Sweet Dadaism

無意味で美しいものこそが、日々を彩る糧となる。

うたあそび (2006秋_1)。

2006-10-15 | 春夏秋冬
◇ 詞書
  秋薔薇の咲ける旧古河庭園にてよめる


 彩々に 咲ける薔薇(そうび)は さまざまの ねがひが凝りて ひらく傷口




◇ 詞書
  秋のはじめ、夕刻の六義園にてよめる


 夕の陽の 照らすみなもを みどりばの 染め抜くなかに ひとひらのあか

(男、かへし)
 左手を 君ともやいて 秋の庭 こがねの空みて 玉砂利を踏む

(女、かへし)
 ちぎれ舞う 雲を眺むる足元の 揺らぐを保つ 白しきみの掌 
 
(男、かへし)
 金色の 揺らぐ波間に渡る風 となりのきみの 時をとどめむ

(女、かへし)
 風わたる 木立はにしきに恥らうも いかでかひとつの 時を捉えむ

(男、かへし)
 ゆふぐれの こだちの錦に 陰さして 夜のとばりを きみとくぐらむ

(女、かへし)
 宵深く 夜鳥のこへに まどふ身を 繋ぎやとめむ 白きその掌は