命のカウントダウン(健康余命3605日)

トレッキング、カメラ、陶芸、スキー、釣り、カヌー、遊びなら何でも大好き。仕事も好き、時間がない!

久しぶりのナマ宴会

2023-05-28 16:13:53 | 緩和医療
昨夜はゆい訪問看護ステーション主催の「在宅での緩和ケア研修」に参加しました。
地域医師会の懇親会に行こうかと思っていたのですが、こっちの方が面白そうやと急遽行き先変更。これ、大正解でした。
緩和ケアNs中辻さんのがんで実母を看取って沢山の物を得た話、スーパー管理薬剤師の國廣さんの 在宅用精密持続注入ポンプ クーデックエイミー の実践的な使用方法、
「熱血看護師:ゆい訪問看護ステーション所長:森本さんの 頑固でヘンコなおひとり爺様を看取ったケーススタディなど聴き所、学びどころ満載の研修会でした。途中で在宅患者さんから「40度近い発熱」を訴える電話があり、中座しましたが、往診して検査をしたところ幸いにもインフルエンザでも新型コロナでもなく、酸素飽和度も低下していませんでした。抗生物質を静注、解熱剤のカロナール投与で様子を見てもらう事にして慌てて会場に舞い戻りました。
戻ってきたら、熱いディスカッションの最中でした。リアルな研修は、丁々発止のやり取りがあって、それぞれの個性が露になって本当に面白くて楽しい実集会でした。

そのあと、待ってました!!ナマ宴会
3次会にカラオケにまで行きまして!!
どっちでも2時間飲み放題を満喫!!!

飲み過ぎて帰宅。帰宅してからまた呑み足して、漸く床に就きました。
それ故、報告が遅くなりました!

PS:2023年5月27日(土)の新型コロナ新規陽性者数は一人でした。


仲間自慢

2023-04-13 01:36:58 | 緩和医療
既に昨日になってしまったけれど、4月12日は第二水曜日、「The Longest Day」でした。 以前にも言ったことがありますが、第二水曜日は「エコーの達人」北村いずみ先生が来てくれて、午前中エコー検査を担当してくれます。

北村先生は、ご夫婦ともに放射線科の専門医で、いずみ先生はエコー検査の達人です。これまでに肝臓癌、膵臓癌、腎癌、膀胱癌などは勿論、胃癌、大腸癌、甲状腺癌などを何人も見つけ出してくださいました。うちのエコー機器は時代遅れのポンコツ機材なのですが、いずみ先生に掛かると、色々なものがくっきりはっきり見えるのです。本当に脅威です。あまりに達人過ぎるので、紹介状を書く時に逆に苦労したりもします・だって、普通では見えないものが見えるのですから。

「何月何日に超音波検査を施行し、大腸がんを強く疑い紹介させていただきました。」などと書くのですが・・・紹介先からエコー検査で大腸癌・・・ですか??などと、問い合わせが来ることもあるほどです。そして、そのあと、「ありました。おっしゃる通りおっしゃる場所に大腸癌ありました。」と、返事が来たこともあります。
甲状腺エコーも、乳房エコー、表在病変のエコー検査もしていただけるので、第二水曜日は朝から大忙しなのです。

そして、水曜日は薬の勉強会が入ることも多いです。(薬剤会社のMRさん達が、「わが社のこの新製品は、こんなに凄いのです、是非使ってくださいね」と熱弁を振るわれる会で、当院の職員たちにとっては、タダで美味しいお弁当が食べられるので勉強会ではなく弁当会と不謹慎にも呼んでおります。)
勉強会が終わったら、慌ただしく往診・訪問診療に行って、帰ってきたら夜診、19時半までみっちり診察を今日もしました。普通は大急ぎで家に帰るのですが、今日はおひとり夜に往診が入っていました。その方の往診を終えて帰宅したのが20時40分、ご飯を食べながら、大急ぎでZOOM会議に接続、懐かしい顔が次々に現れます。

在宅医療が患者さんにとって不可欠な医療だと思い、自分の生活の一部を犠牲にしながらも在宅医療を愛おしく思っている6人(私を入れると7人)の仲間の会です。

月に一度のZOOM会議、患者さんの役に立つことに幸せを感じるというベクトルで選別されたメンバーだと思っています。方向性は同じなのですが、皆さま、なかなかにキャラクターが濃いのであります。メンバーの誰もが自分の興味を惹かれた対象にはのめり込むタイプです・・・ちょっと変な奴らですが、本当に面白くてためになります。

