ひよこ造船工房

納期遅れ常習犯の船大工。 猫画、オーディオ、たまに造船記♪ since 2008.11

Pioneer SC-LX83導入記 既に常識?使いこなし・エージング編

2011年02月24日 | オーディオ

 ちょっとココでコーヒーブレイク。 

 

 SC-LX83…。 発売から4ヶ月程経ち、早期に導入した方はもう既に使いこなしているかと思います そこへチャチャを入れるワケではないのですが、私が使用してきて気が付いたことなどもありますので、ここにご紹介 中には変化に気付きにくいトコロもあるかもしれませんがご愛嬌。

 

 

 

■ エージング

 

 エージングと書くと嫌がる方もいらっしゃいますでしょうが…、どんな音響機器でも、自機から出る熱や微振動、スピーカーなどからの外部振動によって機体内部の物理特性は微妙にですが変化していきます。 それに加えて、内部部品自体が通電することによって電気特性?を変化させることもあります。 事実、物理的・電気的エージングによる変化を見越して機器を設計/製造しているメーカーも多いのですヨ。

 

 そこで、S-Master PROに注目していた方がイチバン気になるのが、有名な『"最大ボリューム"加速エージング』『音が艶やか・まろやかに』(筆者体感)が当機に効くかどうかですね。

 

 当機搭載のダイレクトエナジーHDアンプ(ICEpowerアンプ機構)のボリューム構造に関して開示されている情報は少ないので滅多なことはいえませんけども、こちらのアンプも純(?)D級を名乗るくらいですからS-Master PROと同様のボリューム構造は持っていると考えられます。(※1)

 

 で、肝心の『かないまる式デジアンエージング法』が効くかどうかですが…、私は効果があると感じます。 私が行った方法は、最大ボリューム(+12dB)から約半日ごとに1dBずつ下げていくものでしたが、これは、かないまるさんのHPに記載されている方法、理屈、効果と同等だと思います。 興味のある方は該当HPの『オーディオ・ビジュアルQ&A』の3.2を参照のこと。(※2)

 

 …まぁしかし、どんなオーディオ製品でもある程度通電することで安定するようにも設計されていますので、S-Master PROと構造が似ていなくても、この方法でもエージング効果は得られるとは思います。 お試アレ (なんじゃそりゃ)

 

△ 大音量エージング中は誤って音楽を再生させないように注意しましょう。 同居人が居る場合は、エージング中であることを必ず申告し、不在でも判りやすいように機体やリモコンに張り紙をしたり、入力機器のケーブルを全て外すなどの対処を行ってください。

 

△ 現在、ボリューム値変更は終えて-10dB辺りで"電源入れっ放し"を実行中。 イイ感じになってきました (耳がエージングされてるって? その真偽は各々実際に試してからのお楽しみ)

 

 

○ 期間の目安

 

 上記のような加速方法(?)でしたら、24時間付けっぱなしの場合10日程で大体落ち着いてきます。 2時間/日ほど使用時のみ通電でしたら、使うボリューム値も限られますので、概算で約3ヶ月~半年ほど掛かるでしょうか。

 

 

 

■ 観賞時のボリューム値

 

 初めてデジタルパワーアンプを導入された方は、アナログアンプに比べて清廉過ぎるその音質に驚かれて(ガッカリされて?)いることでしょう (個人的には実音に迫るものだと思っています 一度でもいいのでピアノやバイオリンを10m以内で聴いてみてくださいナ。 理解できると思います) 

 

 これはD級という構造自体そうなんですが、特にPWM増幅方式が高効率であるために、擬似的(感覚的)にダイナミックレンジが広がってしまっているためでもあります。 これを回避するためには、

 

 ・ アナログアンプ使用時より5~10dB音量を下げる

 ・ SACD、DSDディスク再生時は[オーディオ調整]内で"SACD GAIN"を0へ

 ・ ナイトモードにしたり、"DRC(ダイナミックレンジコントロール)"をMAXにする

 ・ 掛けられる場合は『Hi-bit32』を必ず掛ける。

 

 などを行うと、やや耳に優しくなります。 勿論、常識として近所迷惑な爆音で聴いてはいけませんね。 (と、念のため加えて上記エージングも要検討) 『Hi-bit32』は"音のまろやか効果"も期待できる機能ですが、イロイロと実験をしていると、ついつい"OFF"のまま使っていたなんてことがあります。 いじった後は要チェック。

