大阪で開催されている<エヴァンゲリオンと日本刀展>に行ってきました。
アニメと刀剣の関係は深く、古くはルパン三世・石川五右衛門の斬鉄剣、最近では鋼の錬金術師・ヒュース、SAOのキリト、アナス等々、枚挙にいとまが無いんですが、エヴァでも大小様々な刀剣が登場して使徒との戦いが展開されています。
で、今回の展示のメインは作中の後半に登場する<ロンギヌスの槍>を日本の刀鍛冶が実際に作成してみたという件です。どんな感じで仕上がってるのか楽しみです。
展示は日本刀の武具としての歴史、続いて太刀と刀の違いの解説に。装着、展示するときは太刀は刃を下に、刀は刃を上にするという御約束は予備知識として持っていましたが、太刀、刀の各部の名前、制作工程を紹介されると知らない事が山ほどあることに気づかされました。
で、お勉強が終わって、次のコーナーで登場するのがこちら。<ロンギヌスの槍>の構想図です。和紙に墨で意匠、製作上に使用する手法、注意点がびっしりと書き込まれてます。刀鍛冶さんの本気が伝わってきます。
アニメを制作するときもこれと同様にキャラ、メカ、アイテムの設定図にあれこれと予備情報を書き込むんですが、これは桁が違います。ここまで鳥肌が立ったのはイタリアのフェラーリミュージアムでジョン・バーナード直筆のFerrari F643のレンダリングを拝見した時以来です。
で、実物がこちら。でかすぎてスケール感が伝わりませんw。
<ロンギヌスの槍>は全体が二重らせん構造でできていて普段は1本の槍の状態にありますが、こごでは二重らせんを展開した状態を再現しています。細かいところの仕上がりをお伝えしたいんですが、こればかりは実物を見て頂きたいので敢えて割愛します。
<ロンギヌスの槍>の他には零号機、初号機、アスカ、マリをイメージして制作した短剣が展示されていますがイチオシはアスカです。
まず、刀身にアスカが立体で彫り込まれていることに注目。日本刀の歴史で弁天様を彫り込んだことはあるようですがアニメキャラとはいえ女性が彫り込まれたのは、これが初めてらしいです。
拡大すると、一切手抜きしていないことがよく分かります。これ、鍛造で鍛え上げた鋼の刀身に手彫りでやってるんですよ!
しかも、この短剣の凄いところは柄が斜めに切られていること。刀は鞘に納めて持ち運ぶのですが、その状態では鞘と刀身は接触していなくて宙ぶらりんなんです。その関係で通常、柄は垂直に切って刀身を安定させるんですが、この短剣は敢えて斜めに切った。鞘を作る職人さんは何度も刀身を確認して作業していたことがライナーノートに書かれていましたか、ここまで気合いを入れて頂けるとは・・・感謝です。
で裏が気になって回り込んでみたらアスカのバックスタイルがきちんと彫り込まれていました。
制作した刀鍛冶さんは、自由奔放なアスカをイメージしていったらここまで大胆な短剣になったけど、<にげちゃだめだ!>、と自分に言い聞かせながら製作したそうです。
刀身、鞘、装具と、この短剣には20代から60代までの多数の職人さんが携わったとのことですが、凄いものを魅せて戴きました。ありがとうございます。
この展示会、お近くで開催された際は是非ご覧になって下さい。