なんとか友達1人GETした翌日、
僕は一人で登校していた。
田舎の学校なので、校門から校舎までが
アホみたいに長い。
校門に入って、ひたすら校舎を目指していると、
背後からパラララパラララとお馴染みの音。
族車がナガシに来たのだ。
爆音と共に僕を追い越す族車。
その族車の前に一人の男性教師が立ちはだかる。
体育の教師だ。
もちろん筋肉モリモリのゴリゴリ。
その教師は社会の授業とかで使う巨大なスクリーンの
丸まったヤツを肩で担いでいる。↓(こんなん)
で、それをバットのように族車めがけて振り抜く。
スクリーンは運転してた暴走族の顔面に直撃。
衝撃でそいつは吹っ飛び、道に転げ落ちる。
バイクは脇道に突っ込み、ドーン!!
どんな朝だよっ!!
朝っつーのは、もっと爽やかに「おはよう!」とか、
そんなんじゃね?
この高校に来たことについて、
20回目くらいの後悔をしつつ教室へ向かう。
教室には既にフテブテくんの姿が。
キミ、朝早く起きすぎ。
僕だって6:30に家を出てるのに。
毎日が遠足か。
さて、そろそろ学校内での一服陣地を確保したいところ。
見つかれば停学というリスクを負ってる以上は、
便所だとか体育館の裏とか、安易な場所は避けるべきである。
始業まではまだ時間があるので、
フテブテくんと捜索することに。
とにかく敷地が広く、これって敷地?みたいなトコまで続いてる。
かと言って、あまり遠くては実用性に欠ける。
10分の休み時間は諦めるとしても、
昼メシ食ってから往復しても余裕くらいの距離がいい。
その条件でウロウロと敷地内を探し歩く。
校舎からやや離れた体育館の更に先に、
不可解な森がそびえている。
なんで学校の中に森があるんだ。
しかしこんな所、もうガンガンに先生からマークされてるよ。
それこそ一歩でも足を踏み入れたら、
地面から網とか出てきて、捕獲されるよ。
あのスクリーンバットの一撃が頭から離れない。
あれはイカン。
人生いろいろあるけど、あれだけは喰らってはイカン。
小学生の頃から先生という立場の人たちとは闘争の繰り返し。
それなりに心理も読めるようになる。
裏のウラのそのまた裏まで考慮する。
フテブテ君といえば、
全くそんなコトお構いなしで、
アホみたいな場所ばかり言ってくる。
隠れられる場所には、逆に隠れられん。
そんな場所は教師の脳内に完全にインプットされてるハズ。
隠れなくても済むところ。
即ち、隠れる必要すらない場所。
隠れる必要すらない場所、それは教師が警戒していない場所。
教師が警戒しない場所、それは教師のいるところ。
灯台もと暗し。
僕たちは別棟にある職員室へ向かう。
そして見つけた!
これだ!
職員室の裏側に、職員用の駐車場がある。
その塀の裏。
朝は出入が激しいから無理だろうが、
昼なら大丈夫だろう。
なんなら休憩時間だって大丈夫かもしれない。
いま現在で駐車してる車は2台。
もしかしたら、どっちかの車があの化け物教師の車かもしれない。
この2台がいない時は警戒しよう。
僕たちはそのまま始業まで塀の裏に隠れ、
車で通勤してる先生をチェックした。
そんで2人で教室に戻る。
担任の女教師に怒られたが、
学校見学中に道に迷った、
という理由で遅刻はまぬがれました。