが、ダメージの残るブローナー選手を最後まで攻め立て続けてマイダナ選手がユナニマスの判定を掴んでいます。

CompuBox: Maidana's Punch Fury Too Much For Broner


公式のスコアは117-109、115-109、115-110の3-0マイダナ。シロート採点116-109マイダナ。 ブローナーは体重超過の過去や試合態度、さらにはプライベートでの話題なんかもあって、2回にぶっ倒された時は、調子こきすぎたからこうなる、とか感じたりもしましたが、その後の戦いぶりで証明したタフさ、パンチのシャープさパワーなど見事でした。
ポイントでの劣勢を自覚した11回12回で見せたチャージではマイダナ選手もかなり追い込められていたように見えました。特に12回の序盤ではマイダナ選手があからさまに効いた場面を見せていて最後まで逆転の目は残していたように私には見えた試合でした。
しかしマイダナ選手のガッツというのか闘争本能、殺ったる感?、さらにどんなに消耗していてもチャンスと見るや強い攻撃をどんどん繰り出していけるあたりの過去にも見せていた素晴らしさを存分に発揮して過去数年規模でベスト、と言えるエキサイティングな攻防を制しきった会心の勝利でした。

マイダナ選手は35勝(31KO)3敗。ブローナー選手は27勝(22KO)1敗。


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15 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2013-12-16 21:20:30
素晴らしい試合でした。
2Rの開始すぐのダウンで膝にも来ていたのでこのまま決まるかと思いましたが、ブローナーは素晴らしいガッツを見せたと思います。
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壮絶 (fenox)
2013-12-16 21:50:28
ブローナーが距離をしっかりとって、きれいに勝つと思っていたが、お互い打たれ打ちつつの激しい打撃戦となった。
そして、マイダナが見せる迫力と力強いボクシング、ちょっと打たれ弱さも見せてしまう点は、なんだか応援しようとする気になってしまう。

ブローナーとよく比較されるメイウェザーの試合を持ち出せば、ハットンをメイウェザーがいなしたようにはいかず(あの試合も点差は途中までそこそこ拮抗していたが)、メイウェザーのすごさを改めて思い知る試合だった。メイは細かい距離感の把握能力と、それに伴うポジション移動がうますぎるのかな。
たしかメイウェザー後継者的な視点には、ベルト、デヴォン、ブローナーとあったかと思いますが、難しいですね。
また、ブローナーがあからさまに効いた後の、体力的な回復、効いているときに前に出ることもできる一面も時折みられ、その将来性はすごいなと思いました。
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Unknown (ok)
2013-12-16 22:41:10
ブローナーはメイウェザーに比べるとフットワークとステップワークが有りませんね まあどちらにしてもブローナーは階級を急ぎ過ぎた気がします 素材はいいと思うのでsライトあたりから出直したほうがいいと思いました
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いい試合でした (まっからむ)
2013-12-16 23:18:43
L字ガード以外は、全然メイウェザーとは別物のブローナー。
肩幅の広さと、リーチの長さを活かした、ちょっと勘の良いパンチャータイプとの認識でした。いい選手だけど、メイウェザーとは比べるべくもない、と。
この試合では、マイダナの気合と出来の良さもあり、噛み合って良い試合でした。
矢張り、マイダナクラスのタフネスと、パンチを前にすると、今までの余裕をかましたボクシングでは対処できませんでしたが、意外なタフネスと、効いてからも危険なパンチを振っていたのは、好印象でした。
マイダナはとにかくあっぱれでした。
ブローナーは思ったよりも根性もあり、もう少しジャブで突き放すことと、バックステップでいなすことを覚えれば、この階級でも、トップ戦線に復帰できると思います。
再戦も見たいですね。
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やってくれました。 (ILB)
2013-12-17 00:06:43
マイダナ勝って欲しいとは思ってましたが、99%は無理だろうと思ってました。
1ラウンドでちょっと効かせて2ラウンドのダウン、これがやはり影響したと思います。
11ラウンド、効かされてる中でのうしろからのカマ掘りのやり返し。
マイダナもやれば出来る男でした(笑)
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Unknown (Unknown)
2013-12-17 00:12:52
いい試合だったけど、少しブローナーのプッシングとマイダナのローブローが気になったかなぁ。

