DolphinKnight

Canon EOS-1とEF400mm F2.8LでBlueとThunderBrdsを追いかける日を夢見て

NHK技研公開 2012

2012-05-27 19:01:07 | デジタル・インターネット

2011年に地上波がデジタル放送に移行し、F1中継が全戦フルHD放送になり、今が旬のハイビジョンですが、映像の世界には4K2K、そしてラスボス・ハーパーハイビジョンが出番待ちしています。

そのスーパーハイビジョンの映像をNHK技研が公開してくれる、というので行ってきました、観てきましたレポート、ごめんなさい写真無いよ、ですw

技研公開では、スーパーハイビジョン以外にもリアルタイムでの音声、手話の翻訳、映像加工などの放送の未来に関する研究成果の発表がありますが、細かい所は麻倉さんのレポートを見て戴くことにして、いきなりメインディッシュの<スペースシャトル最後の打ち上げ>に入ります。

上映会場はNHK技研の講堂ですが、普通の映画館に近い広さがありました。スクリーンのサイズは聞き忘れたんですが、劇場に近いサイズでした。

上映した作品は、スペースシャトルの最後のミッションがおこなわれた際に、アトランティスの整備、打ち上げをスーパーハイビジョンで撮影したダイジェストです。

組み立て塔内部に納められたアトランティスがフックで吊されて黒い耐熱タイルに覆われたボディがあらわになると、一面に貼られた耐熱タイルのラインがくっきりと浮かび上がってスーパーハイビジョンの解像力を見せつけてくれます。しかも遠目には白くみえるところもよく見ると灰色っぽくみえるなど、階調表現もハイビジョンとは違う細かさを持つことも確認できます。

圧巻なのはやはり、打ち上げシーン。ロケットエンジンのスタートで白煙が上がり、少し間があって轟音が響き渡ってからシャトルが浮上、その直後に轟音は最高潮に達します。このシーンをアシストするのは周囲に設置している22個のスピーカーが作り出す立体音響。いい画にはいい音が付いてないといけないんだ、と再確認するまもなく、ひたすら圧倒された10分間でした。

さて、気になるのは実用化の時期。一般家庭にはスーパーハイビジョンよりは4K2Kの方が効果がありそうですが、以下では、あえてスーパーハイビジョンをテーマにして話を進めます。

今回の技研公開では、表示装置では先に紹介した劇場サイズのプロジェクタと145インチプラズマディスプレイの試作品、放送の可能性では実際に地上波でスーパーハイビジョンを放映した画像をリアルタイムで表示する展示(世界初らしい、ですw)、録画手段ではホログラム記録に関する展示があり、外堀は埋まりつつあるが庶民の手に届くにはあと10年かかるなぁ、という感触を持ちました。

何にしてもスーパーハイビジョンの映像は一見の価値がありますんで、機会がありましたら是非ご覧になって下さい。受信料の元はとれますよ!


2012 F1 #5 ESP

2012-05-19 17:11:54 | スポーツ

2012esp波乱が波乱を呼んだスペインGPを恒例のラップチャートとギャップグラフで振り返ります。

まずはタイヤから。スペインGPではハードとソフトが持ち込まれ、中間のミディアムは今回はありませんでした。このため、決勝の天候にも寄りますがハード/ソフトのタイム差がレースの鍵を握るので、出来ればソフトは温存したい→下位チームはソフトタイヤで勝負に来るからハードで勝てるか不安→Q1とQ2でソフトを使う→Q3は最小限のラップにする、というつまんない展開を招いたとも言えます。

さて、レースの展開です。ラップチャートを観て気づくのは49周目以降にRAIとGROが見せたとんでもないラップタイム更新です。先行するMAL、ALOがもう一回タイヤ交換すると勘違いしていたことがわかってお尻に火が付いた結果なんですが、気づいた時点で決着は付いていたし、そもそも、チームがガケを恐れて最終スティントを短く設定したことがそもそもの原因なので、今後は川井さんのアドバイス通りに勇気を持って最終スティントを長めにしましょう。

