* この記事は正確な音響を目指すものではありませんのでご承知おきください。
という前置きをきちんと済ませまして、いよいよおバカ改造シリーズ『JBL4307のバイワイヤー化』がやってまいりました でもこのまま工作を始めても「なんのこっちゃ?」になりそうなので事前解説を挟んでおきたいと思います。
めちゃくちゃテキトーな模式図ですが、上が一般的な3wayスピーカーの大まかな内部配線です。 (書かれているのは赤い線だけですが、実機にはもちろんプラス/マイナスがあります。 図のスピーカー端子はツマミ1つが1系統という意)
図中①と書かれている部分が各ユニットに適切(※)な周波数に分割する"ネットワーク"基盤。 コイルやコンデンサーで構成されています。 ちなみに②~④が信号の周波数を選り分ける働きをする部分です。 (他省略)
市販されているバイワイヤー用スピーカーは大体図左のような構造をしています。 信号の入り口を2つに分け、後にそれぞれの分波回路が待ち構えていて、適切な(任意の)周波数だけをユニットに入れる仕組み。
「なぜ信号の入り口を分けるのか」ですが、一説には「ウーファーの逆起電力が繊細なツイーター・スコーカーに入りにくくするため」や、「そもそも電気特性の違うウーファーとツイーターは、なるべく離したほうが相互の悪影響が少ない」とする理由があります。 いずれにせよバイワイヤー・バイアンプ化は、良し悪しは別にして音質の変化を期待する接続法です。
* バイ接続用SPをシングル接続する場合は、スピーカー端子のプラス同士、マイナス同士を橋渡しする金具(付属品)を付けたり、端子同士を別途ケーブルで繋いだり、スピーカーケーブルの被覆を長めに剥いて橋渡しで取り付けます。
JBL4307はというと、大別すると図真ん中の構造をしています。 実際ネットワーク内はアッテネーター配線もあって複雑ですが、模式的にはこんな感じ。 そして改造後の構造は図右のようになります。
前述のように、ネットワーク内の周波数分割は1つの部品が全てを行っているわけではないので、ネットワーク基盤に手を入れられれば「一般的なパイワイヤースピーカー」のような構造にも改造出来るとは思うのですが、何分シロウトですし、スピーカーも割と安いもの、そしてAVアンプの自動補正機能があれば大概の事態(変化)には対応できるかな?と考えた上で単純な図右の構造に改造することにしました。
* 兄弟機JBL4312シリーズは端子が1系統であるものの、内部は図右の構造をしています。 ただし今回の改造とは違い、ウーファーの出す周波数に合うようにツイーター・スコーカーもきちんと設計通りに調整されています。
それでは次回、実際の工作に入ります。
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※ ツイーター、スコーカー、ウーファーといっても、それぞれの受け持ち周波数はユニットの大きさや設計、メーカーによって大きく違い、決まった数値はありません。 その他、ツイーター、スコーカーはユニット保護のため低周波をカットする必要がありますが、ウーファーは高周波に反応し難いため、ネットワークを入れる必要性は低いようです。