命のカウントダウン(健康余命3605日)

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ムツゴロウさん逝く

2023-04-06 22:02:10 | 
畑正憲さんが亡くなられてしまいました。
驚きましたなんて言わないです。
そろそろではないかと 思ってしまっていました。

愛煙家ですしねぇ、心筋梗塞の既往もあって・・・
最期も心筋梗塞だそうですね。
彼にかかると、心筋梗塞すら憧れの病気になってしまいそうです。

畑正憲さんには、本当にたくさんの物をいただきました
私が人生の方向性を探していた頃、「動物王国」に行って、そこで働かせてもらおうかと思ったことも一度ではありませんでした。


しかし、大好きな畑さんに迷惑かけるのは熱烈なファンとしては申し訳ないなと思いとどまりました。

私の人生に最も大きな影響を与えてくださった貴方は私の憧れの結晶です。
他にも多大なる影響を与えてくれた、吉行淳之介さん、開高健さん、西丸震哉さん、五木寛之さん、野坂昭如さん、伊丹十三さん、中島らもさん、 阿佐田哲也 (色川武大 )さん大橋巨泉さんと、数え始めたら沢山おられるのですが、畑正憲さんは別格でした。実の父親には申し訳ないですが、父親の何倍もの影響力を私に与えてくれました。(母親はやはり別格です)
畑正憲さん 貴方は、自分の情熱に従って生きれば良いと力強く、腑に落ちる言葉で私に語り掛けてくれました。貴方の語り掛ける言葉は、なぜか不思議にもずどんと心を射抜くのでした。私は、そんな貴方の教えをこれまで実践してきたつもりです。

畑正憲さんは、TVの動物番組を根底から変えたと言われています。畑さんが変えたのはTV番組だけではありません。多くの同時代を生きた人を動物に近しくし、生き方そのものを、よりナチュラルに導いてくれました。

本当に感謝でいっぱいです。これからも迷った時は貴方の著書を読み返したいと思っています。 本当にありがとうございました。

貴方はどこで死にたいですか?

2022-12-30 21:54:31 | 
年の瀬が迫っている時に、何を聞くの?と思われるかもしれませんね。
でも、誰もが皆最後の時を迎えます。

何処で死にたいですかと聞くと、7割近い方が自宅でと言われます。
でも、実際に自宅で死を迎える方は13%程度で、残りの多くの方は病院などの施設で死を迎えられます。

在宅死を妨げる要素は色々あります。その中で一番大きいのはご家族に掛かる負担の様です。


 在宅死とは、住み慣れた自宅、子供や親族の家で死を迎えること(在宅死問題は、在宅死を選択できるようにするための課題や議論などの総称)。厚生労働省の「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」が2017年末に実施した調査では、国民の63.5%が「自宅で最期を迎えたい」と希望している。しかし、2020年の死亡者のうち在宅死できた人の割合は15.7%で、68.3%は病院で亡くなっています。

 日本ではもともと在宅死が当たり前で、1951年の在宅死率は82.5%だったのです。1961年に国民皆保険制度がスタートし、少ない負担で入院治療が受けられるようになったことや核家族化が進んだことで在宅死は減少し、1977年には病院で死亡した人の割合が45.7%となって、在宅死率(44.0%)を初めて上回りました。

 その後、在宅死率は激減し2005年と2006年には12.2%と過去最低を記録した。2004~15年まで在宅死率は12%台で横ばいだったが、人工呼吸器、点滴、心電図のセンサーなど、たくさんの管につながれた“スパゲッティ症候群”のまま死を迎える病院死への批判などから在宅死が見直され、2016年以降徐々に増加、この数年は新型コロナの影響もあって在宅死は18%程度まで増えています。

 在宅死のメリットは、住み慣れた場所で家族やペット、好きなものに囲まれて、人生の最終段階を自分らしく過ごせることです。穏やかに死を迎えられることも多いのです。病院で痛みがコントロールできずに苦しんでいた人が、生活の場である自宅へ帰っただけで痛みが軽減し、医師の予想より長く生きる例は枚挙にいとまがありません。