2012esp2後方でここまでベストラップを重ねられればトップ2の立場は危うくなりそうな物ですが、GROとALOが前半で築いたギャップを克服するまでには至りませんでした。そこんとこ、ギャップで観てみましょう。

注目点は9周目まで3位にROSがつけていることと、ROSにGROがべったりと重なっていることです。この段階でMALとALOが築いたギャップが最後まで有効な障壁となり、後半になってベストラップを連発しても崩せなかった、ということになります。

ここでKOBに注目すると、KOBは常にROSの背後を走っていたことがわかります。逆転するなら22周目でVETが脱出、23周目でROSがタイヤ交換した時点でROSとBUTの前に出ることを考えて少なくともBUTより先にタイヤ交換する戦術が使えたはずなんですが、結局最後にタイヤ交換したのでそのまま最後まで抑えられた、という展開です。うーむ、そこまで読まないと勝てないのか・・・

後日談でグラフを見るといろいろとみえてきますが、現場でこの辺に気づいてレポートしてくる川井さんは凄いですね。


シャアに学ぶ"逆境"に克つ仕事術

2012-05-02 15:21:39 | 本と雑誌

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最近、アニメのストーリー、登場人物をベースにマネジメントの解説を試みる書籍が増えてます。体裁から、おちゃらけだよね?、と誤解されることが多いんですが予想に反して硬派な内容の物もあり、今回取り上げる<シャアに学ぶ"逆境に克つ仕事術">はその中の一冊です。

このジャンル、読者層の年齢の関係からガンダム、ヤマトといった古めの作品が取り上げられることが多く、ガンダムを選択した場合はどうしても外せないのがシャア。<赤い彗星>の銘を持つ準主役級キャラでザビ家打倒を達成し、ティターンズを壊滅させ、最後はアムロとの決戦に挑む姿は美学にあふれています。でも。彼をマネージャとして採点するとB+からCランクの実は赤点という結果がほとんどです。何故でしょうか?

理由として挙がるのは、ジオン軍に所属していた頃にみられた、命令違反をしても実績があればいい、という自分自身のスタイルがひいてはジオン軍全体の秩序を乱した、実戦で失った部下は数知れず、腹の中では忠誠を誓うべきザビ家に対して敵対心を抱いていたことがあげられます。唯一の加点対象はエウーゴに所属していた時代に発揮したマネジメント能力がありますが、その後に逆襲のシャアで地球連邦政府に弓を引いたのですからコレで良い点が付くわけがありません。

そんな事情を鑑みたのか、本書はZガンダムでエウーゴに所属していた当時のエピソードから数々のマネジメント手法を紹介するスタイルを採り、時折ブライトと比較もおこなわれています。

その中でも鋭いなぁ、と感じたのはシャアとカミーユの関係に関する考察。エウーゴは物語に登場した時点で戦闘集団として組織、機能している。ということは、新型モビルスーツガンダムMK-Ⅱはカミーユ以外のパイロットも扱える。よって、アーガマにとってカミーユは必須ではない。でもシャアはカミーユにニュータイプとしての可能性を感じていたので状況、自分の考え、目指すところを説明してからカミーユに<一緒に行動してくれればうれしい>、と話します。この行動は新人研修そのものということです。そういう見方もできるか、やるな、シャア。

もう一つは行動に制約が生まれたときの対処。物語の前半部分ではカミーユと共に実戦参加してプレイングマネージャとして成果を出していたのですが、後半でブリックス准将からエウーゴのリーダーになれ、との遺言をうけて以降、ブライトから出撃の自粛を促され最も得意とするフィールドでの行動が出来無くなったシャアの心理面に関する考察は一読の価値ありです。

マネジメント、といえばエライさん候補生だけが学べば良いこと、と思われがちですが実はそうでもないんですよ、ということも示唆してくれる良書でもあります。いろいろと壁にぶち当たったときの参考になれば幸いです。

シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術 シャアに学ぶ“逆境”に克つ仕事術
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2012-03-15