茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

『正座と日本人』その6

2009年08月12日 | Weblog
明治という時代は
「立派な日本人を創る必要に迫られていた」時代で
そのために
正座が普及することになった
武士道を育てたものに儒学があるが
それは
中国や韓国の方が先輩格
そこで
日本独自の方法として
「正座」という型を推進することになった
こうした丁先生のこのご意見は
目から鱗でした

明治に5年にはじまり
終戦の昭和20年まで続いた「修身教育」
その教科書にあるお約束の絵は
家族がちゃぶ台を囲んで
正座で食事をしているところ
二宮金次郎が板の間で正座で勉強していたり
歴史を伝える頁も武士がみな正座をしているそうです

明治から昭和にかけて
こうした絵を見て育った日本人は
「日本人は昔から正座をしていた」と
思うようになった
いえ
思うようにさせられ
「きちんとした立派な日本人」が
創られていくことになったのではないか
そして
この時期に女子教育に茶道が入ったことが
今日の「茶道は正座」を定着させることになったと
おっしゃいます
『教育女礼式』など数々の資料が興味深いです

武士道から両家の子女教育へ
そして大衆の立派な日本人化へ
「正座」は重要な型であったのですね
なんだか
正座が哀しく感じられてきました・・・

さて明日は第7章「歴史に見る正座」です

画像はなにげに正座でいただいていた
叶匠壽庵さんのみずようかん