<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

Apple(iPhone5、iPad)の気になる先行き(排他性追及の果て)

2013-01-21 | 中国ビジネス

2012年まで破竹の快進撃を続けていたApple社の雲行きが怪しい。
iPhone、iPadの爆発的なヒットによって、全世界にその名を轟かせ、株価も急上昇した同社だが、2013年はどうやら厳しい年になりそうだ。

2012年9月、iPhone5は日本で発売開始となった。
かなりの期待感をもって市場投入された同機だったが、思いのほか売上げ状況は芳しくないようだ。

これは、筆者が駐在する中国でも同じ。
中国では、長引いたiPad登録商標訴訟の影響もあってか、日本と比べて3ヶ月ほど遅れての発売開始となった。
これまで発売初日には長蛇の列が出来たものだが、iPhone5の発売開始は盛り上がりに欠け、発売開始から1ヶ月が経過した現在も在庫切れという話は伝わってこない。

もうひとつの主力製品であるiPadでも事情は似ている。
iPad2あたりまでは独壇場といった状況を醸し出していた同社だが、iPad3あたりから雲行きが怪しくなる。
ましてや、iPad Mini の展開に至っては、革新性を追及する同社の姿勢と根本的に異なるように感じてならないのは筆者だけではないだろう。

いま、巷ではスマートフォン(以下、スマホ)が溢れかえっている。
スマホ時代の扉を開けたのは、間違いなくApple社だが、これまでの歴史と同様、大ヒット商品だけに他社の追随スピードも速い。
しかも、同分野は長年覇権を争ってきたGoogle、Microsoftとの競合も避けられない。
Appleが成長を維持していくには、消費者に強烈なインパクトを与える「革新性」を追及し続け、また提案し続けていく必要があると言える。


【上海関連の情報が満載の「にほんブログ村 上海情報」はコチラ】


では、同社の最大の強み、また他社と異なる点は、どこにあるのだろうか?
筆者は一言で言って、その「排他性の追及」にあると思っている。
前述のGoogle、Microsoftと比べると、これは明白なこと。
Googleは自社開発したOS、Androidを携帯機器メーカーに無償提供するかわりに、数多くの携帯電話メーカーを取り込むことに成功している。要は、同社はAndroidというツールを活用して商売のすそ野を拡げ、さまざまな形で利益を得ようというビジネスモデル。これは、同社が主力としているネット検索ビジネスに通ずるところが大きいだろう。
一方、Microsoftはご承知のとおり、Windowsを活用してPC市場を牛耳ってきた会社。
Linuxなどに期待が集まった時期もあったが、民生品の分野でWindowsに匹敵するような商材は未だ出現していない。それほどまでにWindowsの先行利得は大きく、PCで資料作成と言えばWindowsは必要不可欠のものとなっている。少なくともこの数年でこの流れを変えるのは相当に難しいと言わざるを得ない。

この両社、全く異なるビジネス展開ではあるが、プラットフォームを提供し、他社から必要不可欠となる存在となることで、自社のサービス展開を協会していくという点では、非常に共通した面を持っていると言える。
つまり、「共用化の追求」と定義づけることができ、この点でApple社と正反対の戦略だということが理解できる。

ただ、どちらも世界に冠たる企業なのだから、どちらが間違いということ等ありはずがない。
しかし、ここはビジネスの社会だけに、その時代ごとに「最強の勝者」というものが生まれることになる。それが、ここ数年の携帯市場及びタブレット端末市場においてはApple社だったということなのだ。


【中国関連の話題が満載の「にほんブログ村 中国情報(チャイナ)」はコチラ】


筆者も中国に駐在しているという立場上、iPhoneは必要不可欠なツール。
言語対応も完ぺきだし、使いやすさという点でも群を抜いているという印象は強い。
肌感覚なので数字上の裏付けはないが、駐在員全体では半数を大きく超える割合を占めているのではないか・・・と感じている。

しかし、今後に目を転じると、果たして今までのように上手くいくだろうか・・・と思えてならない。
Android陣営も相当使い勝手が良くなっているようだし、何よりiPhone包囲網のようなものが形成されつつある。日を追うごとに、Apple社が優位に立っていた使いやすさという点は失われつつあるように思えてならない。

ここに加えて、Microsoftもスマホ市場、タブレット市場に本腰を入れてきたように感じる。同社の広告等を見ていると、明らかにMicrosoft8発売を機に攻勢に転じようという姿勢が明らか。
それほどまでに、PC市場でのタブレット化の流れが進んでいるということなのかも知れないが、いずれにせよ先々を考えると、これまでのビジネスモデルを大きく転換せざるを得ないと同社が感じているに違いない。

ここまでは供給側の視点で見てきたが、消費者側の立場でみると、こうした傾向はどのように受け入れられるのだろうか?
筆者が思うに、Apple社がここまで広く受け入れられた最大の理由は、他社が手掛けていなかった視点にあると感じている。つまり、携帯やタブレット端末でここまでのことが出来るとは想像もしていなかったワケで、その価値観を常に進化させながら提供し続けてきたことに大きな意味があったのだ。

しかし、スマホもタブレット端末も普及期を迎えつつある。
いずれ携帯のほとんどがスマホ化し、タブレット端末の性能向上によってモバイルPCの需要が減少していくのは自然の流れというもの。
そうなったとき、いまApple社が基本戦略としている「排他性の追求」というものが大きな足かせとなるように思えてならない。

例えば、iPad。
筆者も1台有しているが、iPhoneほど必要不可欠なツールではないと感じている。
その最大の理由は、ビジネスユース性の低さ。
やはり、Microsoftとの互換性のなさは、ビジネスという観点では大きなマイナスなのだ。
ビジネスマンにとって、文書作成のほうが利用価値が大きいのは明らか。その意味では、Microsoft社が提供できなかった部分を先食いする形でiPadが普及したと考えるのが自然ではないだろうか。

仮にiPad並みにアプリのダウンロードがしやすく、画像などの面でもそこまで見劣りしないMicrosoftと互換性のあるタブレット端末が発売されたならば、筆者は間違いなくそれを買い求めるだろう。
いや、Microsoft8の発売によって、その素地は形成されつつあると感じている。

Apple社のこれまでの製品開発力には敬意を表さざるを得ないが、中国でも指摘される「アフターフォローの悪さ、傲慢さ」なども考えると、ここで情勢変化を十分に察知したうえで対応しないと、数年前まで勢いのよかったNOKIAのように一気にシェアを落とすなんてこともあるかも知れないと筆者は感じている。
果たして結果やいかに・・・。

↓ご愛読ありがとうございます。よければ応援クリックをポチっとお願いします。(ブログランキングに参戦中)

にほんブログ村 海外生活ブログ 中国情報(チャイナ)へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (海外に住む日本の方々に嬉しい知らせです。)
2013-01-25 14:10:01
海外に住む日本の方々に嬉しい知らせです。

海外で日本放送を TVで一番安く見る方法をお知らせいたします.
家にインターネットだけ繋がれていれば
TVにTVPADを繋げて大画面TVで直接視聴可能です。
初期購入費用は 22,000円, 少し高い気がしますが
追加に掛かる費用は全然ないです。(月額なし)

詳細な使用方法は下記の動画を参考してください。http://www.tudou.com/programs/view/p1GhdpvkyI4/

もちろん日本に帰国しても日本で韓国、 日本、中国放送を見られますので
続けて使用出来ます。
詳しいのはで下記のホームページを参考してください。
商品が正常に作動しなければ 100% 払い戻して上げますので
安心して購買してください。

下記のリンクです。
automouse.jp/shop/step1.php?number=561

コメントを投稿