 デメリットは、病院のように、すぐ駆け付けられ範囲に看護師や医師などがいるわけではないことです。場合によっては家族に多大な負担がかかることがあります。なお、定期的に医師の訪問診療を受けているか、死亡診断書を書いてくれるかかりつけ医がいる人が在宅死した場合には、「不審死」とはならず、警察を呼ぶ必要はありません。

今日、在宅医療で診て来た99歳の方が在宅で静かに息を引き取っておられました。老衰だと判断しました。私、信州におりますので、死亡確認に行くことが出来ず、在宅医療仲間の医師に代わりに行っていただきました。

それで、警察のお世話にならずに済みました。在宅医療はチーム医療です。訪問看護師、介護関係者、ヘルパー、など色々な方たち、そしてご家族、ご本人が在宅で生活を続けるという同じ目的に向かって一丸として働くことが必要です。医者は普段は一人でも良いのですが、休みを取るためには複数の医師がチームを組むことが必要です。今日は、その仕組みが上手く働いて、死亡診断書を作成していただきました。

死亡診断書の死亡場所は勿論、自宅 です。
看取るまで介護し、最期を確認してくれたのは高齢のむすめさんでした。老老介護でした。ご苦労様でした。

もう一度改めてあなたに問いかけます。
貴方は、どこで死にたいですか>畳の上ですか?それとも??

古武士の様な最期でした。

2022-11-12 00:07:40 | 
先日、90代の男性をお看取りしました。
9月中旬に入院するまで、自立されていて、畑仕事などもされていたという事ですが、急に歩けなくなって食事もとらなくなったために入院、入院後点滴加療等で全身状態は改善したものの、食事を頑なに摂られなかったとの事でした。嚥下機能に問題はなくて、恣意的に食事を摂ることを拒否されているとしか思えないとの事でした。それで、抹消から一日2000mlの点滴を施行されて約一か月間生き延びて来られたのですが、退院に際してどう対応するかが問題でした。

点滴を抜去したら食事摂ってくれますよね?と、質問すると、頷かれはするのですが、約束、守ってくれそうにない感じがしました。

それで、入院主治医からCVポート設置しますかという案も出してもらったのですが・・・(CVポートと言うのは、「万能点滴基地」の様なものを体の一部に埋め込む装置の事です。それを埋め込むと、全く食べないでも長期に生き延びる事が可能です)ご家族(ご長男)が、そこまでするのは・・・と、言われて中止になりました。)

この時点で、私、この患者さん、自宅に帰られたら、点滴は拒否されて、食事もされないのではないかなと思い、「退院後、患者さんの希望通りにすると、急速に状態が悪化する可能性もありますよ」と言いました。

しかし、患者さんの希望は「何が何でも退院」でしたし、ご家族も患者さんん本人の希望に沿いたいとの事でしたので、退院していただくことにしました。

退院された日から、ご家族の希望で毎日訪問診療をしました。毎日訪問するのですが、毎日点滴は拒否されました。日に日に血圧は低下し、尿量も減少し、意識も悪くなり、起きておられる時間も短くなっていきました。それでも、そのように話を持って行っても、点滴施行に頷かれることはありませんでした。スポンジで口腔内を潤す事すら拒否されました。
古武士の様でした。
退院後10日ほど経った日、家人が少し目を離した隙に、息を引き取られていました。素敵な最後だと私は思うのですがいかが思われますか?

ちなみに、死因は老衰とさせていただきました。

68歳の誕生日

2022-05-14 21:56:28 | 
今日、2022年5月14日は、私の68歳の誕生日でした。
配偶者と息子と一緒に好きなお寿司屋さんで、祝ってもらいました。

そこで、いつも食べる鯛の粗炊きです。
何時食べても美味しいのですよ。強火で一気に短時間でと聞いて、真似をするのですが、同じ味が出せないでいます。勿論、美味しい寿司もいただきました。酒も堪能しました。有難い事です。

68歳の平均余命ではあと17年ほど。健康余命は11.5年程度:4056日程度らしいです。
どう転んだって、あと100年は生きませんし。1,000年後には墓すら残っていないでしょう。

小学生の頃、50億年後に太陽が赤色巨星になって、地球をも飲み込んでしまうと知って、恐れおののいたことがありました。しかし、暫くして、自分が何を恐れているのか分からなくなりました。どう考えても、自分は50億年後に生きていないではないか?その時のことを心配しないでも良いのではないかと考えて・・・少し寂しくなりながらも安心したことを覚えています。


