<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

シャボン玉石けん(泡泡玉) 上海物語

2011-11-14 | 中国ビジネス
今回は、伊勢丹ジャパンフェアに出展していたシャボン玉石鹸をピックアップ!



同社、筆者の地元/北九州市に本社を置く会社。
無添加石鹸の分野では日本トップシェアを誇ります。
化学石鹸と比べると、手間もコストも掛かるので、当然ながら日本国内でも価格は高め。
でも、肌に敏感な現代人にとって、こうした自然系の製品はますます需要が高まることが期待されてますね。
ここ中国でも、急速な経済発展、食文化の変化などによって、アレルギー疾患が急増しているようなので、まさに時代は追い風と言ってよい。
今回も上級モデルのベビー石鹸ボディソープが品切れ状態になってましたから。



中国の訪日観光客がこぞってファンケルやDHCを買い求めるのには、こうした背景に加え、自国のメーカーへの不信感が根強いことも挙げられる。

というようなコトも踏まえながら、考察を進めることに。

まず中国で石鹸といえば、どのくらいの価格帯だと思いますか?

なんと、だいたい2~5元のクラスが主流。
勿論、全て化学石鹸(界面活性剤を使用)ですけどね。
同社の石鹸、輸入品ということもあって、1個20元します。
相当な価格差ですね。
当初、さすがに中国では受け入れられないのでは・・・との厳しい声も。

でも、同社の石鹸は「純天然・無添加」を売りにする健康商品。
「汚染物質で溢れかえっている中国では、必ず商機があるはず!」と立ち上がった総代理店社長の熱意に全面的に協力しようと。。。

で、最終的に行き着いたのが「日本製の安全・安心をアピールするために、まずは日系の百貨店や高級スーパーで地道なセールス活動を続けよう!」というもの。



これが、昨年6月ごろの話ですね。

そして、初めて伊勢丹のジャパンフェアに出展したのが昨年8月。
このとき、「目標とした売上げには到達しなかったものの、1週間、売り場に立ち続け、中国の消費者と直接接することで大きな収穫を得た」と社長は教えてくれた。それは、このビジネスに対する自信の芽生えでもあった。

正直なところ、この時点で同氏も中国での販売戦略が定まっていたわけではなかった。「時代の流れに沿った商材」という確信はあるものの、価格が高いだけに「本当に売れるだろうか?」という偽らざる不安があったのだろう。

実際、同社の歯磨き粉は通常のサイズで59元(約750円)。
中国の標準的な価格帯と比べると、4倍くらいの値段。



それだけに、本人も売れ筋と思っていなかったようで、2ケース(40本)しか用意してなかったのだが・・・。
フタを開けると、初日で1ケース売ってしまいました。
慌てて追加で届けてもらうことに。

うーん、プロでも分からないことがあるもんです。

考えてみれば、いま中国では「食の安全」が問われている。
同社の製品群の中で、食品に一番近いところに位置している製品は・・・と考えると、直接口に入れる歯磨き粉ということが分かる。
ちなみに同社の歯磨き粉、界面活性剤不使用なので、泡が立ちません。
これも中国の消費者にとって分かりやすいのかも。。。

これ以外の人気商品と言えば、泡タイプの手洗い石鹸「バブルガード」。
この商品、除菌も出来る天然石鹸という日本でも珍しい商材。
それだけに、中国での価格は92元(約1,100円)。
どう考えても、中国の物価水準からすると、なかなかの高額商品。

でも、やっぱりよく売れます。。。
筆者が行ったのは金曜日(5日目)だったが、既に詰換え用は売切れ状態に。

もっとも、この1年間、順風満帆だったかと言うと、そうでもない。
やっぱり売上げが思うように伸びず、悩んでいた時期もあった。
が、やはり口コミ、リピーターというのは長い目でみると威力を発揮するもので、5回目の出展となった今回は初めて目標売上げを達成し、これまでより2~3割アップの売上げを達成できそうな勢いだ。
よかった、よかったー!!



今回、2組の家族で2,500元(約3万円)を一度に購入していったお客さんもいたらしい。さすがにこれには売っているほうも驚いたようだが、それほど中国の購買力は急速に伸びているわけだ。

同社の製品、いまでは第一ヤオハン、高級スーパーのOle、シティスーパーなどでも棚を確保し、売上げを順調に伸ばしている。
今後、上海での販売が軌道に乗れば、近隣の大都市への展開も視野に入ってくる。

筆者も同社と一緒に取り組む中で感じたのは、中国の「中間層」という概念は非常に幅広いということ。
例えば、このフェアでアルバイトをしている中国人スタッフは、1日働いて170元しか手取りがないのに、フツーに20元もする石鹸や60元近い歯磨き粉を購入していく。
これは正直、想定外のことだった。

そうかと思えば、どこから見てもお金持ち婦人といった方が、「気に入った」という理由だけで価格を気にせずたくさん購入していく姿も。
うーん、やはり現場を見ないと何も分からないものです。。。

中国市場の厳しさばかりが伝えられるが、日本製品だけが有するアドバンテージを生かせば、きっと新たな道が開けるはず。
そのアドバンテージとは、まさに「日本の誠実なものづくりイメージ」だ。

だって、仮に同社のような商品を中国企業が製造・販売しても、中国の消費者はにわかに信じませんから。
それほど、日本で製造されたもの、日本で売れているものに対して、中国の消費者は「言葉にできない信頼感」というものを有しているのだ。

日本はまだまだ捨てたもんじゃない。
皆さん、この混沌とした中国市場でどんどん前向きに取り組んでいきましょう!

ちなみに同社ホームページ、ご参考までに。

http://www.paopaoyu.com/


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2 コメント

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中国の水と石鹸 (ハリーくみこ)
2013-04-30 21:31:09
中国の水は硬水と聞きました。
硬水では、泡が立ちにくい泡切れが悪いとも聞きます。
中国では、洗顔の時に、石鹸を使っても大丈夫ですか?
硬水なので、石鹸でも保湿成分が高くなければ、肌がかさかさになると聴いたのですが本当ですか?
また、女性は、特別な洗顔石鹸を使っているのですか?
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ハリーくみこさんへ (chinawatcher)
2013-04-30 23:52:50
ご指摘のとおり、中国の水は硬水のため、泡が立ちにくく泡切れも悪いです。ただ、それは日本と比べての話で、欧州なども硬水の国は多いですから、似たようなものでしょう。
だからと言って、泡立ちがすこぶる良い化学成分たっぷりの石鹸というのも困りますよね。
私は女性ではないので、的確な答えが出来ないかも知れませんが、ひとつの解決策は浄水器を設置すること。つまり、水から日本と同じ環境にしてしまえばいいのではないでしょうか?
当ブログでも紹介しているアクアはおススメです。日本人家庭は多数使っていますので。
ちなみに、現地の皆さんはあまり気にせず、色んな石鹸を使っているようです。
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