今日のテーマの一つは私が提案した「自分が休んでいる時に、お願いして行ってもらった往診に対して、いくら支払えばいいか」というものでした。

今日感激したのは、我が会のメンバーの人が好さが異常だと言う事でした。

海外の方が日本に来て、日本の治安の良さ、日本人のヒトの良さに感動する事暫しと言う話は聞きますよね。例えば、落とした財布が丸ごと帰って来ることに驚嘆するとか・・・

その手の話の増補版?みたいな話です。

今日の会議では・・・・
払う側は「申し訳ないから、出来るだけ多く払いたい」と言い
受け取る側は「お互いさまで、困っている穴を埋めただけだから、無収でも良いのだけれど、それも申し訳ないから、少しだけ貰ったら十分です。」

何だか、日本人の美徳を結晶化させたようなな話し合いだと思いませんか?

それが、「好感度を上げたい」とかの意図があれば「ほーらね」と、理解しやすいのですが・・・我が仲間は、心の底から、「出来るだけ善意にお答えしたい」と言い、一方は「お互い様なので、お土産だけでも良い位なのに・・・」

生活に窮していないのは、ありがたい事ですねぇ。国家資格は有難いです。
私、医師免許を得るまでは、タダの変な兄ちゃんでしたからねえ。
他のメンバーも、生活に余裕があるから、こんな人の好い振る舞いが出来るのだと思います。私は、この会議のメンバーが大好きです。

人類皆が、このメンバーになってくれたらいいのにとは思うのですが・・・
それは無理なのでしょうねぇ。


天理よろづ相談所病院新館東西棟

2022-06-09 22:24:50 | 緩和医療
「退院時カンファレンス」と言う会議に出席してきました。
退院時(合同)カンファレンスとは、退院後の患者さんの自宅での療養生活の設計図を描く会議です。

下咽頭癌で6年以上色々と治療を重ねて来られた80代男性、いよいよ癌に対する治療は手札が無くなり対症療法となっています。そこに、気胸を発症されて2か月前から入院されていました。

天理よろづ病院の新館、眺めが良いです。でも、患者さんは景色を楽しむどころではないですよね。


入院後、気胸に対して、脱気、縫縮術、自己血液や複数の薬剤を使って胸膜癒着術を試みられたのですが、いずれも功を奏さず、しかし、挿入しているチューブをクランプ(閉じて)してしまうと気胸が数日で悪化してしまうので、チューブの抜去は出来ない。

致し方なく、チューブを挿入し続けた状態での退院(居合わせた誰もがそんな状態での退院は経験がありませんでした)と、なったのです。

ご本人の帰宅願望が非常に強く、病院にこれ以上留まる事が耐えられない。しかし、このような状態での退院、在宅療養は、誰も経験したことが無い。それ故の在宅生活に対する覚悟の再確認と在宅を担う在宅医 訪問看護師 などと、病院医療スタッフの問題点の再確認のための「退院カンファレンス」でした。

病院側の医師、看護師(複数)、作業療法士と、在宅側のケアマネージャー、看護師、医師(私)、患者さん本人、ご家族(息子さん)が最初から同席の上での話し合いでした。通常の退院時カンファレンスでは、患者さん、ご家族抜きで最初に大まかな事項を話し合って、最後に患者さん達を招き入れて価値観の再確認などをすることが多いのですが、今回は最初から最後までオープンでした。それだけ、皆の価値観を同じくすることが重要な、「何が起こってもおかしくない病態」だからだと感じました。

患者さん、息子さんと、隠し事なく皆で話が出来て、非常に有用な会議だったと私は思いました。

患者さんの胸部に挿入されている、脱気チューブです。
 

チューブの先は、この装置に繋がれています。
患者さんは、どうしても家に帰って(昼間は独居です)何かあっても仕方がないと言われています。
勿論、最善の努力はします。でも、人間いつかは逝くのです。
何が大切なのか 
私は、患者さんが大切に思われているものを守りたいと思っています。
ACP(人生会議)やはり、これが重要です。
追いつめられる前に、一度考えてみませんか?
ヒトはいつか必ず逝くのです。
貴方は、何を大切にしたいですか?