太陽が赤色巨星になって地球を飲み込んでしまう事を恐れるよりも、明日の自分が心配な年になってしまいました。ここまで無事に生きて来られたことを感謝するのですが、死が近づいてきている事を考えると、やはり怖い思いはあります。これまで数百人の方の死を見送ってきた私なのですけどねぇ。

ヒタヒタと迫って来る 「その日」を少しくは感じながら、も、明日も明後日も、今日と同じ日が続くと思ってしまいながら、68歳誕生日の日めくりカレンダーをめくろうとしている、想像力に欠ける私なのでありました。想像力に欠けたままで良いとも思っている私でございます。



脳動静脈奇形と脳卒中

2021-09-14 22:31:50 | 
数日前の事です、大腿骨骨折で入院されていたグループホーム入所者さんが、退院されて戻ってこられました。午前10時ころ、グループホームに帰って来られたのですが、それから2時間も経たない昼前に異変は起こりました。椅子に座って食事を待っておられたのですが、急に意識が低下し、呼吸も不安定になり、「自動血圧計では血圧も脈拍も測定できない、パルスオキシメーターも50台の数字を示したり示さなかったり。」という電話を職員からもらいました。救急案件だなとは思ったのですが、我が医院からそのグループホームまでは2㎞程度の距離で、すぐに医院を出ましたので、救急車を呼ぶよりよほど早く着くだろうと思ったので、急いで駆けつけました。
グループホームまでは5分も掛からずに到着しました。いつもは患者さんが出ていかないように2重に鍵がかあっている玄関が解放されていました。入ると、既に職員さんが胸骨圧迫手技を施行されていました。患者さんの顔色は既に土気色。「代わります。」と言って、胸骨圧迫術を交代した。「先日、こんな場面には開業医はなかなか遭遇しない などと書いたばかりなのになぁ」と、思いながら

胸骨圧迫をやめて様子を見ると、やはり自発呼吸は無く、心拍も感じられません。既に救急依頼はされていました。数分後に救急隊が消防車まで引き連れて到着しました。そして、救急隊員に「代わります」と言われ、CPR(心肺蘇生術)を交代しました。

患者さんの病歴は・・・・左大腿骨骨折でA病院整形外科に1か月ほど前に入院、その日の急変2時間ほど前に退院されたばかりでした。認知症とパーキンソンはありますが、内臓疾患は特にありませんでした。10年前にB総合病院脳神経外科で脳の動静脈奇形を指摘されており、将来脳出血やクモ膜下出血を起こす可能性はあるが、高齢なので手術はしないでおきましょうという患者家族への説明書きが残されていました。

脳動静脈奇形というのは・・・・
破れやすい血管の塊と、考えてください。

今回の急変も、ほぼほぼその動静脈奇形による脳内出血またはクモ膜下出血によるものだろうと思われました。救急隊がご家族に連絡を取ったところ、「延命は望みません」と、言われたとの事でしたが・・・・患者さんは大学病院のICUに運ばれていきました。そして、「脳を冷やしているが、多分救命は出来ないだろう」と、その後説明を受けたとの事でした。
 
脳の動静脈奇形ニよる脳卒中発作を実際に体験してみて、先日のタクシー暴走事故の運転手さんの死因がクモ膜下出血であった事から、同じような火種を持っておられたのかなぁと思った次第です。
タクシー運転手の脳卒中発作による暴走事故、私が知っているだけで何件かあります。運転手の方全員が脳ドックを受けられていたら、避け得た事故もあったのでしょうねぇ。でもねぇ。車を運転する人全員が脳ドックを受けなければならないなんてことになったら、非常に効率が悪いです。職業運転手だけに義務付ける??それも、相当に効率悪いと思います。効率なんて言うと怒られそうですが・・・・・健診で助けられる時間より、健診で浪費する時間の方が余程長かったら・・・意味ないですよね。効率は、重要なのですよ。


1月にも同様事故が

家族歴があったり、頭痛、めまいなど自覚症状のある方は脳ドックというか脳の精査を受ける事に意味があると思います。でも、皆に受けましょうとは決して申しません。新型コロナワクチンは、皆に受けましょうと言いますが!!