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花粉症治療、メジャー路線ど真ん中アレグラを薬局で購入編

2021-02-20 19:55:24 | 治療薬
花粉症の治療には以前お話させていただいた 減感作療法のほか、レーザー治療を含む手術療法、注射による治療などがありますが、これらは少数派です。
ほとんどの方は、内服薬中心の治療で対処されていると思います。(内服薬+点鼻薬+点眼薬など)


メジャーな治療である内服薬は現在、第2世代抗ヒスタミン薬と呼ばれる薬が中心となっています。メジャー中のメジャー、第2世代の抗ヒスタミン薬一覧です。


医者を通じてしか手に入らないもの、薬局でも手に入れることが出来るもの、ジェネリックが発売されているもの、まだ発売されていないものがあります。同じ成分の薬でも流通ルートの違い、名前が違うばかりでなく、値段も全然違う もっと驚くのは、同じ薬なのに書いてある効能効果が異なることがあり、大いに戸惑われると思います。

今回は、花粉症の内服薬で売り上げトップクラスの薬 アレグラ(フェキソフェナジン)に的を絞って話をしたいと思っています。(ニューヨークヤンキースの4番バッターみたいな存在?)

アレグラは2000年11月に販売開始されているので、既に20年以上の歴史があります。製造特許は切れていますので、ジェネリックと呼ばれる後発品が先発品の4割から5割程度の価格で発売されています。ややこしくてすみませんが・・・ジェネリックと先発品の中間的存在、オーソライズドジェネリックなるものも、発売されています。
これは、「先発品と同じ製造方法で作ることを承諾(オーソライズド)された後発品」という事だそうです。後発品の中では高値ではありますが、安心感もあるので、我が医院では最近これに変えました。
アレグラ(フェキソフェナジン)は、添付文書に眠気に関する使用上の注意がありません。抗アレルギー薬では珍しい薬です。(フェキソフェナジンとロラタジンのみだそうです。英空軍パイロットにも服用が許可されていると聞きました。)

フェキソフェナジンは、胃薬に制酸剤として含まれる水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウムと同時に摂取したり、果物のジュース(グレープフルーツジュース、リンゴジュース、オレンジジュースなど)との同時服用によって効果が減弱します。利きが悪いと思われた方は、ひょっとして胃薬やフレッシュジュースと近い時間に服用されていたのかもしれませんね。

一方、重要ではありませんが、一口知識として・・・・
医薬品のフェキソフェナジンは、アレルギー性鼻炎のほか、皮膚掻痒感、蕁麻疹などの皮膚の痒みにも適応があります。ですが、薬局で売られているフェキソフェナジンにはアレルギー性鼻炎の適応しかなく、皮膚病変に対する適応は全く書いてありません。多分ですが、申請する手間と費用を考えると、アレルギー性鼻炎の適応だけで十分と考えたのでしょうね。同じ薬なのに、流通ルートによって効能が違ったり、値段が違ったりする不思議な事は、薬の世界ではちょくちょくあります。気を付けないと、効能が当然同じだろうと思って、先発品をジェネリックに代えたら、その病気に対する効能がジェネリックにはなくて、保険点数を減点されたなんてこともありました。


価格.comでアレグラの価格を調べたら・・・・価格差がとても大きくて驚きました。
56錠で調べたのですが、最安値は送料込みで¥2,442 (税込み)(1日当たり¥87.2
有名どころでは、ウェルシア ¥3,500 マツモトキヨシ ¥3,850 
  ココカラクラブ ¥3,850 いずれも税込みでした。

楽天で見ると、送料込みで¥2,550(¥91.1/日)、56錠2箱で¥5,060(¥90.4/日)あたりが最安値クラスの様です。ずいぶん違うものですね。

薬局で手に入るジェネリックとしては・・・・
このあたりが出てきましたが・・・ジェネリックだというのに、¥2,500から¥3,000前後と、全くインパクトに欠けます。通信販売のアレグラの方が安いくらいです!市販品にオーソライズドジェネリック(AG)はありません。