 

 ボリュームに関してはその他に、自動音場補正(MCACC)を掛けると"0dB=THXシアターレベル"となってしまうので、スピーカーを換えていなくても、それまで使っていたアンプとはボリューム値が同等ではなくなることもご留意ください。

 

 

○ SACD、DSDディスク再生

 

 実は…、SACD、DSDディスクをプレイヤーでアナログ変換してRCAアナログ端子経由で当機に入力すると、DSPで処理を行うため一旦192kHzのPCMにデコードされます。 このことが有利なのかどうかは判りませんが、その際192kHzを保ったままほとんどのMCACC補正を受けることが出来ます。 (リスニングモード、バーチャルスピーカーを掛けると96kHzになります)

 

 補正を掛けるにはステレオ側再生のみに制限されますが、SACDのステレオ側、DSDディスクの再生が主といった方は試してみてもイイかも知れません。 (自環境での感想⇒ 低域音・中域音が豊かになって滑らかになるが、やや鮮烈さに欠ける)

 

 その他、上記接続をした上でPURE DIRECTモードにしたり、接続をMulti ch側にすると、アナログ信号がDSPを通らず直接アンプに入力されます。 ADCによる信号の劣化(しないと思いますが…)を気にする場合もお試しください。

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

※1 むしろこの構造が無いとD級とは呼びません。 PCM信号状態で音量を変化させる機構(ONKYOのAVアンプ)では、この原理(かないまるさんのHP参照)での効果は極僅かです。 

 

※2 かないまるさんのHPでは注意点として、『他社製デジタルアンプには使えません』とありますが、これが書かれた当時はダイレクトエナジーHDアンプ(ICEpower)は未発表でしたので、このような注釈が付いたのだと思います。 ただし、繰り返しになりますが、ダイレクトエナジーHDアンプのボリューム構造についての公式解説がありませんので、必ずしも同じ理屈でエージングが進むとは限らない点もご注意ください。 また、当機はPioneerが発売しているアンプなので、この件についてS社の技術者であるかないまるさんに質問することは絶対におやめください

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

○ エージングについての補足 

 

 SC-LX83装備のDACは入力信号が途切れると自動的にアンプ部への信号を遮断します。(入力が開始されると瞬時に動作を開始するのでロスはありません) そのため入力ファンクションをMulti ch以外にするとアナログノイズが消えてエージングが進みにくい可能性があります。 また増幅部も入力信号の有無でもアイドリング状態に切り替わる構造になっているようです。 "大音量エージング"をより確実にしたい場合は、"MCACCのデモモード"(または何らかのソフトを大音量で再生させる)で放置するのが最も確実かと思います。 この場合は特に、家族・近所の迷惑にならないよう、実行方法・時間帯などに細心の注意を払ってください。

 

 

 


Pioneer SC-LX83導入記 Hi-bit32/Hi-sampling Audio Processing編

2011年02月11日 | オーディオ

 皆様、毎度ご覧頂きありがとうございます。 前回の『おバカシリーズ』は期待はずれで失礼しました さてさて、ようやく当機の目玉機能である『Hi-bit32/Hi-sampling Audio Processing』です。 前置きが長いです、スミマセンw

 

 

 

■ 現在普及しているCDのPCM

 

 まず、一般論の解説。

 

 CDに収録されている音声情報は、現実世界の音の極一部を切り取っただけというのは周知の知識になりましたね。 とはいってもヒトの耳の聞き取れる周波数範囲・音圧差の制限ともリンクしてる部分もあるので、いままで不都合は感じてこられませんでした。

 

 ただし、CDという12cm円盤に収めるために策定されたCDのPCM規格44.1kHz/16bitが、本当にヒトの聞き取れる/感じ取れる範囲であるかは不明ですし、昨今高規格PCM(192kHz/24bit)が市場に出てきて、多くのリスナーから「聞いた感覚が違う(いい音質ではないか)」という感想も出てきて、にわかに注目を集めてきています。

 

 

 

■ 高規格PCMに優位性はあるのか

 

 CD規格44.1kHz/16bitでも破綻無く音楽が再生できるので、ヒトの聴覚の限界を大幅に超える高規格PCMの存在は疑問視されています。 ただし、一方アナログ音源の優位性を語られるとき、「CDでは削ぎ落されてしまった音がアナログ音源にはある」という売り文句が踊っていることもあります。

 

 なんにせよ"削ぎ落された部分がある"というのはストイックに考えると勿体なく感じますし、聴覚を超える"音"に臨場感もあるのではないかと考えると、192kHz/24bitなる数字にも多少興味が湧いてきます。

 

 

 

■ "無い音"が生成できるのか? またはその意味はあるのか?

