本物そっくりに作った
上手な嘘ほど
いやらしいものはない
小鳥のように舌を震わせて
さも心からの真実のように
盗んだ言葉を語っている
そんな嘘ほど汚いものはない
本当にしなければならないことを
置き去りにして
馬鹿は嘘と盗みで作った
きれいな自分をかぶり
さも自分が愛であるかのような
ふりをするのだ
それは上手に
それは上手に
愛を真似するのだ
なのに瞳は
矛盾に凍り付いている
こんな自分は嫌だと
ほかの人間になりたいのだと
寒さを引きずった目が
語っている
嘘にしびれた自分が
あまりにもつらいのだ
それなのに嘘を脱ぐこともできない
脱げば厳しい不幸がやってくるからだ
あほうよ
もうそろそろ目を覚ませ
逃げることはできない自分から
逃げ続けている限り
おまえは汚い嘘つきであり続ける
愛ではないものが
愛のふりをして
すべてをだまそうとしている
いやなものになる
そんな自分がいやなら
もう嘘はやめなさい
どんなに上手に愛を真似しても
馬鹿は馬鹿でしかない
二度と戻れない闇に
迷い落ちる前に
すべてを捨てて
真実に帰ってきなさい
