Book Review『感染症医が教える性の話』岩田健太郎著

岩田健太郎は神戸大学の感染症専門医です。



その明晰な頭脳と切れの良い文章、かつ
おしつけがましくない態度が好きで
著書は愛読しています。

とはいえ65歳になる准高齢者が今更
「性教育」本もなんだかな～と
迷いながら本書を買いました(^^;

本書は中高生を対象した作りのようで
くだけた文体に始まり、各章立ても
「一時間目」「二時間目」というように
授業仕立てになっています。

一時間目　性と感染症
二時間目　中高生はセックスをしてよいのか？
三時間目　性を伝えにくくしているものとは
四時間目　正しいセックスなんてない
五時間目　絶対恋愛という可能性

性感染症を予防するには「コンドーム」をつける、
あるいは「不特定多数」とセックスをしないという
のは誰でも考えうる解ですが、岩田の凄いところは
単に教条的かつ技術的な面を諭すだけではなく、
「絶対恋愛」という概念を持ち出してそれを　
「未来を生き抜くためのスキル」というゴールに
している点ですね。

「絶対恋愛の原則」は

その1　ひとりの人だけを長く愛し続ける、生涯愛し続けるような
気持ちで愛する。セックスの対象もそのひとりだけ。

その2　「わたし」よりも常に「あなた」を優先させる

この二つだけ。

確かにこの原則を守る限りは性感染症とは縁が無さそうです。

特に「あいて」を大事にする価値観は素晴らしいですね(^^♪

［ゆず日記］
「まどろみ」シリーズは続きます(^^)