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五仏の怒りの化身 五大明王

2023年01月08日 05時28分23秒 | Weblog
一昨日(1月3日)、NHK総合テレビで「はじまりは古都にあり京都極上カルチャー図鑑「お守り」を
視聴していたら醍醐寺の五大明王の紹介がありました。
これに刺激を受けて五大明王について調べてみました。
特記していないものは上述番組からの写真です。

五大明王の意味は怒りで煩悩を断ち切り、魔障を打ち破って衆生を救う五仏の教令輪身

密教では五方(中方、東方、南方、西方、北方)に五大明王を配します。
横一列に配置される場合もあり。
不動明王が中心に位置し(中方)、東に降三世(ごうざんぜ)明王、南に軍荼利(ぐんだり)明王、
西に大威徳(だいいとく)明王、北に金剛夜叉(こんごうやしゃ)明王を配する場合が多い。
この配置は真言宗に伝承される密教(東密)のものであり、天台宗に伝承される密教(台密)
においては金剛夜叉明王の代わりに烏枢沙摩(うすさま )明王が五大明王の一尊として数えられる。


上の写真は醍醐寺の五大明王
醍醐寺の五大堂に安置されています。
上の写真で一番左の大威徳明王だけは平安時代時代前期の作、他の4体は桃山時代の作である。
重要文化財に指定されています。
文化庁のデータベースには次のように解説されています。
本像は聖宝【しょうぼう】(八三二~九〇九)が延喜七年(九〇七)に造り始め、弟子観賢【かんげん】が引き継いで同十三年までに完成させた上醍醐五大堂の本尊、五大明王像のうちの大威徳明王で、一具中唯一遺る当初像である。
 針葉樹材の一木造で、錆下地彩色仕上げ(ほぼ剥落)。六面六臂六足で水牛に乗る姿は東寺講堂像(国宝)と大略一致する。頭体の比例が整い、肢体の構成が伸びやかで、面貌は眉を反転させて吊り上げ、それに沿うように瞼をうねらせ両眼を大きく見開いて、生彩ある忿怒相を示しており、端正でかつ迫力のある像容が表現されている。浅めながら鎬【しのぎ】を立てた各部の彫り口や、第一手前膊まで根幹材より彫出する大きな木取りには時代の特色がよくあらわれている。五大堂と並行して造営された薬師堂の本尊、薬師如来及両脇侍像(国宝)と本像を比較すると、中尊の塊量的な把握とは異質な感もあるものの、両脇侍像とは胸腹の肉取りや裳折返部の形、胸飾を共木彫出する技法(ただし大威徳像は現状、正面側を貼付とする)などに共通点が認められる。また観賢が造営した中院像にあたると推測されている五大明王像(重文)とは目鼻立ちのつくりや両足部との矧目を凸状に造り出す構造などが通じるが、より誇張が少なく節度のある造形がうかがえる。表面に一部やつれがみられるものの部材は脇面や手足に至るまでよく遺っており、当代造像を代表する出来栄えと由緒を有する基準作例として高く評価される。

醍醐寺の五大力さんの解説が下記サイトでされています。
上の写真は東寺(教王護国寺)の五大明王 平安時代の作
これら5体の仏像は国宝に指定(昭和27年(1952)3月29日)されています。
わが国の最古例は空海が神護寺五大堂に安置したものだが現存しない。
よって、東寺の講堂に安置の五大明王が現存最古であると言えその後に製作された
五大明王の見本となり影響を与えています。
出典:永久保存版 仏像入門 必見の219体「一個人」KKベストセラーズ(2010)
   Page78-79

ここからは五大明王を構成する明王ごとに三重県の常福寺の仏像とともに簡単に記載します。
平安時代の作。大正4年(1915)8月10日に重要文化財に指定。

不動明王(中方)
出典:毎日新聞発行(1972)、文化庁監修の重要文化財Ⅲ彫刻 Page110
 
広く「お不動さま」と呼び親しまれている仏様です。
大日如来の教令輪身で、五大明王の中心となる存在です。

降三世明王(東方)
出典:毎日新聞発行(1972)、文化庁監修の重要文化財Ⅲ彫刻 Page110
自らの起源であるシヴァ神を右足で、その妃を左足で踏みつけ、強い法力を示すとされます。
手の組み方は降三世印と呼ばれています。
阿閦(あしゅく)如来に対応。

軍荼利明王(南方)
手足に巻き付く蛇が象徴する諸々の煩悩を打ち砕くといいます。
宝生(ほうしょう)如来に対応。
出典:毎日新聞発行(1972)、文化庁監修の重要文化財Ⅲ彫刻 Page110

大威徳明王(西方)
阿弥陀如来の教令輪身。一切の悪を降伏させるといいます。
6本の手と足で、多くは水牛に乗るのが特徴です。
出典:毎日新聞発行(1972)、文化庁監修の重要文化財Ⅲ彫刻 Page110

金剛夜叉明王(北方)
金剛杵で諸悪を打ち砕き降伏します。中央の顔に眼が5つあるのが特徴の一つ。
不空成就如来に対応。
不浄を除く鳥枢沙摩(うすさま)明王と同体ともいわれます。
出典:毎日新聞発行(1972)、文化庁監修の重要文化財Ⅲ彫刻 Page110

奈良時代に造られた八部衆の阿修羅像との類似性にも注目したいと思います

京都大覚寺の五大明王
平安時代(1177) 明円作の五大明王 木造(檜材)の写真を添付
明治45年(1912)2月8日に重要文化財に指定


出典:毎日新聞発行(1972)、文化庁監修の重要文化財Ⅲ彫刻 Page111


奈良不退寺の木造五大明王
平安時代の作。明治43年(1910)8月29日に重要文化財に指定



出典:毎日新聞発行(1972)、文化庁監修の重要文化財Ⅲ彫刻 Page112



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