 

 CD登場以来、実はCD制作レベルで落とされてしまう音声情報を補完しようとする働きを持つプレーヤー内の仕組みは発展して精度を増しています。

 

 CD制作レベルで削ぎ落とされる多くの"音"は、ざっくりいうと倍音成分といわれるもの。 倍音成分ですから、すでに収録されている音声情報から類推は可能です。(または理屈上、44.1/16に落とす際の法則がわかっていればさらに生成精度はあげられます)

 

 倍音成分は聞いても明確な意識に上りませんが、楽器の奏法の微妙なタッチの差、コンサートホールの響きを脳内で知覚するための成分にもなっています。 これがあるのとないのとでは「臨場感」「奏者(オーケストラ)ごとの違い」の知覚に影響が出てきます。 (そんな個性は聞きたくないという意見もありそうですが…) 

 

 

 

■ Hi-bit32/Hi-sampling Audio Processingの概要

 

 『48kHz以下のPCM信号のサンプリングとビット数を192kHz/32bit相当にアップした上で、更に同精度の能力をもつDACで高精細なアナログ信号に変換する機構』です(※1 いずれもデジタル入力において)。 これによって上述のような低レートPCM波形をより滑らかに、本物らしい特性を持つ音を再現させようとする仕組みですね。

 

 情報量の少ないPCM信号の荒い音質を悪い意味で忠実に再現(増幅)してしまう"デジタル増幅部"を持つ当機にとっては、DAC後の波形を滑らかにする機構は特になくてはならない機能です。 他方、従来の一般的なアナログパワーアンプに対しても、入力波形が滑らかで高精度なのは当然良いことなので、このようなハイサンプリング機構はどんなオーディオ機器にとって有効な仕組みになってきます。(※2)

 

 オーディオに限らず実際の音でも周波数と音圧(音量)で表します。 ビットはオーディオにおいては音の大きさを表す軸です。 必ずしも大きな数値・大きな音が良い訳ではありませんが、サンプリングという横軸(時間軸)とともにビットという縦軸(音圧軸)にも高い数値に持たせて余裕も持たせることで、より高い表現力も望めるというわけです。

 

 

 

■ 本機での具体的な効果は?

 

 CDで掛けた場合、簡単に表現するとDSD化と同傾向の効果があります。 微細な音が感じられる(しっかり定位する)ことによる奥行き感/臨場感の付加、また、大音量時には"がなり"の少ない自然な迫力(存在感)が出てきます。

 

 ただし、低域の音質が厚く感じる傾向が大半ではありますが、一様に効果は薄かったり、イマイチなモノがあったりと結果は一定しません。 これはリアルタイムの一律変換となるために、変換ミス時の悪化を現れにくくするよう、弱めになっている可能性があります。 (そもそも元データのCD側にも問題がある可能性もあります)

 

 一方、映画DVD、BDのマルチチャンネル音声では、打って変わって空間表現・臨場感の向上効果が確実に引き出されます。 現在の機種LX83では48kHz以下制限があり残念ですが、現在発売されている映画DVDやBDの多くがこの値なので、細かい部分は気にせずドンドン活用していきましょう。(※3)

 

 

 

■ 一問一答

 

○ "広帯域化による微細音"が付加されるだけで良く感じるって、なんで?

 

 音声には大別して『直接音』と『間接(反射/反響)音』とがあります。 『直接音』とは"楽器"・"歌手"から出た音・歌声などが直接耳に入ってくる音。 『間接音』とは、それらが収録場所の床・天井・壁などから跳ね返ってきた微細な音のこと。 (厳密に分けることは事実上不可能ですが…)

 

 ヒトの聴覚神経+脳は、直接音で曲の"音"全体を聴くと同時に、間接音で空間認知も行います。 そして曲自体に注意が向くのは当然として、間接音で"空間"も知覚できたほうが、臨場感を感じて安心して聴く事ができる傾向があります。 また映画に関しても、間接音の存在は音声発音の方向性/指向性も決定するので、より高いサラウンド効果を得ることに貢献します。 (録音・ミキシング・マスタリングがしっかりされている必要があるのは言うまでもありませんが)

