よったろーのせーさく日記3

よったろーのせーさく日記からの引き継ぎです。
ちょちょいのよったろーと申します。
改めましてよろしくお願いします。

この後の予定

2016-05-30 17:19:59 | 日記
この後の予定ですが、番組を見ていきます。

今日の作業はこれで終了とさせていただきます。

休日だけだと番組が満足いくだけは見れていないので、平日は番組を見るのを優先とする事になりますので、今日制作したから、平日はできても後一回くらいですね。

後は、日曜日の作業まで制作はお預けという事になりそうです。

以上です。

2016-05-30 17:18:01 | 日記
以上がルーメン・テネブライ編の第004話になりますね。

正直、クアンスティータ誕生編となるアクア編やウェントス編を後回しにしているので、非常に作りづらかったです。

こんな感じでイグニス編やテララ編も作らないといけないかと思うとちょっと不安が残りますね。

まぁ、作りづらいときもたまにはあるという事ですね。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編4話33

2016-05-30 17:17:37 | 日記
 元が一つである限り、全てに影響するダメージを与えるという力がその結晶にはあったのだ。
 しかも、これはただ、結晶を放っただけだ。
 結晶の加工次第で、どのような攻撃バリエーションになるか、想像するだけでもかなりのスケールアップと言えた。

 オイティエッケは最後の一つまで、全て、消滅していった。
 時間にすると大体、数十秒くらいだろうか。
 F(怪物ファーブラ・フィクタ)の攻撃だったなら一瞬なので、その辺のスケールダウンはあるが、それでもかなりの力だと言える。
「先を急ぐわよ」
 キャリアはフォールとキャトラに声をかける。
 自分達が何をなそうかというのはまだ決まっていない。
 目的もはっきりしない。
 だが、ここはまだ、第二階層に過ぎないのだ。
 幽界で何かをなすとしても中途半端過ぎる位置であると言える。
 進むなら、最深部である第十階層辺りまでは行かないとやりたい事とかが見えてこないのかも知れない。
 キャリア達は何かをするのではなく、まず、目的を見つけるために前に進む事を選択するのだった。
 キャリア達の現在地は幽界の第二階層の宇宙世界のどこか。
 第三階層に進むには恐らく、第二階層の宇宙世界の中心部にある巨大ブラックホールの所まで行くしかない。
 その前に、第二階層に居る本当の意味での強敵達とはまだ、出会っていない。
 第一階層と違い、多種多様な存在が居る第二階層。
 これからどんな冒険になっていくのかは解らない。
 だが、彼女達は前に進むしかない。
 明日を手にするために。

続く。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編4話32

2016-05-30 17:15:27 | 日記
「そういう訳にはいかないのよね」
「ぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ……」
 オイティエッケの【ぼぼぼぼ……】の連呼に反応して、オイティエッケの身体が無数に分裂していく。
 オレンジの光体で見ると、オイティエッケの属性が変わっている。
 どうやら、オイティエッケは分裂を繰り返すことによって、オイティエッケを構成している原子の構造が変わって行き、次々と別属性の分身を作り出すことが出来るようだ。
 強敵――ではある。
 だが、この広すぎる第二階層の宇宙世界からみたら、その辺にゴロゴロいる敵の1つに過ぎない。
 もっと特別な力を持った更なる強敵はまだまだウヨウヨいる。
 いつまでもこの程度の相手に躓いている暇は無い。
 先はもっとずっと長いのだ。
 もっと奥まで進みたいと思っているキャリアは早々にこのオイティエッケを倒す事を選択した。
 背中の突起物から新たな結晶が作り出される。
 対オイティエッケに特化した結晶だ。
 オレンジの光体を通して、オイティエッケが何が得意で何が苦手かというのはよく解るようになっている。
 キャリアは背中の突起物から結晶を一つ飛ばした。
 もちろん、オイティエッケに向けてだ。
 オイティエッケは無数に分裂しているので、分裂した内の一つに向けてという事になる。
「おぎょぎょぎょぎょあがぎょぎえげぇ~っ」
 という悲鳴が上がり、次々とオイティエッケの無数あった分裂が消滅していく。
 F(怪物ファーブラ・フィクタ)の関係者全てにダメージを与えるというところまでは行かないが、元々、一つの名前でくくられる存在――この場合はオイティエッケになるのだが、このオイティエッケ全てに影響する結晶だったのだ。
 どんなに違う属性が増えて行っても、結局は元はオイティエッケという一つの存在が増えて行ったものである。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編4話31

