扁鵲(へんじゃく)のつぶやき

東洋鍼灸専門学校 鍼灸科50期卒業生の同窓ブログです。
日頃の不安、悩みを率直に語り合いましょう。

ヒル療法の実際(日本刺絡学会 第28回学術総会)

2019-07-02 07:32:30 | 鍼灸
6月30日は刺絡学会の学術総会が江戸川区の船堀で開催されたので出席してきました。


「刺絡(しらく)」というのは古代中国で開発された鍼灸治療法の一つで痛みあるいはコリのある患部に特殊な鍼を刺し、
微量に出血させることにより症状を改善させる治療法です。鍼でなかなか取れない痛みやコリに対し、最終的な手段として使っています。

刺絡療法の歴史は古く、抗生物質のない時代には感染個所の排膿を迅速に行って、回復させる効果がありました。

刺絡を行うには通常は小さな刃のついた器具で皮膚をわずかに切開しますが、この刃物の代わりにヒルを使う療法の記録が日本、エジプト、インド等の各地に残されています。

なんとこれが現代医学の世界でも使われているというから驚きです。
切断指の再建術後や植皮後のうっ血を取り除く方法として無菌状態で育てた医療用ヒルを使うらしいです!

さて前置きはさておき、デモンストレーションの様子がこちら!


コリのある個所に吸い付かせます。一時間もすると血を吸って倍くらいの太さに膨張します。
患者本人は最初にちくっと吸われる感じであとは何も感じないそうです。
身体から離した後の傷跡からは唾液のもつ抗凝固作用ににより血液が凝固せずにじわじわ流れていましたね。

ただ、現実的には医療用ヒルの入手が困難なことと、一時間も貼りつかせておくのはあまり効率的とは言えないので使い勝手は良くなさそうです(^^;


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする