人よ
子よ
つらいか
くるしいか
だが それでもよいと
いうか
あるいてきたみちは
くるしかった
いまもおまえはくるしい
だがおまえは
それで幸福だという
おまえは
まずしさを 生きねばならぬ
あいするものを よきものを
うしなう悲劇を 浴びねばならぬ
大切な心の宝を 粉々に砕かれる
すべてを たえて ゆかねばならぬ
おお わかっていようとも
それはみな おまえがやってきたことが
苦い実となって 落ちてきたのだ
だがおまえはもう
それをつらいとはいわぬ
くるしいとはいわぬ
胸に抱き締め 額を空に挙げ
神に向かい 己の正しさを涙で喜ぶのだ
おまえが わたしに
愛していると おまえにいうことを
ゆるさぬゆえ
わたしはくるしい
だからわたしは そのことばを
小さな花の種に預け
秘めておこう
風や鳥に運ばれる種が
うるわしき愛にみちびかれ
いつか おまえのところにとどくようにと
ねがう
おまえが どうしても
愛していると言わないでくれと
いう
わたしはそれが苦しい
苦しいほど おまえを愛している
ああ
どうしても
愛している