存在というものは
不思議なものだ
例えば雪の降る森で
一羽のフクロウと一瞬目があった
ただそれだけで
不思議な神の恵みをもらったような気がする
雪の向こうに消えてゆく
一羽のフクロウの後を
心で追いかけていきながら
あなたは思うのだ
あのフクロウは
どんな思いをして
この雪の森を生きているのだろうと
卵を抱いているときは
幸せなのだろうかと
そばにいてくれるつがいの鳥と
鳴きあっているときは
どんな思いがするのだろうと
瞳があう
ただその一瞬で
あなたは
別の命と
人生をさえ共にすることができる
それが存在すると言うことの
歓びなのだと言うことを
あなたは深く知ることができるのだ
暖かいだろう