goo blog サービス終了のお知らせ 

DolphinKnight

Canon EOS-1とEF400mm F2.8LでBlueとThunderBrdsを追いかける日を夢見て

2013 F1 #1 AUS

2013-03-17 22:34:44 | スポーツ

ついに2013年F1が始まりました。

2年前から物議を醸している2014年以降のレギュレーション変更、とりわけエンジンは1600cc V6ターボにスイッチすることがほぼ確定しているので2400cc V8サウンドを堪能できるのは今年が最後となります。注目すべき点は他にもあります。今年の参加チームは1チーム減った11チームで争われのでQ1が厳しい展開になる、5人の新人ドライバーが参戦するのでトラフィックがややこしくなるなど、外乱的な要素が尽きないことも今まで通りです。

さて、レースの話題に入ります。

予選はあいにくの雨で土曜日にQ1、日曜日午前にQ2/Q3を開催する変則的な運営となったことと、PIRELLIが持ち込んだ昨年よりもコンパウンドを柔らかくしたSuperSoftの効果で上位3チームは全車SuperSoftでのスタートとなりました。それらを踏まえてスタート直後の動きをラップチャートで確認します。

2013_aus_2予選結果から今回のレースはRedBullの先行逃げ切りと思われたのですが、実際にはスタートして10周付近で上位チームが次々とピットインしてタイヤ交換した合間を突いてSUTが前に出ました。

今回のレースはSUTがペースメーカーの役割を果たし、その間隙を突く形でスティントを長く採ったLotusの2台が最終的に先行したという展開です。

Sutilのタイヤ選択はレース終盤のトラックラバーに期待したH-H-Sでしたが期待に反してSuperSoftがあっという間にドロップしたのでマシンの挙動が心許なくなり、ラップタイも不安定になっています。

2013_aus2一方、Gapグラフを見るとラップリーダーが次々と入れ替わっていく様子がハッキリと示されています。ここで注目したいのは前半戦の順位入れ替わりの激しさ。Q3でポールポジションを争うトップチームはSuperSoftでスタートせざるを得ない、タイムを出すために6周前後のの周回を重ねている、その状況にSuperSoftのドロップダウンが拍車を掛ける状況があったのでハードタイヤでスタートした中段チームが前にでるチャンスが十分にあった、というワケです。

次戦マレーシアGPは一週間後です。

F1を取り巻く経済状況は相変わらず厳しいのでほとんどのチームが開幕戦パッケージを流用してくるでしょぅ。この展開ならLotusの先行が見えるか、次戦に注目です。


D1GP D1 CHAMPIONS 番外編

2012-12-03 20:16:24 | スポーツ

タイトルスポンサーにあの<GRANTURISMO>がついている縁もあってD1 GPには前から注目してましたが、多忙な日々の合間にお休みが欲しかった、1DXのバッテリー活動限界を見極めたい、という言い訳をして最終戦・お台場D1 GPを観戦してきました。

それはいい。だが、タイトルがいきなり番外編、しかも写真無しってどういうこと?

というツッコミには正面から回答しましょう。面白いことを先に書きたいんだいっ!、<凄いシーンは自分の眼で見る>って原富治さんの教えに従ったまでだいっ!

閑話休題。

D1 CHAMPIONSにはバラエティコーナーとして、<F.NIPPONマシンでドリフトチャレンジ!>というお馬鹿企画がありました。

この企画、F1、とりわけフォーミュラマシンを知る人にはツッコミどころ満載なんですが、わかりやすいところから指摘していくと、フォーミュラマシンとドリ車は全くの別物ってことを完全に無視していることが最初の問題点です。両者の共通点を敢えてあげれば、<4つの車輪で路面に動力を伝えて走ること> のみ!。使用するエンジンの出力特性、車体の構成、基本的な走行理論に至っては全く共通点がありません。そんなフォーミュラマシンでドリフトを試みたらどんなことになるか?

