ミナミのフと思ったこと…

福知山の眼鏡店 眺望工房ミナミの店の情報、その他。店主 南薗の日常の感じたことなど。

勉強会

2023-06-30 15:32:06 | 検査
一昨日は名古屋へ勉強会に行ってまいりました。
新幹線の中では隣の外人さんがバクバクお弁当食べていまして、コロナから脱却しつつある日常を感じました。京都駅もすごい人です。

昨日のセミナー内容は、両眼視機能不良についての対応をどうするかということでした。ここの部分については、認知されていないのですが非常に多くの人が悩まれているところです。
対応として、屈折異常の補正、プリズム処方、+-レンズ処方(度を強くしたり弱くしたり)、ビジュアルトレーニング、などがあげられます。何かとグレーゾーンかつ、デリケートな問題です。しかし、トレーニングに関してはやるところも少なく、今後の大きな課題となります。
どういう現象の眼かというと、その中の一つに輻輳不全があります。より目が苦手、という人ですね。このせいで複視だったり立体視が苦手だったりと、日常生活で不便が生じることになります。2種免許等突破するには切実となります。
昨日の数時間ではとても時間が足りないのですが、それでも全国から集まったオプトメトリストの皆さんに刺激をもらいました。


名古屋駅ホームより、工事現場に麒麟?
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臨界期

2021-11-28 15:36:29 | 検査

柚子をたくさんいただいてしまいました。他のお客さんに分けてとも言われましたので、欲しい方差し上げます。いい香り~!

両眼視のことの続きです。

これまで書いた通り、とりあえずは両方の視力がよく出ることが両眼視にとって大事なこととなります。しかし、幼少期にから視力が出ていないことを見過ごされたりした場合、厳しいことになります。

生後から一定期間、適切な視覚刺激を受けなければ視力が出にくくなります。この一定期間を臨界期と呼んでいます。ヒトの臨界期は6か月~9歳ぐらいと言われています。これはネコやサルの実験から推測したデータです。実際人間にこのような実験をするのは無理なので、動物を使ってということになりますが、内容については割愛します。(ちょっと怖い)

とにかく大事な時期にしっかり見える状態を作らないと将来的に「弱視」ということになりかねません。以前s県の某眼科にいたときですが、その説明をするDrと眼鏡をかけさせたくない親御さんとのバトルがありました。「保育園では元気に走り回っているらしいので見えているはずです!」というのがお母さんの言い分。このパターンになるのは、親御さんがメガネかけたことないか、偏見を持たれているケースが多いです。とにかくメガネをかけるなんてかわいそうという考えです。今では減っていると思うのですが…。

というわけで大事な時期を逃すとかなり厳しくなるという話でした。

 

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抑制

2021-11-21 14:06:14 | 検査

「立体視」をするためには、左右の眼がしっかり見えていることが大事なことは前回までに書いた通りです。ところが片方の眼に抑制がかかり、難しくなる場合があります。何かの作業に夢中になっている人に声をかけても気が付かれない、この場合は音刺激が「抑制」された感覚性抑制です。つまり、余計な情報を入れて混乱するのを避けるためだと思われます。

眼の場合、左右それぞれ違う情報を網膜に映しています。例えば鉛筆一本立てて見たときに、鉛筆以外の視界に入るモノはダブって見えています。これを「生理的複視」と呼んだりします。通常左右の像が同時に重なって見えることはなく、左右交代して見えたりします。これは視野闘争と呼んでいます。赤フィルター、緑フィルターなどを使って検査するとチラチラして見えてよくわかります。

生理的複視は普段自覚することはありませんが、これを利用して立体感を感じています。

問題は斜視などで融像できない場合、何を見てもモノがダブって見えるのを避けるため、片眼に抑制がかかり見えなくしてしまいます。他にも左右の視力が大きく違ったり、像の大きさが違ったりする場合も生じます。この場合は中心窩のみに限られた抑制のようです。

このように、左右視力が出た、だけでは突破できない要因があり、立体視を難しくさせています。

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検査法

2021-11-14 15:54:36 | 検査

立体視の続きです。

立体視ができるかどうかはこれまで書いた通り、「同時視」、「融像」、「立体視」のステップを踏んでいきます。検査にはフィルターレンズを使ったり、器具を使ったりします。

偏光レンズを使って立体感を感じるかどうかの視標になります。

三桿深径覚計。

2種免許、大型免許の基準として

・視力  両眼0.8以上、片眼それぞれ0.5以上

・深視力 三桿法奥行知覚検査器により2.5mの距離で3回検査し、その平均誤差が2cm以下であること。

この基準を満たさねばなりません。

先ほど練習にいらしたお客さん、慣れるまで結構苦労されていました。

…もうすこし続きます。

 

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立体視

2021-11-07 14:20:16 | 検査

置き引きの届をしに警察に行きました。しかし、現場を見ていないので「紛失」ということにしてもらいました。まあ色々と面倒です。

さて、1週空いてしまいましたが、「融像」の続きで、「立体視」に入ります。

3次元、つまり奥行を認識する感覚を深径覚といいます。深径覚には立体感覚と遠近感覚があり、立体視は3次元物体が立体的に見えることで、見え方の違う左右の眼の像が融像されて生じます。

遠近感覚には融像されずに単眼視の状態でも生じます。奥行認知の手がかりとしては、

網膜像の大きさ(遠くにあるものは小さく見える)。

物体の陰影。

物体の重なり合い。

大気遠近法(霧やスモッグなどで明暗のコントラスト減少)。

相対位置(地平線に近いほど遠くに見える)。

…など他にもありますが、実際見て、触っての身体感覚に刻まれた経験というのも大きいと思います。

立体視の関してはとりあえずこんな感じです。

 

 