2016-05-30 17:15:02 | 日記
 キャリア達は幽界に身体をなじませつつあった。
 そうしなければ、生きていけず、異物として、狙われる立場が続く事になるのだ。
 否が応でもそうしなければならなかった。
 成長するにしてもそれには限度というものがある。
 成長し続けるにしても成長のスピードというものはどうしても限られるからだ。
 だが、自らの成長で幽界の反発を買う事よりも、より、幽界に適した身体になることで、幽界の反発というものをかなり抑えた形になった。
 郷に入っては郷に従えではないが、幽界に来たのだから、幽界に会った体質をベースにやって行くことがキャリア達が生き残って行く事に対して最も適した事となった。
 それを証明するかの様に、敵対する存在の数や種類は第一階層の宇宙世界よりも相当数多いという調べがついているのに、実際に向かってくる敵の数はむしろ、第一階層よりもこの第二階層の方がかなり少ないと言えた。
 それは、木を隠すなら森の中のように、より、幽界になじんだ事によって、敵の方も異物としてキャリア達を見つけにくく、気づきにくくなっているという事でもあった。
 とは言え、全く敵がいないかというとそうでも無く、進んでいくと、少なからず絡んでくる輩というものは出てくるものである。
「お前達、ここを通りたくば、お前達の生命力を置いていけ」
 キャリア達の前に大きな影が立ち塞がる。
 ここはまだ、第二階層宇宙世界の宇宙空間だ。
 敵の名は【オイティエッケ】。
 第二階層宇宙世界の宇宙空間に漂う生命エネルギーを食べて生きている存在だった。
 キャリアは
「生命力を置いていけと言われて、はい、そうですかという訳には行かないわ。他に方法はあるのかしら?」
 と言った。
 オイティエッケは
「ならば、死ぬしかないな」
 と返す。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編4話30

2016-05-30 17:12:55 | 日記
 だからこそ、フォールにも怪妖との満足いかなかった戦いを諦めてもらった。
 フォールもそれが解るからこそ、黙って、指示に従ったのだ。
 この幽界に来てしばらく経つが、キャリア達は心の成長もしていった。

 その成長に影響されたのか、新生キャリアの背中から生えている帯の様なものが形を少しずつ変えていって、二本の突起物になった。
 その二本の突起物には何らかの結晶が何種類かついている。
 これがどのような力をもたらすのかはまだ不明だが、元々の帯の様なものは頭上のオレンジの光体と連動していて、現在に至るまで幽界の宇宙世界の状況を感じ取り、この宇宙世界に特化した形態へと形を変えたのだ。
 この突起物はその場の宇宙空間と連動し、それに見合った結晶を作り出す。
 その結晶を使って、幽界での戦いを有利に進める事が出来るというものだ。
 キャリアはこの自身の体内構造をオレンジの光体を利用し、理解した。
 また、キャリアだけがスキルアップした訳ではない。
 フォールとキャトラもまたスキルアップしていた。
 二人はどちらも見た目に大きな変化があるという訳ではなかったが、属性などが体内でめまぐるしく変化していた。
 それは、絆玉(ボンドボール)を通して、キャリアの成長が直に影響するという事でもある。
 絆玉(ボンドボール)はもう無い。
 フォールやキャトラが完全に身も心も仲間になった時、その役目を終えるからだ。
 だが、その絆玉(ボンドボール)からの影響はフォールとキャトラにずっと残る。
 キャリアの成長は同時にフォールとキャトラも成長しているという事に繋がるのだった。
 スキルアップの同調現象をもたらすのが絆玉(ボンドボール)の大きな特徴だった。
 キャリアの背中の突起物で作られる結晶はフォールとキャトラにも良い影響を与える事になるのだ。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編4話29

