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月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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アルデバラン・55

2021-12-27 05:10:09 | 詩集・瑠璃の籠

神がおまえを見ている
すべてを許していいかどうか
見定めるために
おまえを見ている

おまえは神の目の中で
赤子のように自分をあやしながら
まだ甘い夢を見ている
思い出したくない真実を
しっぽのようにふりちぎって
何か別のものになりたいと
覚めかけた夢にすがりついている

期限はとうにすぎたが
まだ待ってくれる愛はあるのだ
最後の希望の灯が消えてしまうまで
まだ少し間がある
だがお前はまだ目覚めない
糞のしみ込んだ寝床にまるまって
まだ目覚めたくはないのだと
神の呼ぶ声に耳をふさいでいる

目覚めたくないのだ
目覚めれば気づいてしまう
こんなことはすべて
糞のようにくだらないものなのだと
気づいてしまう

愚か者よ
神の悲しい目が閉じてゆく
目を覚ませ
最後の明かりが消え
おまえはついに闇に落ちてしまう
その前に
すべての愚かな夢を捨て
本当の自分に帰って来い




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