無知の涙

おじさんの独り言

台風のバカヤロウ3~或いは冷やし中華と桃の食べ合わせついての考察~

2007年09月13日 | 軽井沢メモリー

 二日目。 6:00に起きました。なんか二度寝のような感じになってしまったので、とても眠い。

管理人さんが気を使ってくれて、朝は9時からでいい、と言ってくれましたが、そうはいかないのです。

遊びに来てるワケではありません。僕は手伝いに来てるのです。

気合い入れて7時にホテルを出発して、7:15分に駅に到着しましたが、次の新幹線が

8時20分(゜o゜)

結局、ふつうに9時前に別荘へ到着。

すぐさま地下室を確認しに行くと、水はすっかり抜けてました。 これで修理は出来るだろうけど、まぁ絶望的だろうな。

管理人さんに確認してみると、昼前に修理してくれる業者が来てくれる、とのコト。

着替える為にプレハブへ。

昨日、帰り際に汗でベトベトになった作業用の着衣を干していったのですが、

これが全く渇いてない(T_T)

タオルさえ渇く気配すらない。でも今着ている服を汚したら今日帰る服がないのです。仕方なくベトベトの着衣に着替えプレハブを出ると、門の方から歩いて来る一つの影。

所長です。 来るなんて一言もいってないじゃん・・・

今日一日、地獄モード確定

この所長、人柄は非常に良いのですが、ひとたび仕事モードに入ると、もう凄まじいモノがあります。 とりあえず現状を報告。もう心配は無いのです。

 「じゃ、庭の片付けに行きます」、とサッサと立ち去ろうとすると、

「待て!」

キタっ!「はい?」

「これから資材が来るから、庭に運んでくれ。」

到着したのは中型のトラック2台。何やら工事で使うような資材が満載。

運ぶの?これ全部?

「庭の掃除はどうします?」 と所長に訊いてみました。管理人さんたちが待っているのです。

「先にこっち運んじゃってよ」と所長。仕方が無いので、管理人さんのトコへ行って、事情を説明しました。

「こっちも終わらないからねぇ」と管理人さんが苦笑い。

再び所長のもとへ戻り、「やらないと終わらないって言ってますけど」

「すぐに運んで手伝うから」と所長。

また管理人さんのトコへ行って「すぐに終わるからと言ってます」

「んーこの山だけ片付けてしまいたいな」

またまた所長のところへ行って「今、山になってる分だけは運びたいそうです」

「いや、荷物降ろしちゃおう」

いいかげんにしろ。

上島竜兵なら帽子を地面に叩きつけてるところです。なんだ夫婦喧嘩の仲介か。二人で直接話してくれよ。何百メートル往復してると思ってるんだ。純粋に時間の無駄なのである。

「ちょっ、時間の無駄だから、直接話してくださいよ!」たまりかねて反抗。

「分かった」と所長は言い、携帯電話をかけ始めました。


あんのかいッ!!


ナビがあるのに、ナビを使わずに道に迷うタクシーの運転手か。

もういい。僕はトラックに行って、荷台に積んである資材を運ぶことにしました。所長は一度言い出したことは絶対に撤回しないのです。

しかし、この資材が重い。鉄のパイプやら何やら。結局、全て降ろすのに1時間ほど掛かってしまいました。

「ちょっと他に行くとこあるから」と所長は言って、ダンプ2台を引き連れて何処かへ行ってしまいました。

休む間もなく庭へ。グズグズしてると帰れなくなってしまうのです。

1/3くらい終わっていました。ていうか、これだけやってまだ1/3?

しかし臆している場合ではありません。さっそく熊手を持って作業開始です。

不思議と昨日よりも熊手の使い方が上手くなっていました。昼前にようやく「コケを傷つけずに葉っぱだけを掻き集める」技を会得しました

熊手一刀流奥義 鮭狩熊閃(サケかるクマのひらめき)です。

熊は鮭を川で狩るとき、鮭の身を傷つけないように狩ります。鮭自体への衝撃は最小限に抑えているが、鮭は川から放り出されます。その一撃、まさに一閃。いや、知らないけど。

そんなこんなで昼になっちまいました。

朝から何も食べてないので、食事にしたいところですが、所長が帰ってきません。やれやれ、何をやってるんだ。ここまで肉体労働しているのだから、焼肉ぐらい食べさせてもらいたいところです。