この前代未聞の企画に応じたのはINGING MOTORSPORTS国元雄資さんです。

で、どうなったか。

フォーミュラマシンではドーナツターン、スピンターンは出来ますが、ドリフトとなれば話が別。荷重移動をきっかけにドリフト状態へ持ち込もうにもステアリングの切れ角が不足していてドリフトに入る領域がせまい上に状態を維持できません。ならばと圧倒的なエンジン出力を使ったパワードリフトを試みても10,000rpm以上のエンジン回転数維持しないと十分なパワーが出せない上に極端にピーキーな馬力特性が災いしてドリフトする以前にやりにくい。

そんな過酷な条件にもかかわらず、甲高いエンジン音を響かせながら国本さんはコースを3周してチャレンジ、3周目で遂に1コーナー出口のスポンジバリアにノーズダイブ! (/^^)/

ぶつかった相手がスポンジバリアだとしてもmm単位の超高精度で設計、製造しているフォーミュラマシンのパーツにすればそれは致命傷です。部品代とか調達までの時間とか考えただけで背中が寒くなる。そんなチームの事情を察してか国本さんは<参ったなぁ>って感じでコクピットから緩い動作で出て来ました。そこでMCの鈴木学さんからフォローが入ります。

   国本さん、やっちゃいましたね。でも、嬉しいお知らせがあります。

   今スタンドにいる皆さんは、今日からあなたのファンです! (場内から一斉に拍手)

   もう一つあります。

   ここにいる皆さんは、スポンジバリアに立ち向かう勇気を讃えてくれるんです! (場内からさらなる拍手、歓声、笑顔)

普段追いかけているF1は極限まで流体・物理・数学に支配されたクールな世界で、それはそれで心地よいのですが、暖かさと緩さを兼ね備えた世界も面白いな、と思いました。

F.NipponとD1はいうなれば異種格闘技の位置関係。それなのに現役のレーシングカーを持ち出してF.Nipponへの注目を集めようとするINGING MOTORSPORTSと国本さんの懐の広さに感謝しております。

INGING MORTORSPORTSでは2012年から個人スポンサーを募集しています。F.Nipponの2012年シーズンは既に終了しているので、可能ならば2013年の個人スポンサー応募とF.Nippon観戦をしてみたいな。あっ、今回のイベントで破損したパーツの修復費コースって枠を用意していただいてもokですよ、笑わしていただいた分は出します (^^;


小林可夢偉に力を!

2012-11-25 11:07:07 | スポーツ

1987年に中嶋悟が日本人初の通年ドライバーとしてF1に参戦して25年が経ちました。その道は鈴木亜久里、片山右京、高木虎之助、中野信治、佐藤琢磨、そして小林可夢偉が継承しています。

こんなに沢山のレーシングドライバーが挑んでいるのに日本人ドライバーの決勝最高成績は3位。所属チームとマシンの実力が結果のほとんどを支配するモータースポーツの特性を考えても、F1が如何に厳しい世界なのかを示しています。

そんな厳しい世界で戦っている可夢偉に今、F1ドライバーが契約資金を確保するためにファンに募金をお願いするというあり得ない級の緊急事態が発生しています。本来ならスペンサーがすべき資金提供をファンにお願いしているのです。

わずかな望みをかけていたザウバー残留の道が無くなった今、残された道は勝てないチームと契約するか、中段以上のチームとテストドライバー契約をするか、一年休んで再起に賭けるか、です。

Clearは、感情的には彼をサポートしたい、微力ながら募金に応じたいというのが正直な所です。でも、自分の投じた資金が勝てないチームと契約する手助けをし、彼のキャリアをストップさせてしまう可能性を考えると応じることはできません。その道は既に何人ものドライバーが選択してフェイドアウトしていった道でもあるからです。

可夢偉はかつて、鈴木亜久里のARTA F1ドライバー育成プロジェクトの最終選考に残り、落選した過去があります。そのとき、彼はパドック全体に響き渡るほどでかい声でこう泣き叫んだそうです。

亜久里に勝てなかった!、絶対抜けると思ったのに勝てなかった!

ARTA F1ドライバー育成プロジェクトは、<勝利することに貪欲でタフなドライバー、第二のミハエル・シューマッハを日本で見つけて育てる>ことを目的に始まり、その最終選考はカートで亜久里とレースをすることでおこなわれました。最終選考に落ちたほとんどの子が落選したことで泣いているのに、彼だけは<亜久里に勝つ>という目的と強い意志をもって望み、その目的を達成できなかった自分に怒り、泣き叫んでいたのです。

これほどの逸材のキャリアをここで止めることはできない。それが募金に応じない理由です(これ以上のことはなにも出来ない自分を不甲斐なく思いながら)。


2012 F1 #18 ARE

2012-11-13 12:59:00 | スポーツ

2012_are遂に首位に立ったVETはこのまま逃げ切るのか、ALOに逆転の一手はあるのかに注目の集まったアブダビGPは波乱の予選で始まりました。

現在のレギュレーションでは、予選中はランダムに選択したマシンから、決勝後は上位入賞車から燃料を抜き取って燃料に不正な材料が使われていないことを確認しています。このため、マシンには常に1リットル以上の燃料を残しておく必要があるのですが、VETのモニタは燃料が規定の1リットルに満たないことを示しています。

あなたがチームマネーシャーなら、どう判断します?