と、いう事で、まとめると、市販のアレルギー治療薬の代表選手であるアレグラを購入するならば、通販が安いことが分かりました。そして薬局で購入するジェネリックはそんなにお買い得でもないという事も判明しました。

では、医療機関で処方したらどうなるか、試算してみました。先発品、ジェネリック(ジェネリックの間でも価格差があります)そして中間的なオーソライズドジェネリック(AG) 計算してみると、相当にインパクトのある面白い結果になりました。長くなりましたので次回(以降)に持ち越したいと思います。次回は医療機関で処方した時の価格、院内処方ならどうか・・・の予定です。




花粉症 マイナーな治療について その2

2021-02-20 15:14:03 | 不適切な治療
花粉症の季節ですね。
花粉症の治療の話をさせていただきます。
花粉症の減感作療法については、以前お話させていただきました。

1,減感作療法(根治療法(病気が治る)となる可能性がある唯一の治療法ですが、根気の必要な時間や手間のかかる治療です)


2,レーザー治療をはじめとする各種手術療法 (根治療法とはならないことが多い様で、数年で再治療が必要になることが多いとのことです。詳しくは耳鼻咽喉科等のHPを参照にしてください)


3,注射による治療(減感作療法を除く)
 1シーズン、注射一本で大丈夫 と言う治療には、2種類あります。

まっとうな医者が行う 他の治療では満足な結果が得られない重症患者さんに対する新たに認可された治療と、時代遅れの副作用の塊の様な治療(でも、副作用は後になって出てくるので、分からないことも多い)の2種類です。

まっとうな医者が行う内服薬等で対処困難な重症花粉症に対する注射治療は、2020年より、重症・最重症のスギ花粉症に対して、2月~5月限定で施行可能となった抗IgE抗体オマリズマブ(ゾレア®)を皮下注射です。
これは、相当効く様ですが・・・・普通の治療では効果が得られない超重症の方に限っての保険適応です。12歳以上限定、注射も高価で費用は薬剤費のみで1か月あたり、3割負担で約4500円から7万円程度かかります。

2020年より前から1シーズン1本の注射治療を受けておられるは・・・・・・
デポステロイドと言われる持続的に効果のあるステロイド剤、ケナコルトAの筋注なのでしょうね。 保険治療ではありますが、認可している厚生労働省も強く注意を促しています。(耳鼻咽喉科学会では、花粉症治療としては長期作用型のステロイドの使用は推奨していません。坂根医院でも花粉症治療としては行っていません。)
厚生労働省の注意です。「デポステロイド筋注は保険で認められていますが、問題は副作用です。 ケナコルトAを1バイアル(40mg)筋注しますと、血中濃度は筋注後3時間でピークとなり、 その後3週間まで有効濃度が維持されます。 一方、血中コルチゾール値は筋注後2週間の間0となり、副腎皮質機能の抑制は3~4週間続きます。 また、排卵に与える影響については、卵胞期初期に投与した場合には排卵は2週間以上抑制され、 再開は3~6週後になると報告されています。2000年に行われました花粉症患者さんを対象とした 調査では545名中12.7%の方が本治療の経験がありましたが、その効果に対する満足度は他の治療法 に比較してむしろ低値であり、かつ1シーズンに3回以上筋注を受けていた方が37.5%もあり、さらに 副作用について説明を受けている方は40.6%にすぎませんでした。他に副作用の少ない治療法が多数 あり、本治療法は一般的にはすすめられません。患者さんの強い希望により使用する場合でも副作用 の可能性、禁忌疾患(高血圧、糖尿病、感染症、緑内障、白内障など)の有無を確認し、十分なイン フォームドコンセントを得る必要があります。 」

一言で言うと、花粉症に対しては使うべきでない 効き目もありそうだけど後になってヤバい薬なのであります。


ここまで、なんだかんだと花粉症に対するマイナーな治療を解説してきました。
次こそは、花粉症治療のメジャーな治療のなかでももっともポピュラーな、第2世代の抗ヒスタミン薬、その中でも一番人気のアレグラ:フェキソフェナジン に関して、主に価格面=お得な求め方について解説したいと思っております。