2016-05-30 17:12:31 | 日記
第五章 第二階層の宇宙世界(幽界)


 幽界の第二階層の宇宙世界にキャリア達はやってきた。
 第一階層の時のように、あらかじめ、情報を得ていないので、この宇宙世界では何が脅威になっているのかがまだ、よく解っていない。
 とりあえずは、キャリアがオレンジの光体を大きくして、周辺のパワーをさぐってみた。
 そこで解った事が一つ。
 どの様な存在がいるかはまだ、解らないが、第一階層が怪妖という脅威の一極集中だったのに対し、この第二階層はそうではないというのが解ってきた。
 むしろ、第一階層がシンプル過ぎたのだ。
 この幽界は現界(人間界)の宇宙世界と同じ規模を持つ世界だ。
 たかだか、十階層の脅威が十種類だけでは、現界と釣り合わない。
 現界ほどではないにしても、もっと、色んな脅威が存在するのが、幽界と言えるだろう。
 言ってみれば、第一階層もまた、表層階層と同じように、あまり規模の大きくない宇宙世界と言える。
 考えて見れば、こんなにすんなり、それぞれの宇宙の中心にまで進めるというのも層が薄かったという証拠だ。
 本来は、もっと、様々な脅威が無数存在し、手ぐすねを引いてキャリア達を待ちかまえているというのが実際の所だろう。
 だが、それは悪いことばかりでもない。
 上手く脅威と脅威の狭間を見つける事が出来れば、案外すんなり通れるかも知れないという可能性をもまた持っているという事になる。
 なるべく当たり障りのないように行動していけば、トラブルともそれほどぶち当たらずに進めるだろう。
 そもそも、キャリア達はトラブルと正面から向き合い過ぎているきらいがある。
 真っ正面から戦い続けて行けばいずれ疲弊し、やがて、倒されるという運命が待っている。
 クアンスティータではないのだから、その宇宙世界全てと戦う様な戦力はキャリア達は持っていないし持つことは出来ない。
 避けるべき戦いは避けるべきなのだ。
 何が何でも戦うということは間違っている。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編4話28

2016-05-30 17:10:27 | 日記
 向かうところだった、キャリア達は急旋回して、そのブラックホールを離れた。
 すると、そこから何千光年も離れたところにもう一つ、巨大なブラックホールがあった。
 先に見た方のブラックホールは第二階層の入り口ではなく、侵入者を永遠の闇に閉じ込める罠だったのだ。
 怪妖達が追ってこなかったのもこの最後の罠があったからかもしれない。
 キャリアは、
「なんで気づいたの?」
 とフォールに聞いた。
 彼は、
「何となく、表層階層の時のブラックホールと違う気がした。ただそれだけだ」
 と答えた。
 頼りになる仲間が居ると言うことは心強い事だとキャリアは思った。
 一瞬、冷やっとしたが、キャリア達は無事、第二階層の宇宙へと進んだ。
 キャリア達は怪妖を全滅させる事が目的ではない。
 なので、無事に通れれば、無理に全部の怪妖と戦う必要はない。
 追って来ないのであれば、こちらも相手にしない。
 フォールだけはリベンジとして、他の怪妖との一騎打ちをしたかったが、そうも言っていられない。
 第二階層には更なる脅威があるのだ。
 納得がいかない結果でもそこは割り切って前に進むのみだった。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編4話27

