扁鵲(へんじゃく)のつぶやき

東洋鍼灸専門学校 鍼灸科50期卒業生の同窓ブログです。
日頃の不安、悩みを率直に語り合いましょう。

Book Review『黄犬(キーン)ダイアリー』ドナルド・キーン&キーン誠己著

2017-04-11 15:41:08 | 読書
日本文学研究者で最近日本国籍を取得し、
晴れて日本人となったドナルド・キーンと
その養子の誠己(せいき)氏のエッセイ集です。


キーン氏のことは知っていましたが、それほど興味を
持っていたわけではなくたまたま読んだ
本誌の書評があまりにもよかったので思わず
ポチって購入しちゃいました(^^)

黄犬(キーン)の由来は彼が子供に飼っていた
スピッツの愛犬がモデルで
「黄犬」=「キーン}の言葉遊びから誕生しました。

キーン氏は現在94歳。19歳で米国海軍の日本語学校に入学し、
11ヵ月でを日本語を習得した後、20歳で情報将校として
ハワイに派遣され戦場に残された書類を翻訳し、戦死した
日本兵の身体から抜き取られた、時には血痕さえ残る手帳の
日記を解読したり、捕虜を尋問したりしたそうです。

そのときの悲惨な戦争体験から根っからの平和主義者で
昨今の日本および世界のきな臭い現状を憂いています。

中途半端な自分の平和主義が恥ずかしくなりましたね(^^;

それから日本人以上に日本の文化をこよなく愛しているのが
伝わってきます。

自分の含めて歌舞伎、能、浄瑠璃等の伝統文化なんか触れたことの
ない日本人の方が多いんじゃないでしょうか。

生活スタイルも凄いです。94歳の今も畳に布団を敷いて寝ていて、
ちゃんとたたむのも自分でやっているとのこと。

今どきの日本ではベッドで寝ている人がほとんどだと思いますね。

川端康成、三島由紀夫等名だたる小説家とのリアルタイムの
交友等、あっという間に読了しました。

本当の良き日本人の姿はこうあるべきと教えてくれる
良書です(^_-)-☆
コメント
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