茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

『正座と日本人』

2009年08月07日 | Weblog
丁宗鐵(ていむねてつ)先生はお医者様です
医師の視点で
「歴史大好きな」医師の視点で書かれたこの本
  正座は日本人特有の座り方なのか、
  日本人はいつから正座をしているのか、
  そもそも日本人は古来どんな座り方をしてきたのか、
  そして、人間はどんな座り方をするのが望ましいのか

まさにこーゆーことが知りたかった!でいっぱい
第1章を読んだだけで
私の中の迷いが吹き飛び
うちのお茶のお稽古では正座不要!という気分になってきました

第1章「座り方の意味」では
貝原益軒や本居宣長の正座する肖像画から
そもそも正座とはどういった座り方を指したのかを示し
『日本人種改良論』や『小学女子容儀詳説』、
『国民礼法要項』などを紹介して
正座という言葉がいつ今でいう正座を指す言葉になったか
明快に説明してくれます

とってもかしこまる時に
一時的に膝をたたんで座ることは
東アジアの民族には共通にみられるようですが
日常的に正座をするのは
近代の日本人だけ・・・
とっても新しい「正座」は
明治から昭和初期
日本がみんなで
一生懸命かしこまらねばならなかった時代の
産物なのかななどと思いました

精神性に通じる「正座道」についても
岡田虎二郎、宮沢賢治、嘉納治五郎の紹介とともに
語られています
また
「脚気を語らずに正座の歴史は語れない」お話も
面白かった

明日は第2章「茶道と正座」にすすみます

『正座と日本人』
 丁宗鐵
 講談社
2009/4/21発行