 

 『Hi-bit32/Hi-sampling』機能は、主の音質強化だけでなく、CDやロッシー音声で埋もれがちになる微細な間接音もしっかり表現し定位させることで、それら"空気感"や"臨場感"を付加させることです。 もちろん、微細音は演奏/発音の微妙なニュアンスなども伝えることが出来るので、その付加情報で曲・音声自体の印象が向上するという効果もあります。

 

 

○ 帯域を広げるって、要するに音が派手になる??

 

 仕組み上、派手になったり耳障りになることはありません。 LX83のビット拡張はAudioGateでのDSD化と違って、信号に記録されている帯域内を約32bit相当に細分する機能なので、CD音質の荒さの除去/ロッシー音声の質感改善はしますが、掛けることでの音量の変化はほとんどありません。

 

 

○ ハイサンプリング化すると音がキンキンになるのでは?

 

 "ハイサンプリング=高域音が潤沢"ではありませんし、メーカーもおそらくそんなことは狙っていません "アンプ内での処理"に限れば、高いサンプリング化は必ずしも高域音を付加するためではなく、信号に記録されている急峻・微細な波形(だったであろう部分)を再構築するための手段でもあります。(これは理屈上、ビット拡張も同効果) これをビット拡張とともに再現することによって『音の立ち上がり』が良くなり、『明瞭感(音の輪郭とも)』が上がり、よりマイクが拾った直後の信号に近づけることも出来ます。

 

△ 実際に出力される音の周波数上限値を、一般的に『サンプリングレート÷2』としているため、アップサンプリングをした場合、20kHz以上の超高域音が含まれる可能性はあります。(それ自体はおそらく聴こえないのですが…) ヒトの聴覚で感じられない20kHzを超える音周波数は無駄との意見もありますが、近年、可聴域音に何らかの良い影響を与えているとの仮説も出てきています。 また、近年ハイサンプリング回路の処理速度や精度が急速に高まっており、サンプリングを上げることでアナログ変換時のジッターやノイズを低減する事にも役立っています。

 

 

○ 88.2kHz以上のPCM、圧縮音声には全く効果が無し?

 

 LX83搭載のHi-bit32の公式説明としては、「DSPで32bit相当にアップし、更に32bit分解能を持つDACでアナログ変換する」という一連したモノなので、残念なのですが88.2kHz(以上)のPCMではHi-bit32機構本来の性能は発揮されていません。

 

 ただし、32bit機構の後半にあたるDAC"AK4480"は、デジタル信号であればどんな設定でも常に働き、設計上、入力されたPCM信号は常にPCM換算で最大192kHz/32bitの分解能で出力するようになっています。 48kHz以下ではない入力信号では、前段階のDSPによる最適な補完信号の付加は受けられませんが、AK4480単体を導入して高評価を得ている他社製外部DACもあることから、少し期待して良い部分だと個人的には思います。 (もちろんLX83のパワーアンプ自体が、従来のD級らしからぬ芳醇な音質だということも加味した評価です)

 

 

 

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※1 今回は"Hi-bit/Hi-smpling"と併記されているため同時動作となり、どんなデジタル信号も48kHz制限が適用されるとのこと。 過去、ハイサンプリング機構に関しては、兄機のLX90、LX81~82ではどんなデジタル信号も最大192kHzにアップサンプリングする機能があると明記されていて、好評も博してきましたのでそこはやや残念です。

 

※2 そもそも構造的にアナログ増幅方式は急峻・微細な波形の変化を正確に再現しにくい構造(増幅部の応答性の低さや熱歪みでの埋没による)なので、特に普及価格帯のアナログ機種では再現性に限界があります。 ちなみに、当機から別途外部パワーアンプへプリアウトした場合でも『Hi-bit32/--』は効きます。 更にこのとき、スピーカーパターン設定を"OFF"にすると"プリアンプモード"となり、自機搭載パワーアンプへの電力供給が止まって電源周りの負担を軽減できます。

 