マイダナの次の試合としては再戦も見たいけど、やはりここはマティセーとの同国人対決が一番見たい
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Unknown (坂東英ず)
2013-12-17 09:01:21
今後ブローナーは、このままのスキャンダラススタイルでいくのか、変に謙虚人になってしまうのか・・・
そっちのほうが妙に気になります。
あまりにも早く出世しすぎて、残りの人生長いことが彼にとってプレッシャーにならないことを願うばかりです。
このようなはみ出し者、決して嫌いじゃないからです。
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Unknown (フーさん)
2013-12-17 09:09:33
マイダナは弱点も結構あるように見えるのですが、それを補って余りある攻撃力というのはやはり素晴らしいですね。
マリナッジ戦を見たときに、階級上げてからは足も使えなくなっていたのでマイダナならいける!と思っていたのですがやってくれました。それでもあのダメージからそれなりの回復を見せたブローナーも凄かったですね。あとは、メイ同様普段からしっかりシェイプを保つなどの真摯さがあればまた上に来そうですが。
前に見たオフの姿が、太っているように見えたんですよねー。ホプキンスもそうですけど、普段の摂生は大事な競技だなと思います。
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Unknown (Ike Quarty)
2013-12-17 12:27:59
やはり階級の差が出ましたかね。ブロナーはパワーもさることながら、キレが無くなったことが痛いですね。
一方で意外なタフネスは証明しましたが。スーパーライトに落とした方がいいように感じました。

マイダナを見てるとパンチのある崔龍洙のような戦い方だな、と思いました。
試合の面白さは折り紙付きですね。同国人対決は是非見たいですね。
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Unknown (たこぼうず)
2013-12-17 16:40:59
ブローナーが足を使ってマイダナを空転させると予想しましたが、今回のような熱戦になるとは思いませんでした。
それにしてもマイダナの試合は面白いですね。カーン戦、ロペス戦、ソトカラス戦と同様に、効いて動きが鈍くなってしまう姿は見せていましたが、一発でペースを引き寄せるパンチ力は圧巻。
2Rのダウンを奪ったパンチなんてジョニゴンばりの左フックでした。また、無茶苦茶に振り回しているように見えるパンチも様々な角度から放たれていて実に効果的。
マティセとの同国人対決は観たいですが、今回弟分のブローナーに勝ったことで、メイウェザーの対戦相手の候補になったんじゃないでしょうか?まぁ、さすがにメイには何も出来ない気がしますが。
一方のブローナーですが、個人的にはガッカリしました。パンチの無いマリナッジと違い、今回の相手は豪腕のマイダナ。さすがにスピードを活かして戦うかと思いましたが、スタイルはこれまでとさほど変わらず。
フットワークを使わなかったというより、使えなかったと感じました。パッキャオやメイは階級を上げるのに合わせてスタイルチェンジしていきましたが、ブローナーはフィジカルで圧倒していたL級までのスタイルから脱却できていない印象を受けました。
さらに、気持ちの弱さが見られたのもマイナス。1R開始早々にバランスを崩して以降、マイダナのパワーに怯えているようにすら見えましたし、二度目のダウンで気持ちが折れかかったようにも見えました(持ち直しましたが)。
現時点では、パッキャオやブラッドリー、ポーター、アレキサンダー、サーマン、プロボドニコフあたりが相手だと正直厳しい気がします。
調子に乗りまくっていたブローナーが負けたことでスッキリした反面、次世代のスター候補が底を見せてしまった寂しさもあり複雑な心境です。
以上、さんざんブローナーについての批判を書きましたが、これは期待値の高さ故です。まだ若いですし才能もあります。今回の敗戦をバネに今後さらに強くなって帰ってきて欲しいです(できれば一度SL級に落として)。
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