<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

【10万IP突破】中国 9月18日の反日デモの様子と今後の予想

2012-09-19 | 尖閣問題

冒頭、私事で大変恐縮ですが、IP数が10万を突破しました。
単純に言うと、のべ10万人以上の方にブログを訪問して頂いたことになります。
読者の皆様に改めて感謝いたします。
ここまで雑多な記事もあわせ、計250本近い記事を書いてきました。
今回の反日デモ発生によって、飛躍的にアクセス数が伸びているという側面はありますが、このブログに辿り着いた読者の方にとって、少しでも役立つ情報を提供できるよう、今後も努力したいと思います。
引き続き応援のほど宜しくお願い致します。

ちなみに、昨日のアクセス数、ぶっちぎりで過去最高を更新しました。



皆さんの関心の裏返しでしょうね。
それにしても、訪問者数:3,727人、閲覧数:7,263ページ。
Gooブログ全体の順位が、176万超のうち第43位。
私の実力では永久に塗り替えられない記録かと。。。

さて、本題に戻って、18日の上海でのデモの様子から。
当日は、さすがに日本人社会全体がピリピリムード。
郊外の工場などは通常どおり操業しているところも多かったようだが、市内の事務所関係は「自宅待機」などの措置をとった企業・団体が多かった。
ちなみに、日本人関連の学校や幼稚園は、18~19日は休校となった。
浦東の日本人学校に至っては、運動会も中止が決定したとのこと。
こういう事態なので仕方がないとは思うが、生徒・児童たちの気持ちを考えると忍びない限りだ。

前回記事でご紹介したとおり、当日は3班が合流する形でデモが行われる予定だったし、各地で起きたデモの暴徒化の影響も予想されたので、今回のデモに対する警戒レベルは過去最高級に近いと言ってもよかっただろう。

ウチの事務所も、他の企業と同様、「自宅待機」を決定。
もっとも、筆者は色々と連絡しなければならない案件があったので、1人で出勤。
前日が日本の祝日でなかったら、出勤する必要もなかったと思うのですが。。。


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さて、上海のデモですが、主な舞台は総領事館周辺(虹橋地区)。
この総領事館周辺には、国際貿易センターなど日系企業が多数入居するビルが多く、かなりの数の日本人が生活もしている。
それだけに「自宅待機」という決定はやむを得ない措置かと。。。

筆者の事務所は淮海路という市中心部に位置しており、デモの舞台からは結構離れている。
個人的には「生の現場」をウォッチしたいという思いはあったが、万が一何かのトラブルに巻き込まれてはいけないので、今回はやむなく断念することに。

もっとも、早めに現場近くのスタバで待機していた仲間の情報によると、9時30分頃から既に大声が聞こえ始めたようで、11時頃に連絡をとった時には、警戒区域の内と外で境界のようなものが設けられ、ある時間帯を境に内側には入れないようになっていたらしい。
その意味では、今回の上海市政府による警備、かなり厳重なものと言っていいだろう。

上述のとおり、筆者自身は現場近くに行けなかったので、知り合いから入手した画像を添付させていただくことに。



こんな感じです。
16日のデモと比べると、格段に数、勢いとも増しているようです。
何でも、日本の報道によると、18,000人超だったとか。
正確な数字かどうかは疑わしいが、相当な規模だったということだけは事実。
数だけで言ったら、靖国問題の比ではないだろう。

もっとも、18日のデモでは各地の警備が強化されたこともあり、実施都市数は多かったものの、16日ほど目立った犯罪行為は行われなかったようだ。画像を見ても分かるとおり、武装警察が囲い込むようにしてデモ隊に睨みを利かせている。
上海の領事館関係者によると、投石など実際の被害も発生していないとのこと。

今回、意外だったのは、デモの参加者が予想以上に多かったこと。
「平日なので参加者もあまり増えないのでは・・・」との予測もあっただけに、反日意識の高さもさることながら、参加者の主体が若年層(学校を休むなど)や社会不満分子(定職を持たないなど)であることが浮き彫りとなった。


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もうひとつ意外だったのは、事前に呼びかけがあったルート以外のデモ参加者が多数見受けられたこと。
現場近くに勤務する方の情報によると、バスに乗って団体で乗りつける参加者もいたとのことで、ある意味では「お祭り状態」に近かったのではないか・・・と。

今回のデモ沈静化の動き、米国の国防長官が訪中していることと関連付ける報道も見受けられる。中国はメンツを重んじる国なので、確かにこれも一因だと言えるかも知れない(決定打ではないと思うが)。

何はともあれ、とりあえず18日という最大のヤマ場は通り過ぎた。
日本では、これを機に緊迫した情勢が緩やかに緩和されるとの期待があるようだが、果たしてどうだろうか・・・?
(ここからは個人的な予想になるので、ご容赦ください)

今回の情勢に関して、中国側は「日本が外交的な努力なしで国有化したことが原因」との思いが強い。つまり、日本側がボールを投げてきたとのスタンス。
これは、人民日報などを通じて流されるニュースの端々に表れているから、ほぼ間違いないだろう。

であれば、日本側で報道されているような「嵐が過ぎ去った後、小康状態になるのを待つ」というようなスタンスで、事態が解決に向かっていくとはとても想像しにくい。
もともと中国政府自体が「国有化方針に断固反対」の立場に立っており、この方針に従うデモ行進を許可しないということは、結果的に自己矛盾に繋がることから、今後もデモ自体は容認せざるを得ないということになるのではないか。

国有化の発表以降、大規模なデモの発生によって「中国民衆の怒り」を表現し、その後一転して「大量の武装警察動員によるデモの抑制」という形でボールを投げ返してきた中国。
いま、キャッチボールに例えると、日本側にボールがある状態(何らかの外交的な行動をとるべき段階)と言っていいだろう。

対中国という視点で言えば、これまでのように「国有化は安定的な管理・保全のため」と訴え続けるだけでは、もはや事態は打開できないのではなかろうか。
つまり、残された平日3日間に日本政府がどのような対応をとるのかによって、今週末のデモがどこまで広がるかが決まってくると筆者は予想している。
その意味では、日本政府の今後の対応には期待したいところだ。

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