※3 いずれ88.2kHz以上の信号にも"Hi-bit/Hi-sampling(32bit/192kHz以上)"が掛けられる仕組みを内蔵する機種が発売されるでしょう。 こういうデジタル機器の宿命ですね。 (他社の単体DAC、DDCでは既に実現) 私見ですが、当機では88.2kHz~96kHz/24bit以上の音声になるとPCM特有の違和感は軽減されてくるので、"Hi-bit32"が掛けられなくても音質的に十分だと思います。 (2011.10 後継機LX85において、「192/24マルチチャンネル(圧縮音声含む)」への対応を果たしました)

 

 

 

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 えーと、実は恥ずかしながら念のためこの件についてPioneerサポートに質問を出しちゃいました 以前にDL取説を読んだ際に、先代機種にあったはずの機能解説が無いので過度の期待はしていなかったのですけどネ…。

 

 まぁ、『公式HPの文をそのまま読めば当然だろ~』と笑わないでくださいな 先代LX82までは、ジッター除去が主な目的だったにせよ、"SRC"という名称で24ビット拡張とは別のアップサンプリングする機構を持っていたので…。 その頃から注目していたせいで当機でもちょっと期待をしてしまったのですネ  

 

 でもですね…。 音楽BD『サイトウキネンオーケストラ 幻想&巨人』に同時収録された『96kHz/24bit』と『48kHz/24bit (+Hi-bit32)』との試聴では、傾向に差はあるものの、どちらも前所有機では感じる取ることが出来なかった感覚("音"自体もそうですが、"より壮大な臨場感"etc.も…)を同等に感じることが出来ました。 当機のウリでもある"Hi-bit32"なのですが…、掛けることが出来なくとも機体全体で必要十分な"音楽品質"は確保できていると思います。

 

 48kHz以下の音楽CD、映画DVD/BDではHi-bit32が発揮されるのは勿論、DVD-Audioや音楽BDなどの高レートPCM(圧縮音声)ならHi-bit32が掛からなくても(この価格としては)しっかりとその音楽性が表現されています。 当機をお使いの方、ご安心くださいませ 

 

 

 

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* 本記事内の『Hi-bit32/Hi-sampling Audio Processing』の作動条件・動作状況についてのみ、Pioneerサポートさま他にご協力を頂きました。 ありがとうございました。 なお、引用/転載の許可は得ていませんが、一般に公知の事実(+私の勘違いから出た質問の回答)なので記事にすることは差し支えないと考えています。

 

 これ以外の部分は筆者独自の調べ、見解によるものです。

 

 

 


Pioneer SC-LX83導入記 音場マイクおバカ接続編

2011年02月10日 | オーディオ

 さて…、本編は調査?と試聴に手間取っておりましてなかなか難しいため…、ちょっとお茶濁しのために横道へとそれます。 今回は『他社製キャリブレーションマイクを使ってみた』をお送りいたしますです… 

 

 

 

■ LX83にSONY製キャリブレーションマイクを使ってみた!!

 

Dsc00922

 

 先ずはオーディオプラグの"アダプター"を用意します。 SONY製音場測定マイクは"ステレオ"、Pioneer製は"モノラル"なので、左右2つに分かれたSONY製マイクを活用するにはこういったものが必要となります。

 

 

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 プラグ側が"モノラル"、差込口(ジャック)内部が"ステレオ"になっている"ミニプラグ用アダプター"を選びます。

 

 

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 この製品の本来の使い方は、モノラル再生機器にステレオヘッドホンを繋ぐ(モノラル音声を両耳で聴く)ためのものです。 こんなおバカな使い方は私くらいです… 

 

 

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 見ての通りです。 ステレオミニプラグの場合、黒帯の絶縁部を境として、先端からLの+、Rの+、そして根本が-です。 (これは"超ミニプラグ"でも"標準プラグ"でも同様) このアダプターの場合、内部でL、Rの信号が結合されるという寸法です。

 

 

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 合体 構造が逆(ステレオプラグ-モノラルジャック)である同社姉妹品のレビューにはジャックが"ゆるい"との評がありますが、打って変わってこちらの差込はメチャクチャ硬かったです。 評価を受けて製造工程を見直したのかな?