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融像

2021-10-24 15:35:29 | 検査

前回は「同時視」について書きましたが、今回は両眼視機能の第2段階の「融像」です。

左右の眼には別々の像が網膜に映っていますが、その像を1つにまとめて単一視する機能を「融像」といいます。網膜には一番視力の出る中心窩があり、それは左右の眼は共通の視方向をもっています。中心窩から外れた範囲でも対応点があり、単一視ができるようになっています。対応点でないところは融像できないということになります。

融像は大脳の精神的作用のようですが、当たり前にやっているこの融像、実はかなり大変です。融像できないこととして、弱視、抑制(前回書いた分)、眼の筋肉(外眼筋)麻痺、左右の屈折異常などが大きく違うなど、ほかにもあります。それら邪魔することがなくて、初めて「融像」が可能になります。

↑検査ではわざと融像を遮断して、眼の向きの検査をしたりします。

融像だけでなく人の体というのは、本当に複雑なバランスのもとに作られていて驚きです。設計した造物主さんはスゴイとしか言えませんね。

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同時視

2021-10-17 14:10:20 | 検査

急激に寒くなってまいりました。暦の上では普通でもちょっと油断していました。つまらない風邪などひきませんように。

先週の話の続きです。両眼視機能のところまでお話ししました。両眼視機能を1910年ごろ、クロードワースという人が3つに分類したそうです。①第一段階 同時視、②第2段階 融像、③第3段階 立体視、となります。段階としたところには、最初に躓けば立体視までたどり着けないという意味がくみ取れます。ただ立体感はいろんなプロセスで感じ取ることができますが、とりあえずここでは置いておきます。

まず、①の同時視ですが、両眼に映った網膜像が同時に知覚できる能力を言います。左右それぞれに視力は出ていても、片方が抑制されている状態があります。

左右の眼に赤緑のフィルターをかけ、画像のようなものを見てもらい、同時視できているか、抑制はかかっていないかの検査を行います。検査方法は他にも様々あります。

次週は融像ということで続きます。

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両眼視

2021-10-10 15:37:24 | 検査

今朝はかなり濃い霧でした。

7時ごろの由良川。

その30分後。しかし霧はあっという間にどこに消えるのか?

なんか太陽デカく撮れました。

 

先週プリズムについて書きましたがその続きです。

2種免許を受けるお客さんからのお話で始まりました。まず両眼視ということからお話しさせて頂きます。一応定義としては3つに分類されていて、両眼固視、両眼視機能、両眼単一視となります。

「両眼固視」は興味のある視物に対し両方の眼の視線を交叉させ、視物が中心窩(網膜で一番視力が高い部分)に結像され大脳皮質視覚領に行きます。

「両眼視機能」は両眼を1つのまとまりとして視覚領で処理する状態。しかし両眼の情報が融合する場合としない場合があります。した場合は次に行きます。

「両眼単一視」は両眼を一つの眼として使うことによって得られる視覚と定義されています。つまり両眼視機能で生じた結果ということになります。

ややこしく、つまらない話が続いてスイマセン!話の到達点は「立体視」となりますが、もう少し土台の部分を続けます。理由としては2種免許が厳しい人もいるというパターンを現実として知っていただきたいということがあります。辛い部分はありますが、ごまかしの効かない部分でもあります。また多分来週に続きを…。

 

 

 

 

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プリズム

2021-10-03 13:45:23 | 検査

先ほどお客さんから「プリズムメガネ」ってどんなメガネ?という質問をいただきました。一般的に知られていないであろう用語が飛び出てきて少し驚きました。この方は深視力(立体視)に不安があり、調べるうちにこの言葉を見つけたとのことです。プリズムメガネを使うと立体視がしやすくなると理解されているようなのですが、ことはそう単純なモノではありません。安易に入れるべきものでもありません。

プリズムレンズは光を曲げるレンズで、1m先で1cm光がズレるのを1△(プリズム)の単位で表します。

(8△)

レンズの厚いほうを基底といい光はそちらに曲がるので像は薄い方の頂角にズレて見えます。ややこしいですが。写真は上が基底。ちなみに凹レンズであれ凸レンズであれ、頂角が中心か基底が中心かの違いで、プリズムの集合体といえます。一般的なプリズムレンズは1方向のみのことをいっています。

実は私自身がプリズムを入れたメガネを使っていますが、どういう場合に入れるかを記すととかなり長くなるので少しずつ書いていこうかと思います。

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モノビジョン

2021-01-25 15:32:46 | 検査

メガネの度数を合わせる場合、通常は左右とも同じ視力にするのが望ましいとされています。レンズの度数は段階の区切りがあるのもあって完全に同じにするのは意外と難しいのですが、わざと左右の見え方の差をつけて「モノビジョン」の処方する場合があります。一つは不同視などでレンズ度数に差がありすぎる場合、両方の眼で見ると融像しづらいという問題がでるときです。しかしこれを生かして片側を「遠用」、反対を「近用」として作ったりもします。

今回作製したのは左右の眼は同じぐらいの近視の方です。しかしあえて「モノビジョン」で処方しました。この場合デメリットとしては、立体視がしづらいということと、明視範囲が遠くと近く片方づつということになります。今回のケースは、運転しない、メガネの掛け替え面倒、遠近両用は使いたくない、とのことでこのようになりました。

白内障の手術の後、人工の眼内レンズを入れるため、ピント合わせができなくなります。アメリカなどでは人工レンズをモノビジョンにして入れるケースがあると昔聞いたことがあります。日本では聞いたことがない気がします(以前私が検査のお手伝いしていた眼科さんに限ってですが)。メガネレンズと違って、簡単に入れ替えできないので仕方ないと思います。

同じような目であっても、個人個人のニーズは違ってきます。テストレンズでは色々試せますので言ってください。

 

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