すると、ポンプを修理してくれる業者がやって来ました。すぐに現場へ案内して、状況を説明すると、すぐに作業に取り掛かってくれました。

30分ほどで分解が完了しましたが、やはり内部の機械はダメです。ここの敷地内に使っていないポンプがあるというコトでしたので、それと交換。無事に動くようになりました。あとは部品を注文して、ゆっくりと正式に交換すれば良いのです。

業者の方を見送りに正門の方まで歩いていると、プレハブの方から僕を呼ぶ声がしました。所長が帰ってました。

業者の方とプレハブに入ると、なんと所長が料理を作っています。そう、このプレハブにはキッチンが設置されているのです。

作っているのは冷やし中華でした。

焼肉・・・・。

キュウリをトントンと切りながら、僕と業者の報告を聞いている所長。そうだ、アンタも冷やし中華、食ってけよ!」と業者さんに一言。報告は聞いてないようでした。

「いえいえ!」と業者さん慌てて否定。「次、行かなければいけないんですよ」

「いいから!食ってけ!」問答無用である。

何がいいのかサッパリ分からないまま僕たちはテーブルへ着席。

テーブルに出されたのは、キュウリとハムが乗ってる冷やし中華と、桃。

冷やし中華と桃?

桃が美味しかったです。桃なんて食べたの久しぶりでした。実家にいたとき以来でしたね。本当に日本の果物って美味しいですよね。

さぁ、早く食べて作業に取り掛からねばなりません。もう13:00過ぎています。出された食事を全て食べつくすと、

「桃がもう一つあるけど」

食べれません。

さっさと作業開始です。庭に行くと、何故か先程トラックで荷物を運んできた人たちがいます。

どうしたんですか?と訊いてみると、所長から手伝うように言われました、とのこと。可哀想に。

可哀想だけど、確かに有難い戦力です。3人も。

おかげで15:00前には終了してしまいました。やはり戦いは数です。

ようやく終わったのです。あれほど汚かった庭が、今では葉っぱ一つ落ちてません。非常に爽快な気分です。

さぁ、帰ろうか、と引き返そうとすると、管理人さんが

「道のほうも片付けて欲しいんですが・・・」

道?道って、この敷地内の道?庭より広いし、木とか倒れてますけど、それ?

そのようです。

プレハブへ戻って所長に経緯を話すと

「じゃ今日も泊まっていけよ」

友達の家か。アッサリと決めないでもらえますか?僕にだって都合というのもがあるのです。

「仕方ないだろ」

僕の都合は「仕方ない」という、イマイチ意味不明な一言で却下。さらに

「俺も泊まるから」

という所長の一言でトドメ。

ちょっと手伝いに来ただけの異邦人(?)が蓋を開けてみれば2泊3日です。

死に至る病、そして 作業再開です。

いや、もう倒れてる木を切ったり、運んだり、もうメンドクサイのでトラック持って来させて荷台にガンガン積んで運搬。

17:00、終了。ヘトヘトです。

さぁ、泊まるとなれば早くホテルへ行って風呂に入りたいのです。こんなことならチェックアウトしなければ良かった。

「所長、どっかホテル知ってるんですか?」と訊いてみると、

「え?ここに泊まるんだよ?」と所長は言って平然としています。

マジで!?

「あーここって言ってもプレハブじゃないぞ。門のそばに建物があるだろ?あそこに部屋があるんだ」

行ってみると、本当にありました。和室が2部屋あります。あとユニットバス。

所長と二人でここに寝るの?

「じゃ、俺ちょっと買い物行くから先にシャワー浴びとけよ」と所長。

なんかヤだな!その言い方!

あー湯船につかりたいなぁ・・・と思いつつシャワーを浴びて、プレハブに戻ってみると所長はまだ帰ってません。

プレハブの外にイス出して、煙草を吸いながらボーッとしていました。風が気持ち良いのです。都心を吹き抜ける風と全く違います。何ていうのか、潤っているんですよね。風が。体に染み込んでくる。少し疲れが癒えたような感じでした。

ようやく所長が戻ってきました。またビニール袋を下げています。自炊ね。

中を見てみると、刺身ビール餃子(できあい)ポテトサラダデミグラスソースが入っています。

デミグラスソース?

食事が始まりましたが、なんとなく気まずい。特に共通の話題なんか無いのです。テレビがあったのが幸いでした。NHKしか映りませんでしたが。

さっさと酔っ払って寝てしまおうと思い、棚にあった焼酎をもらうことにしました。

30分でボトル一本空けて、先に寝ることにしました。

プレハブを出てゆくときに所長が一言。

「明日の朝はカレーな」

 

                      つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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