 

 

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 こんな感じに繋がります。 このまま測定を開始してもエラーなどは一切起きず、表面上は正常に測定が完了しました。 一体どんなプログラムをしてるんでしょう… まぁとりあえず成功したからこそ、こうして話題に出来るのですけどね…。

 

 

 

■ 音質評価

 

 えー…、先に結論を書きますと、この接続法での測定は『ダメダメ』でしたね。 変な響きが付加され、音質も物凄く硬くなりました。 周波数補正、定在波補正、位相補正値に差は無く、スピーカー距離、レベルが変化、音質全体がビビッドになるのは前回と同様なんですが…。 (ビビッドになる理由はSONY製マイクの感度がやや低かったためと考えられます)

 

 これなら、以前に紹介したLのみ繋がる使用法のほうが良かろうと思います。 まぁ、本来一箇所で測定するものに、時間差で二箇所分の信号が入ってくるので、おかしくならないはずは無いんですけどね… 

 

 

 

■ 結論

 

 要するに『純正品以外不可』、と云うことでした また、これ以外にも市販の音声収録用マイクを使用するアイデアも出てきそうですが…、こちらは楽器・音声部分の周波数帯をキレイに録れるように調整されているために周波数特性がやや狭く、指向性が付いているものもあるため、この場合も補正値に実際との齟齬ができてしまう可能性が高いですネ。 

 

 音声比較やマイク性能テストをするのならともかく、通常の使い方ではやはり純正品を使ったほうが良いとの調査結果でゴザイマス。

 

 

 

 それでは皆さん、懲りずにまた次回もお楽しみに。

 

 

 


ウチのキキちゃん

2011年02月04日 | コラム

 これまでの訂正のお詫びに…

 

 

Dsc00986

 

 ウチのキキのポートレートをドウゾ あれから少しは痩せたかしら…。

 

 

Dsc00987

 

 ……。 猫って、突然あさっての方を向くからビックリしちゃいますよね 

 

 ちなみに、このときホームシアターでは『スターウォーズ エピソード3』(NHKでの放送をBDに録画したもの)を再生中でして…、多分何かの音声に反応した模様…。 しっかりバーチャルフロントハイが効いている証拠ですネ。 (こじつけだ… それとも"ダークフォース"の存在を感じたのか…うむむ…)

 

 それではまた次回~ 

 

 

 


Pioneer SC-LX83導入記 DSPサンプリングレート編

2011年02月01日 | オーディオ

 今回はやや簡単ではありますが、AVアンプの補正機能使用時のサンプリングレートについて。 しかし、なにぶん私はオーディオ機器専門家でないですし、メーカーの開発者でもないので、中には間違いもあると思います。 あくまでも参考程度でお願いしますね (込み入った質問に回答してくれるかは別として、ちゃんとPioneerサポートに訊いたほうがいいのですけど…)

 

 

 

■ 現在のAVアンプのプリ部

 

 2011.1現在、AVアンプや一部のステレオアンプが搭載する音場補正機能は、処理能力の限界から、入力されたデジタル信号のサンプリングレートを落として(間引いて)処理を行う場合があります。 『落とす』とはいっても、だいたい44.1kHzまたは48kHzが下限であり、ほとんどの音楽CDや映画BDのレートはその範疇に収まるので、"劣化"とナーバスになることはありません ただ、処理能力に余裕があったほうが音質に与える悪影響が少ないですし、今後96kHz以上で収録された高音質音源がドンドン普及してくると予想できますので、今後も更なる処理能力アップが求められます。

 

 

 

■ SC-LX83でのPCM再生

 

 LX83のデジタルプリ部の処理能力、AVアンプの中では優秀なほうです。 PCM(圧縮音声含む)を入力した場合、MCACC各補正(※1)やリスニングモードを掛けても、基本的に元信号のサンプリングを上限として最大176.4kHzまたは192kHzまで([状態確認]での表記)、ビット数は最高24bitを維持したままDACへ受け渡すことができます。 

 

 

 

■ SACD・DSDのPCM変換

 

 SACDのDSD信号はPCM換算で約200kHz/32bit程度の情報量がありますが、マルチ側を再生するとこの数値より少ないサンプリングレートのPCMとしてデコードします。

 

○ PURE DIRECTモード

 ・ STEREO ⇒ 176.4kHz

 ・ Multi  ⇒ 88.2kHz

 

○ AUTO、DIRECTモード (S.RTRV、DIALOG.E、DRCがOFF時)

 ・ STEREO ⇒ 88.2kHz

 ・ Multi  ⇒ 88.2kHz

 

○ 上記以外のモード

 ・ STEREO/Multi ⇒ 44.1kHz

 

 となり、PCM入力時と変わって厳しめとなります。

 

 反対に、アナログダイレクトモード時にはこの制限は無くなり、SACDの情報を余すことなく再生できます。 私の所有機SCD-XA5400ESの場合、SACD Multi再生はHDMIのみとなるので上記に引っかかって難しいですが、万全を期するならSACDはアナログ接続がオススメです。

 

 

 

■ 他社機種は?

