無知の涙

おじさんの独り言

ハイスクール落ガキ 「友達第1号!?」

2008年04月01日 | 思い出

悪魔超人を思わせるほどの残虐性
を発揮するフテブテ君

彼が僕のもとに歩み寄ってくる

やれやれ、
俺がいったい何をしたって言うんだ

友達が一人も出来ない哀れな15歳。
出来れば大人しくしていたい。

高校からは喧嘩したりすると、
停学になるというし。

だが災難というのは、往々にして
降りかかる者に選択の余地は無い

「よう」とフテブテ君が僕に言いました。

僕は無言。
とにかく座った状態でパンチ食らうと
かなりのダメージになるので、
立ち上がる事に。


「○○中だろ?」とフテブテ君。

なぜフテブテ君が僕の出身中学を知っているのか
「そーだけど」

「オレ、○○中なんだよ」とフテブテ君。

知らん。
聞いたことない。

フテブテ君は何を思ったか、
僕の中学について語り始めた

学校創立以来の悪童の巣窟。
突然変異。
高校生たちを狙ったカツアゲ、
店を潰すほどに横行する万引き、
ケンカによる殺傷事件が絶えず、
保護者も先生たちも恐怖に脅え、
卒業式は先生だけでなく在校生も歓喜の涙を流したという

おいおい・・・。
ジャロに電話してやろうか。

だけど、確かに誇張はされているものの
否定はできないのである。

でも僕自身に関係することは一部くらいで、
後は知らん。他の連中だ。

フテブテ君は実に僕の出身中学の情報に精通していた。
僕の知っている何人かの名前が挙げられ、
他の中学の誰ソレとどうとかこうとか。

不良というのは、
つくづく何一つ役に立たない情報を集めるのが好きである。

初めて自分の出た中学を恥ずかしいと思った。

そうこうしている内に生徒も集まり、
担任の先生が入ってきた。

フテブテ君も自分の席に戻った。

やれやれ。
大事なお友達探しの時間
くだらないことに費やしたものだ。

そうして1時間目の休み時間
何も無し。

2時間目の休み時間
何も無し。

3時間目の休み時間。
熟睡。

4時間目~昼休み
早退。

ダメだ~!!!
俺はなんてダメ野郎だ!!
シャイのシャイによるシャイの為の
友達作りの方法
は無いのか。
おまけに学校もフケてしまった。
まだ2日目なのに。

学校の途中にある駄菓子屋で、
チェリオを飲みながら友達作りについて悩んでいました。

そのときフテブテ君の顔が浮かんだ。
僕は全力で否定する。
あんな無抵抗の者を傷つけるような奴と友達になれるか。
顔も見たくない。

変なプライドが僕にはあるのだろうか?
いやいや、プライドなんて無いよ。
やはり僕から歩み寄るしか術はないのだ。

チェリオを飲み干して、駅に向かおうとすると、
「おーーーい」との声。
ヤベっ!先生か!?

驚いて振り向くと、
フテブテ君が走ってきます
「おーい!待てよぉ」

なぁにぃぃぃぃぃ!!
歩み寄ってくんなぁぁぁ!!

「バックレかよ!」と笑いながらフテブテ君。
「俺もバックレてきたから、一緒に帰ろうぜ

僕は君からバックレたい。

つづく


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