扁鵲(へんじゃく)のつぶやき

東洋鍼灸専門学校 鍼灸科50期卒業生の同窓ブログです。
日頃の不安、悩みを率直に語り合いましょう。

『代替医療のトリック』

2010-03-24 18:54:12 | 日記
日本語のタイトルはありきたりですが、英文のタイトルは
「Trick or Treatment?(まやかし それとも 治療?)」と
かなり挑戦的なこの本、結構売れているようです。

科学ジャーナリストとして著名な著者が「鍼灸」「ホメオパシー」
「カイロプラクティック」「ハーブ療法」等の代替療法について
EBMの考え方に基づく二重盲検法と呼ばれる臨床法でその有効性を
吟味しているものですが、鍼灸が「ケチョンケチョン」状態に
こきおろされていて思わず落ち込んでしまいました

そこですかさず松田先生にSOSを発信し、下記のような的確なコメントを
いただきました。その後鍼灸OSAKA 90号の特集「鍼灸とEBM」を読み、
松田先生の指摘同様その試験方法について問題があることがわかりました。

もし同じくこの本を読んで不安になっている方がいたら
ご安心ください

(以下、引用)
柏原さん、5月に刊行予定の拙著『日本鍼灸へのまなざし』
(ヒューマンワールド)をまとめている最中です。その第3章第4
篇の文章に、脚注をつけるに際して、お勧めの『代替療法のトリッ
ク』を斜め読みしました。どれだけ厳しい鍼批判かと思って、期待
して読んだのですが、がっかりでした。もう、古めかしくなってし
まった方法で鍼のRCTにもとづいて批評しているに過ぎません。
書いてみた脚注は以下のようなものです。

『代替療法のトリック』のトリック

  2010年1月に翻訳出版された『代替医療のトリック』(新
潮社)は、「鍼はプラセボ効果?」という結論で、日本の鍼灸師に
も衝撃を与えているらしい。しかし、間違った前提で間違った結論
を導いているにすぎない。本篇でも述べたように、中医学的な刺す
鍼を「本物の鍼」とし、日本鍼灸式の刺さない鍼やツボを外した鍼
を「偽の鍼」とし、両者に差がないから鍼には効果がないという判
定は、「鍼の真実」を知らないばかりか、「両方効いているのでは
ないか」という発想を持てない無知の結果である。

  切皮鍼、接触鍼などのマイルドな刺激でも効く、それをプラセ
ボ扱いするのは間違いとの認識は欧米の研究者の間にもとっくに定
着しつつある。『代替医療のトリック』はもはや古い。全日本鍼灸
学会が主催した2006年11月京都、2009年6月おおみ
やの二つの国際シンポジウムについては、第1章第1篇●●ページ
の注および同第4篇「全日本、伝統鍼灸、両学会の合体を願う」を参照。


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