RedBullの判断は、マシンを緊急停止すること、でした。とてもフェアな判断ですが、この行動は当然のようにスチュワードに疑念を抱かせ、WEBを含め2台とも車検対象になって燃料が残っていないことが発覚、ペナルティを受けます。

競技委員長のチャーリーさんの談話にもあったように、予選の燃料検査はランダム選択なんだから涼しい顔してビットに戻るのが正解だったような気もしますが、RedBullは最終的にはビットレーンからのスタートを選択してタイヤ選択とマシン調整の権利を得たワケですから、さすが、トップチームは抜け目無いです。

2012_are2決勝は都合2回のSCが入って全面VETバックアップ体制で進行しました。スタート直後にフロントウイングにダメージを負いながらも全開走行を続けて前に出つづけた結果はGAPグラフを真横に突っ切るラインが証明しています。

中でも残念なのはHAM。開始直後は順調にトップタイムを重ねていたのに19周めに突然の電圧低下トラブルでリタイア。あのペースで進行していたらどんな展開になっていたのかと期待せずにはいられません。

そんな荒れたレースを制したのはICE MANことRAI。SC解除直前にエンジニアから伝達された注意事項に<Yes, Yes, Yes, Yes! I'm always doing!>と冷静に応えて優勝する所はお見事です。彼は感情を表に出すことがほとんど無い性格が災いしたのか、一時F1から離れてWRCに移籍した後にLotusで戻ってきたのですが、ついに相性の良いチームと巡り会えた様ですね。

チャンピオンシップはVETが10PリードしてALOが続く形で次戦USAに。舞台はティルケさんの最新作となる<The Circuit of The Amaricas>。サーキットのレイアウトはどこかで見たような感じがするので多少の不安は残りますが、最終戦に向けた戦いに注目したいな、と。


2012 F1 #17 IND

2012-11-12 11:17:00 | スポーツ

2012_ind2012 F1も最終章に突入、韓国GP終了時点のドライバーズチャンピオンシップでは遂にVETがALOに対して+6ポイントで首位に立ちました。

そこにきて、インドGPです。風はVETを前に出す方向で吹き始めました。このサーキットはタイヤのデグラレーションがないという特長を持つので、マシン性能差が直接出る、RedBull断然有利と予想できます。

デグラレーションとは、周回を重ねる毎にラップタイムに現れる二つの効果のバランスのことと考えて下さい。具体的には、走行を重ねることでタイヤのグリップが下がるすることによって生じるラップタイムの低下と、燃料を消費することで車重が軽くなることによるラップタイムの向上、これら2つの効果のどっちが強く出るかを示すものです。

話を戻します。デグラレーションがないということはタイヤのグリップが下がる幅が小さいということを意味しているので、今年各チームのディレクターさんをさんざん苦しめた<崖>を考慮する必要がなくなってレース戦略は1ストップしか考えられないという状況を呼びます。頭を使う領域はタイヤ選択のハード、ソフト、中古、新品の組み合わせ程度。

2012_ind2ここまで書くとつまんないレースになるのかなぁ、という気もしますが、そんなことはありません。ここは、F1マシンの絶対的な速さを純粋に楽しめる、そう考えましょう。

二つのグラフを見ていくと、まず目に付くのがVETの前半と後半の違い。前半はリードを築くことに集中してペースを上げてますが、予想外にタイヤのグリップが残っていると分かった途端にトップタイムを出してリード幅を拡大してからタイヤ交換、後半はリードを守る走行に徹しています。F1 GP Newsで川井さんが指摘していましたが、GAPグラフの後半がほとんど平行になっている原因はこれです。トップが前に行かないんじゃ、差が開くわけが無いということです、はい。

Senna以来の<全ラップリードでの3連勝>という偉業を成し遂げて順調に前に進むVETに対し、2位に後退したALOに逆転の手はあるのか。Yukoさんから浜島さんへ突っ込んで貰いたいところを抑えつつ、次のUSAに期待します。