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「ブラック」塾業界体験談2 「社会科迫害する上司」

2015年11月17日 18時23分10秒 | 塾について
今思うと、この塾&社員は「ブラック」だったかも?シリーズ第二弾です。
 
前回は、労働賃金と労働時間のお話をしました。
今回も、同じ塾&上司、で、「あれ?今から思うとおかしいよね」と思うことを書きたいと思います。


私が新卒として入ったとき、その塾では、中学生の授業で社会科がありませんでした。(入社してから、その事実が判明。)
その理由は、「社会は、暗記科目で、定期テスト前に重点的に勉強させた方が良い」とのことでした。


この理由、わからなくはないんです。
実際に、私が中学生のとき、自主勉強では、ふだんは、数学と英語、国語の予習、復習をし、テスト前一週間前までは、この三教科を勉強、そして、テスト週間になって、理科と社会の勉強にとりかかってたから。
確かに、予習しないと、なかなか成績のあがらない、数学、英語、国語に時間を割くのは大切なんです。


しかし、その前提にあるのは、数学、英語、国語の3教科をテスト週間前に、ほぼ勉強を終わらせて、基本問題は確実に解けるようにしておくことです。

しかし、その塾は、「社会はテスト前に集中的に勉強するもの」ということだけが一人歩きし、その前提は忘れられていました。


そのため、結局、「数学以外は勉強するに値しない科目」だと思っている上司は、テスト週間になっても、「数学がまだ出来ていない生徒がいるから、社会の授業する時間も数学の時間にする!」と強制的に、社会の時間を奪いました。


それなのに、生徒、とくに、数学が得意な生徒とか、先生のお気に入りの生徒が、「今回、社会ができなかった」なんて、つぶやいたものなら、その瞬間から、上司の、終電のがしの説教が始まり、しまいには、「おまえのせいで、社会ができなくて、それで、その生徒が他の塾にうつったら、おまえの責任だ!」と、また、新人の私を殺しにかかる言葉を浴びせるのです。

でも、少ない授業数で、説明していたら足りないし、かといって、問題演習だけなら、私という人間がいなくても成り立つわけで。
上司の言い分はともかく、社会科講師として、せめて、「社会を勉強してよかった」と生徒に思ってもらいたい、という想いがあり、なんとか、できないか?を考えました。

しかし、他の教科は通常授業もあるため、ポイントをまとめてあるテキストはありましたが、社会科はそれがなく、ただただ、いろんな中学で出題された定期テストの過去問集しかありませんでした。
コピーするにも、その校舎では20部以上刷れない制度だったため、コピーにも限界がありました。(大量コピーは、本部に行かないといけなく、しかも、本部にコピーに行くのは勤務時間外じゃないといけなくて、前回述べたように、私は、勤務時間の四時間前の10時には行かなきゃいけなかったので、本部の開いている時間にはなかなか行けないのです。しかも、コピー機も少ないため、並ばなきゃいけません。)
また、コンビニのコピー機などだと、外部に情報が漏れる恐れがあるから、できません。市販の参考書も、コピーして何百人に配るのは、法律上どうか?と思い、できません。

このような状況下、どうしたかというと、とりあえず、自分でまとめノートをつくり、それを、家の複合機で印刷し、それを使って、説明し、よく出る問題を解かす、という形にしました。

それで、ほとんどの生徒さんは、なんとか満足してくれました。
しかし、一部、数学の上司の信奉者の生徒さんが、「社会科は覚える科目なのに、あの先生、覚えさせてくれないの。説明ばっか!」と上司に言うものだから、もう、また終電のがしの説教!

さすがに、睡眠を確保したいし、毎日のように説教は辛いので、まとめノートをやめ、上司の喜ぶような、用語暗記プリントを作ることにしました。

たとえば、「次の宗派を開いた人物を書け」、で、その後、逆バージョンで「次の人物が開いた宗派を書け」など。
それで、生徒さんからのクレームも減り、上司の説教は相変わらず減りはしませんでしたが、とりあえず、「おまえのせいで…」という言葉は若干減りました。


でも、自分の睡眠の確保のために、自分が嫌う、「丸暗記」の社会、をしなきゃいけないのが、悔しくて悔しくて。
でも、どうしても、四時間の睡眠は欲しかった…。終電で帰りたかった。夜道を歩くのは嫌だった自分がいました。



幸いなことに、その数学信奉者の子は、中3の子ばかりだったので、次の年からは、「丸暗記」でなく「理解」を中心とした社会科の授業ができるようになりました。今から思うと、あのときの中2の子たちには、すごく感謝です。



また、今、このブログで連載中の「歴史模擬授業」や、同人誌「世界史日本史魔法少女ヒストリーナ」は、その新人時代のうらみつらみを発散したような作品になってます。
「私がやりたかったのは、こんな社会の授業だ!」という主張がしたくてしょうがないんです。


今、思うと、あの数学の上司は、良いところもあったとは思いますが、その良いところさえ嫌悪感を抱くほど、私はすべてを否定されたので、どうしても許せないんですよね。
次回は、今回の内容の続きで、社会科プリントでおきた問題、です。


ご注意  これはあくまで、私の体験した塾のお話で、すべての塾に当てはまるわけではありません。

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