ほどいた蚊帳の布地を洗濯機でガラガラと洗い、太陽にしっかり当てて乾かしました。使い道はこれから考えようと思います。
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旅先の古道具屋さんで目にした古い蚊帳。
値段を訊くと「3000円です」という答えが返ってきました。
しばらく思いあぐねた末、買いました。
その蚊帳をほどきました。
一枚の布にして使い道を考えようと思ったのです。
買う時に、カーテンにしようかなとチラリと考えがよぎりました。
目白の「古道具坂田」の坂田さんのお店で、入口の引き戸に日に焼けた蚊帳のような麻のカーテンが下がっていたのを見かけたことがあるからです。
また坂田さんの私設美術館「as it is」で、展示品の中に古い蚊帳の布でパッチワークした見事なベッドカバーを見ていたからです。
買ってきた蚊帳をほどいて行きながら、その手仕事の美しさと、昔の人の始末の凄さのとりこになりました。
すべての箇所がミシンを使わず手で縫われていること、破れたところは接ぎ布を当て補強していること、その補強の仕方の布使いの美しさにもほれぼれしました。
長方形の蚊帳を吊る四隅の吊り手には茜色の絹糸が束ねられ細工されています。こちらも見事。
きっとミシンのない時代に縫われたものなのでしょう。
(写真のほとんどは、ほどいて行く過程で姿を現した裏面です)
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染料から糸まで、中の芯に使われていた太い麻糸も含めて科学合成的なものを一切使わずに天然の素材だけを使って色々のモノが作られていた時代に思いを馳せました。
と同時に、私はどうしてこんなに朽ちかけている襤褸布が好きなのかしらとちょっと呆れがちなもうひとりの私がいます。
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古いものに思いを馳せる。。。数年前から徐々に見直されてきて、新感覚になっているのだと思いますよ。
古いものを再生して使おうとすると、一仕事ですね。
モノ作りをする友人も多いので、すぐに使えるようにきれいに手入れした後、折りに触れて分けてあげます。それも私の仕事のひとつです。