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クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

クリン・ショート・ショートVol.1「魔の森」・第2話

2013-02-16 | ショート・ショート

           <見えない敵>

 

行方不明の者たちは、森の長老やベテランばかりで、簡単にカラスなどの外敵に食べられるはずもなかった。

 

森は木々に囲まれ外敵が侵入して来ても、すぐ分かる。

 

クリンたちは、ホトホト困り果てていた。

 

                 Img_9463

 

「アゲハちゃんは、どこに行ってしまったの?

 一緒に遊んだのに・・。

 おいしいみつの花の場所を教えてくれた。絶対に見つけてあげなきゃいけないよ!」

 

クリンが、みんなを励ますように言ったその時、

 

「フフフッフフフッ!」

 

馬鹿にしたような笑い声が聞こえてきた。

 

クリンたちは、声の聞こえる方に身構えて、辺りをキョロキョロ見回したが、

 

木の葉や枝が揺れているだけで、いつもと何も変わらない。

「キャー、悪魔!」

「お化けか?」

「幽霊じゃない?」

 

雀たちはいっせいに、腰を抜かした。

 

「・・みーんな旨かったぞ。

 

  この森にはまだまだ、うまそうな奴がたくさんいるな。明日も楽しみだ。

 お前たちの仲間を、全部食べてやる。アッハハハハハハハ・・・」

 

まるで、こったの森が話しているようだった。

クリンたちは、怖くなって、一目散に森の中から逃げ出して行った。

 

猫のミーちゃんは、

「この森が、大変な事になってしまった。連続失踪事件じゃない。連続殺人事件だみゃー!」と、身体を震わして叫んだ。

 

「帰って、チットとお兄ちゃんに聞いてみる。

 また明日集まって、話しましょう。必ずアゲハちゃんの仇はとってあげる から・・・」

 

「チュンチュン」「チョッチョッ」「チッチッ」「私たちも、ワシの多摩王に聞いてくる、チェッチェッ。」

 

みんなは、不安の表情を浮かべて解散した。

 

 

                     (つづく)

 

 

 

 

 



 

 

 

               

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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