2016-05-30 17:10:02 | 日記
 追いかけてきた怪妖達を無事交わしたが、怪妖達はお互いが衝突した。
 お互いがぶつかったとなったら、後は、怪妖同士の殺し合いが始まるだけだった。
 三匹の怪妖達が、それぞれ他の二匹に対して闘いを挑んできた。
 三つ巴の闘いとなり、キャリア達は観戦者という立場に変わった。
 正直、活路がなかなか見いだせなかったので、助かったと言えた。
 三つ巴の完全なつぶしあいとはならなかったが、生き残った、最後の一匹、怨堕をキャリアの反物質でできた矢が急所をとらえた。
 棚から牡丹餅という形でキャリア達は勝利した。
 フォールはこの勝ち方に納得はしていなかったが、それでも勝ちは勝ちだ。
 そんなことよりも、キャリア達が原因で、12匹いた怪妖が2/3にまで減ってしまったのだ。
 更なる怪妖の怒りを買う前に、第一階層を突破する事を優先させた。
 幸い、追手は現れなかった。
 キャリア達は知らなかったが、4匹の怪妖の消滅により、第一階層の勢力図に大きな変化があったので、他の8匹の怪妖は出てこなかったのだ。
 侵入者であるキャリア達を追うよりも、自分の担当するエリアの拡大を怪妖達は重視したのだ。
 幸運が続き、難を逃れた、キャリア達は、第一階層の宇宙の中心へとたどり着いた。
 そこには表層階層の時と同様に巨大なブラックホールがあった。
 ここに入れば、第二階層という事になる。
 足早に動いたため、第二階層の情報は仕入れて来れなかったが、それを探っていたら、状況を立て直した怪妖達が追ってこないとも限らない。
 幸い、見張りもいない事だし、入る事にした。
 ──が、突然、フォールが叫ぶ。
「違う、こっちじゃない」

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編4話26

2016-05-30 17:07:58 | 日記
 最初に戦った呪業もそうだが、怪妖は共通して、好戦的だ。
 キャリア達があれこれ戦略を練るより前に凄まじい連続攻撃を仕掛けてくるので、彼女達は本能の部分で、直感よりも早く回避しながら攻撃をするしかない。
 だが、一度は呪業という怪妖を倒しているのだ、コツは何となくわかる。
 キャリアは四名の仲間にテレパシーでサインを送った。
 怪妖の弱点はずばり、攪乱だ。
 この第一階層で圧倒的な力を持っている怪妖達は力押しでその覇権を握ってきている。
 第一階層の怪物たちもそんな怪妖達に真っ向から力で対抗し、敗れ、その血肉となって行っている。
 そのため、あまり、攪乱とか奇策を使ってくる相手が居なかったのだ。
 その力が広範囲に及ぶため、例え攪乱しても攪乱になっていなかったのだ。
 だが、キャリア達のパワーとスピードであれば、何とか怪妖達に攪乱として通じる。
 まともに戦えば、勝機は薄いが、今は三匹の怪妖達が相手である。
 恐らく、怪妖達は今まで、協力して戦ったという経験はなかったはずだ。
 怪妖一匹いれば、事足りる相手ばかり相手にしてきただろうからだ。
 だが、キャリア達という不足の事態に急ごしらえのチームワークで闘っている。
 いや、チームワークとすら呼べないだろう。
 怪妖達はお互いのテリトリーを犯さないように戦っているため、本来の力が出せていない。
 元々は憎悪の固まりのような存在なのだ、本当の信頼関係とは無縁だろう。
 うまい事、攪乱しながら、怪妖同士をぶつけ合わせればと思っていたら、本当にそうなった。
 回避を続けていた、キャリア達は偶然、同じエリアに逃げ込んだ。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編4話25

2016-05-30 17:07:34 | 日記
 ギャギャギャギャギャガガガガギャギャギャギャギャギャギャギャガガガガギャギャギャギャギャギャギャギャガガガガギャギャギャギャギャギャギャギャガガガガギャギャギャギャギャギャギャギャガガガガギャギャギャギャギャギャギャギャガガガガギャギャギャギャギャギャギャギャガガガガギャギャギャギャガガガガギャギャギャギャギャギャギャギャガガガガギャギャギャギャギャギャギャギャガガガガギャギャギャギャギャギャギャギャガガガガギャギャギャギャギャギャギャギャガガガガギャギャギャギャギャギャギャギャガガガガギャギャギャギャギャギャギャギャガガガガギャギャギャギャギャギャギャギャガガガガギャギャギャギャギャギャギャギャガガガガギャギャギャ……

 ゴガガガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガガガ
ガガガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガ
ガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガガガ
ガガガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガ
ガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガガガ
ガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガガガガゴゴゴガガガガガガガガガガゴガガガガガゴゴゴガガガガガガガガガガ……

 ズババババダダダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダ
ダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダ
ダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダダダダズババババダダダダダダダダダダ
ダダダズババババダダダダダダダダダダダダダ……

 それぞれの闘いでの猛ラッシュが始まる。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編4話24

2016-05-30 17:05:30 | 日記
 キャリアも手伝いたいが、彼女の前には更に2匹の怪妖が立ち塞がっていた。
 1匹は耳飾りになっていた聖魔ジャンルと聖魔マドゥワスを召喚して対応させたが、残る1匹はまた、キャリアが対応するしかない。
 2匹の怪妖の名前は憎羅(ぞうら)と疑闇(ぎあん)という。
 ジャンルとマドゥワスが相手をする憎羅は闇よりも暗い暗黒をまとう怪妖だ。
 そのため、正体が全くわからない。
 疑闇は虚像を映し出す怪妖だ。
 実際に見えている姿である可憐な少女と実物は全く似ても似つかない。
 実体は醜い怪物である。
 本当の姿が解らないという事では憎羅と共通点のある怪妖だ。
 キャリア達に襲い掛かる三匹の怪妖達の猛攻が始まった。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編4話23

2016-05-30 17:05:04 | 日記
第四章 第二階層へ


 ほぼ素通りで、第一階層を進むキャリア達だが、全く敵が居なくなったという訳ではない。
 ――そう、他の怪妖達がまだ、残っているのだ。
 特に、呪業を倒してしまったという事で、自分達の権威を失墜させたとして、キャリアに対して、強い殺意を覚えるようになった。
 そして、二匹目の怪妖が彼女達の前に立ち塞がるのだった。
 怪妖 怨堕(かいよう えんだ)。
 それが、その怪妖の名前だ。
 怨堕は元、天使だ。
 それが、幽界に落ち、深い怨嗟を浴び続け、やがて原型をとどめない怪妖へと姿形を変えていったのだ。
 今ではすっかり、幽界の住人だ。
 心の底から、天使という部分は無くなっている。
 天使であった自分と引き替えに強大な力を手にした怪妖。
 見た目としては天使と呼ぶよりは鬼に近いだろう。
 完全な鬼では無く、印象として鬼に近いという意味でだ。
 透き通った白い肌は浅黒い筋肉質な肉体となっている。
 エンジェルハイロゥは頭に突き刺さり、その翼は固まり、翼というよりは大きなトゲの様に見える。
 幽界は精神の世界とも呼ばれているので、精神の影響が肉体をも変化させる。
 怨堕にはフォールとキャトラが戦う事になった。
 キャリアですら、怪妖に対しては危なかったので、最初はキャトラが戦う事になっていたが、それでは足りないという事でフォールが加勢する事になった。
 2対1になるので、彼としては面白くない展開だったが、それを言ってしまえばキャトラはこの相手に勝てないかも知れないので、手伝う事にしたのだ。
 だが、2対1でもかなり苦戦を強いられていた。

ファーブラ・フィクタ ルーメン・テネブライ編4話22

2016-05-30 17:03:16 | 日記
 ザンッ
 という音がして、呪業の身体が真っ二つに別れる。
 呪業はどんなに傷つけても再生する身体をもっているが、ウィークポイントである元の動物の身体は血液を通して体内をもの凄いスピードで動いている。
 その動きを見極めて、呪業の背中にウィークポイントが移動した時を見計らって、タイミングを合わせて一撃を食らわせたのだ。
 グギャアゴォォォッ……
 という雄叫びが聞こえたかと思うと、呪業の大きな身体が、どんどん小さくなっていく。
 肉眼では確認できないが、エネルギーが急速に体外に放出されているのだ。
 手強い敵だったが、見事、12匹の怪妖の一角となっていた呪業を撃破したのだった。
 勝つには勝ったが、一歩間違えば、負けていたのはキャリアだった。
 だが、第一階層を支配していた一匹を倒したので、刺客も滅多な事では仕掛けて来なくなった。
 怪妖を倒せる者に下手に挑めば返り討ちにあうと思っているのだろう。