無知の涙

おじさんの独り言

床屋でイジメについて考える

2010年06月16日 | 日常

日曜日は床屋に行って来たのですが、
この床屋さんに行くのは2回目。

前回行ったら、なかなか良い感じ。
なんでも頭の中に客のデータがガッツり
と入っていて、いちいち説明しなくても、
2度目からはその髪型にしてもらえるとのこと。


めんどくさがりの僕には持ってこい。


どこだったか以前に行った床屋で、
いきなりファッション雑誌を手渡され、
この中から選んで下さい!
みたいなこと言われた時は、
あのマントみたいなの装着したまま店を出ようかと思った。


そんな手軽な床屋ですが、
いろいろ予定があるし、
あまり待ちたくないので早めに行ってみる。
すると、見事に1番のり。


張り切って来ちゃいました!みたいな感じで、
ちょっと恥ずかしい。

店員「あ、どーも!」

お、覚えてるな。
でもいちおう説明しとこうかな、
とマントみたいなのを装着させられながら考える。

すると、店員がいきなり話し始めた。

店員「すぐそこの公園で、学生が自殺したらしいですよ」

あら。
僕「どうして?」

店員「いやーイジメらしいですよ」

むう。
イジメを苦に自殺してしまう子供。
親御さんの無念さは計り知れないものがある。

店員「僕もイジメられた経験があるので、いたたまれないですよ」

僕「はあ・・・そうですよね」
お、重い。
いきなりこの空気感ですか。

店員「イジメはなくならないんですかね?」

んー、まぁ、なくならない。
なくなるわけがない。
動物が集団になれば、そこに必ず優劣が生まれ、
少なからず弱者と強者が生じるのである。
これはルールとか理性を超えた法則のようなものだ。
地球上では水は高いところから低いところへ流れるのだ。
つまり、そういうことだ。
なくなるわけがない。

どんなところにも、必ずそれはあり続ける。
イジメられるのが嫌なら、強くなるしかない。

ただ単に力が強いとか、そういうことではない。
力で通用するのは未成年まで。

たとえ学生生活でイジメられなくても、
社会に出てイジメに合うかもしれない。


だから力が強いとか、そういう問題ではない。
精神的に強くなるしかない。

とは言っても、そんなに精神的に強い人なんていない。
強いフリをできる人がいるだけだ。


何故やり返さないのか。
思いっきり人を殴れる機会なんて、
子供のうちだけだ。
大人になったら嫌でも我慢しなければならない。
大人になって人なんか殴っちゃうと、
損害賠償とかいろいろメンドイことになる。

だから子供のうちにガンガン殴ったらいい。
お互いにたいした腕力もないから、たいした怪我はない。

子供の頃にそういうケンカをしないから、
中学生くらいで加減が分からなくなって、
やり過ぎて殺したり、親を刺したりしちゃうのだ。


子供の頃は、やられたら、やり返す。
目には目を、歯には歯を、の意気だ。
ハンムラビ万歳。


もちろん、無益な暴力はイカン。
だが、イジメる側に無抵抗なのはもっとイカン。
イジメる側が悪いのだから、仕方ない。

待ってても誰も助けてくれませんよ、きっと。
自分の身は自分で守るしかないのだ。


確かに僕が学生の頃にもイジメはあった。
何故か大人しく、頭の良い人が餌食になった。

僕は本当に頭が悪いので、
子供の頃から今に至るまで、
頭の良い人は、ある種の尊敬の念を抱くのだが。

今は頭の良い子がイジメをするそうですね。
だから陰険なのか。


最初にイジメを目の当たりにしたのは、
小学1年の頃だった。

クラスメート5、6人と僕の家で遊ぶことになって、
連れて行ったのだが、その内の1人がいない。
あれ?と思って、玄関に行ったら、
その子が玄関で座って泣いているのである。

他の連中は知らんぷりして遊んでる。


母親と顔を見合わせてポカーンとしてしまった。

まったく気づかなかった。

 


そんなような話を僕は店員さんにした。

店員さん「そうですかぁ、なくならないですかぁ」
とても残念そうな店員さん。

いや、分からないけどね。
ただ僕はそう思うよ。

そう、なくらないんだから、いっそ当番制にしたらいい。
イジメ当番。
今週はアイツで、来週はアイツ。
みな平等に週ごとに持ち回りでイジメられる。
そうすれば他人の痛みも、ちっとは分かるし、
もしかしたらイジメもなくなるかもしれない。

全くイジメに関わってない人からすれば、
そんなの迷惑もいいところなんだろうけど、
連帯責任にするしかないでしょ。

見てみぬフリも、イジメてる奴と同罪だ。



そんなことを考えながら、ふと鏡を見てみると、
なんと!ぜんぜん違う頭髪。

僕「あれっ!?こんな髪型じゃないよ!?」

店員さん「あれ?スポーツ刈りじゃなかったですか?」

なんだスポーツ刈りって。
おかしいだろ、そのネーミング。
明らかに30超えたオッサンが、
意気揚々と日曜の朝一に床屋へ駆け込んで、
スポーツ刈りなんかにするワケがない。

いや、だから、なんだよスポーツ刈りって。
どこの何がスポーツなんだよ!
俺が?あんたが?
どっちでもねぇだろ!
どっかの条約か。
それはポーツマス条約だ。

慌てて謎のノートを見始める店員。
「あ、違う方の髪形でした」

イジメはよく分からないけど、
なんとなく、この人がイジメられる理由は
分かったような気がしました。




 

 




 


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