 

 各社なるべく隠したい情報のようで(?)、公のパンフレットや取説には補正時の制限がほとんど明記されていません。 現状BD音声の最高値である192kHzまで耐えられる当機でさえ公言はされていないので難しいところ。 2011年時点の多くの機種では『DSD変換信号もサンプリングを落とすことなく補正』などとは期待しないほうが良いでしょう

 

 私が昨年末まで使っていたS社のTA-DA5400ESのプリ部はというと、EQ補正、サラウンドモード、いずれかでも掛けると、PCMのサンプリングレートは44.1kHz or 48kHzになります。 これは現時点(2011.1)の最新上位機であるTA-DA5600ESでも変わりません。 (DA5600ES取説p.37,51などを参照) でも、隠さずにしっかり表記していることには感心しますね

 

△ EQや音場補正を掛けないDIRECTに類する名称のモードであれば、各社現行AVアンプの全てが192kHzのデコード・再生に対応しています。 また、搭載DSPの型番が公開されていれば、ネットで調べるなどして動作を類推することも出来ます。 HiVi webにも各社モデルのDSPがあるので参考に。 ただし、組み込みメーカーによって動作制限をしていたり、別途チップで迂回処理をして制限されている可能性もあります。

 

 

 

■ まとめ

 

 まとめというには簡素ですが…^^;

 

 当機でPCMを扱うならば、自動音場補正によるプリ部の帯域制限を特に心配することは無いでしょう。 たとえば『アキラ Blu-ray版』のDolby TrueHD再生時でも、MCACC補正(※1)+リスニングモードを掛けての192kHz/24bit/5.1ch再生をしっかり維持することが出来ます。 映画・CD観賞用としてこの性能は満点どころか十分すぎますネ。

 

 そして一方の、SACD/DSDのHDMIデジタル入力の場合ですが…、こちらはPCMへのデコードだけで処理能力が"いっぱいいっぱい"になるようで、ビット数はおそらく32bitレベルを維持するものの(※2 必読↓)サンプリングに関しては、モードによっていくつかの制限がつきます。 とはいえ、この場合でも、パワー段手前のDACで高精度の波形が生成されるので、直ちに音質に影響があるようなことはないかもしれません。 DSD信号をHDMI直入力している方は少ないでしょうけども、この場合でも音質的には十分です。 安心してリスニングモード/バーチャルスピーカーを設定して楽しんで頂きたいと思います。

 

 ちなみに、私、マルチDSD信号のダイレトク入力が可能だということもあって、この"LX83"を導入したのですが…、サンプリングレートの点はちょっと残念だったなぁ…と思っちゃいましたね… まぁ、DSDの情報を余すことなくPCMへと変換できるとされているS社の『32bit DSD-DAC』も、その品質を保つためにはEQをOFFにした上で、A.F.D.Auto(ダイレクト出力)モードにすることが必須なのですけどね…。 なかなか消費者の意向が実現しないのがもどかしいところです。

 

 

 

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※1 基本的に、"EQ"(イコライジング=周波数補正)と"S-WAVE"(定在波除去)、PHASE CTRL の項目でON/OFFの確認ができるもののこと。 (176.4kHz以上のDolby TrueHD、DTS-HDのデコード時には、設定が反映されない補正機能があるかもしれません)

 

※2 私は明確な差を感じたのでこう記しましたが、LX83には、DSDも32bit相当を維持するというような記述が無いので、良識のある皆さんは過度に期待しないでください

 

 

 

* 当ブログでのDSD→PCM換算値は、判りやすさを優先してあくまで通説とされているものから推測して紹介しています。 諸条件によって異なったり、再生に使用するSACDプレイヤーや他の接続機器の性能によっては、この値から大きく変化/逸脱する可能性もあります。 (聴覚で感知できるかは別にして…) こちらも参考程度にして頂くようお願いしますネ

 

 この記事はメーカーの監修を受けていません。 筆者独自の見解です。