女は
本当に深く愛してくれるのに
たくさんの大切なことをしてくれるのに
そんなのは馬鹿だと
男はいうのだ
ああそれなら仕方ないと
女が消えてしまうと
それでいつも
男はあまりにつらいことになるのだ
そんなことばかり
延々と繰り返しているのに
男はいまだに何もわからない
弱いからと言って
痛いことができないからと言って
女を馬鹿にしてはならない
女の愛を
馬鹿にしてはならない
もはや言っても遅いが
本当に大事なものを
軽々と馬鹿にするから
人間は馬鹿なことになるのだ
女は真剣に愛してくれるのに
ただ愛だけで
たくさんのことをしてくれるのに
愛のほかに愛する理由などないのに
男はそれを
宝石で買える馬鹿なものにしたかったのだ
それでないと
自分の方が馬鹿みたいに思えるからだ
もう二度と帰らない女を追って
男は永遠に走り続けねばならない
もはや取り返しはつかないほど
壊してしまった愛の形を
もう一度取り戻すために
あらゆることをやっていかねばならない
もう人間は二度と
神が作ってくれた愛の家に
帰ることはできないのだ