<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

中国訪日観光促進からみる円安メリットの逸失

2013-05-30 | 中国ビジネス

日本政府観光局は5月22日、2013年4月に観光や仕事で日本を訪れた外国人客は92万3千人(推計値)で、前年同月より約18%増え、月別の人数では過去最多を記録したと発表。国・地域別では中国が減ったが、ほかはアジアや欧米などが軒並み増えたとのこと。
日本政府観光局は4月の好調を「円安で日本旅行に割安感が広がり、アジアと結ぶLCCなど航空便も増えているため」と分析。加えて、見ごろを迎えた桜が目当ての旅行客も多かったとみているようだ。

具体的に国・地域をみていくと、最多の韓国が20万4千人と前年比3割以上の増、次いで台湾が19万8千人と前年比4割以上の増を記録。
タイやベトナムも伸びている反面、中国は日中関係悪化の影響で10万人強、3割以上の減少となっている。

日中関係が悪化するまで、「中国人観光客をいかにして取り込むのか」が盛んに議論されていたのが、まるでウソのような状況。
ただ、こうした上下動は過去にも経験済みなので、「当面、調子のいい韓国、台湾、香港、東南アジアをターゲットにすればいい」という業界関係者の考えが透けて見える。


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筆者も、理想論はさておき、現実的な対応としては当面仕方ないと感じている。
だって、国同士の関係なんて、一個人、一企業ではどうすることもできませんからね。
「嵐を過ぎるのを待つ」というのは基本ですが、ただ今回の嵐は少々長引きそうで、いつ収まるか見当がつかないというのが、最も頭の痛いところか・・・と。

こういった政治的な背景はさておき、急激に進んだ円安メリットの享受という観点からみると、こと中国人観光客に関しては、そのメリットを大いに逸失していると言わざるを得ない。
数年前から報道されているとおり、中国の富裕層は絶大な消費力を誇っており、しかも、いわゆる中間層と呼ばれる共働きの若い夫婦世帯にあっても、最近は海外旅行を楽しむ傾向にあるためだ。
日本で生活していると信じがたいことだと思うだろうが、中国では月4千元くらいしか収入がないであろう若者が平気な顔で2千元を超える買い物をするということが珍しくない。
そればかりか、何度か海外旅行にも行ったことがあるという人も少なくないから、何をもって中間層、富裕層と区別するのか、分からなくなってくる。
なかなか不可解な国であります。。。


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加えて、日本製品に対する安全・安心神話はいまだ健在。
円高水準にあった頃でさえ、中国国内で購入するよりも日本で購入したほうが安いということもあって、日本に出張・旅行する人に買い物を依頼する人が殺到するという現象を何度も目撃してきた。
昨年9月に日中関係が悪化したことで、こうした現象も下火になるかと思われたが、実際のところは全く逆。
ウソのような話だが、日中間で戦争が起こったら、もう日本製の商品が入って来なくなる可能性が高くなるから、買えるだけ買って来て欲しいと真顔で依頼する人まで出てきたとか・・・。
ちょっと想像力が豊か過ぎますね(笑)。

冗談はさておき、為替相場というものが旅行業界に与える影響が大きいのは周知の事実。
円安が続いていた頃は、日本も空前の海外旅行ブームでしたからね。
特に欧米のような遠い地域は、今考えてもお得でしたよね、筆者は中国駐在だったので、ほとんど恩恵に浴していませんが。。。

日中関係が冷え込んだとはいえ、両国間の経済活動はほぼ問題なく続けられているワケなので、もうそろそろ人的交流も再開していいんじゃないか・・・と思うんですよね。だって、経済活動が行われていれば、人的交流なんかフツーに行われていますから。
中国側にとっても、メリットは小さくないはず。
そろそろ部分的でもいいので雪解けしましょうよ、政治家の皆さん、切にお願い致します!


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