5日ぶりのブログ更新ですが、なぜかブログのアクセス数が上昇中。
これだけデモの暴徒化が報道されているので、中国関連の情報に対する需要が増えているんでしょうね。
それしか要因が考えられないので・・・。
現地にいる日本人として、これからもタイムリーな話題提供に努めたいと思います。
ということで、まずは上海における反日デモの様子から。
本日、他の地域と同様、上海においても反日デモが行われたらしい。
その画像がコチラ。
この画像、ウチの事務所のスタッフが自宅ベランダから撮影したもの。
なので、筆者は現場を目撃したワケではないが、画像を見る限り、理性的なデモ行進だった様子。
いわゆる、日本でも行われているようなデモ行進ですね。
規模は、だいたい200名くらいだった様子。
北京の大使館前や広州、青島などでの過激な行動が盛んに報道されているので、上海のような地味なデモは取り上げられないんでしょうね。
では、実際のところ、どこまで在留日本人の生活に影響を及ぼしているのか、日本で生活している読者の皆さんにとっては気になるところかと思います。
筆者の実生活から申しますと、ほとんど影響がないというのが偽らざる現状。
実際、フツーに近所で買い物したり、地下鉄に乗車したりしていますので。
(このくらいのコトができないとなると、もう戒厳令に近いですもんね)
日本人学校の運動会が15日に開催予定だったようですが、こちらは当然ながら延期が決定。ただ、19日に規模を縮小して開催予定とのことで、現地の人間にとっては18日の柳条湖事件70周年日がひとつの節目との共通認識が広がりつつあります。
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とはいえ、普段と全く変わりがないか?というと、そういうワケでもない。
例えば、タクシーに乗車拒否されるというのは、かなりの日本人が受けている仕打ちだし、地下鉄に乗車する際や公衆の面前などでは、なるべく日本語で話さない、又は日本語のサイトを見ないようにする等、一定の配慮が必要となっている。
事実、正式には報告されていないが、小規模な揉み合いなどは幾つか発生しているらしい。
北九州市にゆかりのある方々が集う「ちゃちゃ会」も15日に開催予定だったが、現在の状況を考慮して延期という措置がとられた。
領事館からの注意喚起でも「日本人で集まって騒ぐような行為を慎むこと」とされている上、こうした会の前後、特に終了後に付け狙われるのが最も危惧されることなので、やむを得ない措置だったと言えるだろう。
こうやって挙げていくと、結構フツーには暮らせていないのかも。。。
でも、繰り返すようですが、身の危険を感じるようなコトは今のところ全くないと言っていいですよ、油断は禁物ですが。。。
上海は、多数の外国人が暮らす国際都市だし、ここに暮らす人々も中国では最先端を走っている人たちなので、いつもどおりの生活ができるのだろう。
ただ、ここ上海にも当然ながら出稼ぎの農民工や低所得に喘ぐ工場労働者、就職難に直面している若年層などが存在する。
こうした面々が今回のデモの一翼を担っていることは間違いないだろう。
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そして、柳条湖事件から70周年となる9月18日、ここ上海でも大規模なデモ行動が呼びかけられている。
その内容は、以下のとおり。
≪上海市での抗議活動≫
10:00開始 → 13:00日本総領事館着
第1ルート:人民広場→延安路→仙霞路→日本総領事館
第2ルート:外灘陳毅広場→延安路→仙霞路→日本総領事館
第3ルート:淮海路→東湖路→富民路→延安路(上海展覧館)→日本総領事館
上記のとおり、3ルートが合流する形となるため、16日よりも大きな行動になるのは間違いなさそう。
しかし、それ以上に危惧されるのは「各地での暴徒化映像による影響」。
デモが大型化した場合、集団心理として過激な行動に出やすくなる上に、各地での過激な行動を映し出した映像がデモ参加者たちの愛国心を煽るような形になるのであれば、これは相当危険な状況になるかも知れない。
ここで重要になるのは中国政府当局の対応。
一連のデモによる被害発生を受けて、在留邦人の安全確保及び日本企業の資産保全に全力を尽くすという強いメッセージのもと、犯罪行為に対しては厳しい姿勢で臨むとの姿勢が明確になれば、かなりの効果が期待できるが、現状をみる限り、これも期待は薄そうだ。
しかも、不運なことに17日は「敬老の日」で日本はお休み。
一般的な在留邦人の立場から言わせてもらうと、三連休中ということで、日本政府側の対応ぶりが明確に見えてこないように思えてならない。
とりあえず、18日までは目立たないように生活するしか方法がなさそう。
筆者、18日までは普段着で出勤することを決定済み。
スーツやネクタイ、有名ブランドの靴やバッグ等は「日本人ですよ」と公言しているようなものですから。
在留邦人の不安をよそに、最も警戒すべき9月18日がひたひたと迫ってきている。。。
次回、「反日デモの背景にある現地での尖閣報道」に迫りたい。
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そちらで生活をしていてどのように思いますでしょうか。
今日のNHKニュース番組で、専門家は反日デモの暴徒化を批判しつつ、国有化のプロセスに問題があり、日本政府の読みの甘さを指摘しました。
日中双方とも冷静になり、沈静化に向けて努力することが必要だと思います。
私なりの見解をお伝えします。
暴徒化の動機ですが、確かに反日だけではないのは事実です。でも、今回の直接の発端は、日本政府による国有化ですから、日本はキッカケを与えてしまったわけです。もっと正確に言うと、「外交的な手順を欠いた」といったほうが正しいかも知れません。
中国社会は様々な矛盾を抱えつつ、経済発展を続けてきたので、当然、不満分子がたくさん存在します。
デモ参加者が尖閣諸島の問題を本質的に理解しているかというと、それは疑わしいと思いますね。
「報道規制」については、大手メディアが政府広報的な役割を果たしているということです。高度情報化社会の進展により、中国人民は香港や台湾、日本などからも情報を入手できるようになりました。そして、微博(マイクロブログ)は貴重な情報源となっています。
したがって、中国人民は報道規制を認識した上で、その裏を読む、もしくは無数にある微博の中から信頼に足る情報を見つけ出すという作業を行っており、この点で北朝鮮などとは事情が違うと言えます。
コメント、有難うございます。
「どこの国でも悪人がいる」、まさにその通りですね。
今回のデモで破壊、略奪行為を行ったのは、ごく一部の中国人です。大多数の中国人民は良識のある方々だと思います。
でも、こうした連中を生み出したのも中国社会。
日本では同じようなことは起こりませんから。
この点は、国が大きすぎるとは言え、国際社会では言い訳できない課題と言えるでしょう。
日本政府の対応については、言いたいことはたくさんあります。
そもそも、なぜこのタイミングで国有化に踏み切ったのか?こうした事態の発生を想定していたのか?
この点は、今後の展開の中で明らかになってくると思いますが、個人的には期待は持っていません。
長引かないことを祈るだけですね。。。
破壊や略奪行為は当然許される行為ではないです。
今回の反日デモをみて、あの戦争を忘れたい、民主主義の国として再生を果たした誇り高い日本、そして侵略戦争によって数千万人の死者が出た国家の屈辱として忘れまい、どうな対価を払っても二度と同じことを繰り返させないとする中国、この両者の違いがより浮き彫りになったと感じました。
加害者と被害者、それぞれの立場がありますので、分かち合えることは無理でしょうが、これも今を生きる私たちの宿命かもしれません。
不穏ですね。
ご家族含めて皆様の安全をお祈り申し上げます。