命のカウントダウン(健康余命3605日)

トレッキング、カメラ、陶芸、スキー、釣り、カヌー、遊びなら何でも大好き。仕事も好き、時間がない!

見落とさなくて良かったぁ!!

2021-02-08 22:03:28 | 出来事
昨日から息苦しい、しんどいと訴えられ 来院された高齢患者さん

顔色不良、顔に赤みが皆無。真っ青って言うけれど、真っ白と思いました。

SpO2:70台前半・・・・異様に悪いです。

えっつ???happy hypoxia ????

新型コロナ肺炎で有名な、自覚症状の少ない低酸素血症を真っ先に思い浮かべました。今日納入されたばかりのPCR検査機の最初の出番か!!!

でも、発熱も無ければ、咳も痰もありません。

デイケアには隔日で出かけているそうですが、周囲に新型コロナ患者も疑わしい方もおられないようです。

胸部聴診でも、肺炎を思わせる「肺雑音」と呼ばれるような炎症や痰による音は聞こえず・・・・・ん??聞こえなさすぎ??? あれ???

胸部レントゲン写真を撮りました。立位不能なので、車いすに座ったままです。


右肺が・・・・・・真っ黒け・・・
肺がギュギュっと縮んでしまって、心臓の右側に半円形になって張り付いています。写真の向かって左半分が黒っぽいのは・・・下の図の一番右のピンクの部分と同じく、肺が無くなって、ただの空間になっているからです。

重症(3度)の右気胸でした。


救急車で、昨年12月まで通院されていた大学病院へ搬送していただきました。(本年1月に大学からの分厚い紹介状を持参して来院された方で、今日が2度目の来院でした。)
コロナ患者で外来入院を受け取りにくいのに受け入れてくれた本日内科救急担当の先生ありがとうございました。
救急搬送してくれた、救急車のスタッフさんたち、ご苦労様でした。


私としては、こんな分かりやすい疾患を見逃さずに済んで、ホッとしております。分かりやすい疾患でも、油断していると見落とす可能性あります。思い込みってありますから・・・

見落としたらあかんやろ、何言ってるねん、アホ医者 と、思われるでしょうが・・・・医者も生身の人間ですので、ミスは犯してしまいます。何とか、取りこぼさない様に、毎日必死で診療しております。

この患者さん、慢性気管支炎、夜間無呼吸症候群、心不全傾向がありまして・・・

来院された時は、分厚い紹介状に書いてある、上記病変の急性増悪だろうと思っておりました。「塩辛いもの食べたんじゃないの?」などと、言ったこと、猛省しております。レントゲンを撮るまで、気胸は疾患の候補に入っていませんでした。

今頃、患者さんは、胸腔に空気を抜くドレーンチューブを挿入されて、状態は徐々に改善していかれると思われます。(急に肺を拡張させてもいけないのです)

今夜、来院されていなかったら・・・・危なかったと思います。SpO2:70台は本当にアブナイ!!

今夜の症例見落としていて・・・明日、取り返しのつかない状態で発見されていたら・・・・ぞっとします。

気胸は、交通事故や、女性の場合生理に関連して起こる事もありますが・・・自然気胸は特に原因なく起こる事が殆どです。背の高い若い男性に起こる事が多いですが、今回は、ずんぐりした高齢男性でした。症状としては、胸の痛み、呼吸困難、咳などがあります。今回の患者さんは、痛みも咳もありませんでした。呼吸困難は、生命の危険があるので、早めに医療機関を受診してください。息苦しいと感じたら、早めの受診をお勧めします。

今日も色々な物語がありました。この仕事、大変ではありますが・・・やはり、面白いです、やりがいあります。引退すると、今でも危うい惚けが急速に進行しそうですしねぇ。今しばらくは仕事させていただきたいと改めて思いました。   
      日々是好日  明日も今日と同様な一日であれば何より・・・



PCR機器導入しました。

2021-02-08 13:49:28 | 新型コロナウィルス
PCR測定装置導入しました。
ミズホメディ社のSmart Gene🄬です。
これで、いままでだと検体採取から結果が出るまで1日半掛かっていたPCRの結果が、1時間で出ます。
弱点は、1度に1検体しか測定できないので、複数の検体が発生した場合は1時間×検体数だけ時間が必要です。また、擬陽性が疑われる場合には、同じ検査を繰り返し2回施行するので、2時間必要です。

ですが、とにかく、これまで翌日の午後にならないと結果が出なかったものが数時間で分かるわけですので、感染予防につながると思っています。

左隣にあるのは、富士フィルムのドライケムAG1です。
この2台の機械は、感染対策のため、本院の外のプレハブ小屋内に設置しました。本院内には、堀場製作所の抹消血液分析装置、生化学検査用の富士ドライケム3500、シーメンスのHbA1c測定装置などがあり、大抵の検査は院内で可能です。

一方では引退を考え、一方では機械を増やしていると言う分裂した状態です。
とりあえず、コロナ騒ぎが落ち着くまでは、引退できないし、してはいけないと思っております。今しばらくは前を向いて走り続けます。この先、どうなるのでしょうかねぇ??