SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

IKE ISAACS 「AT PIED PIPER」

2009年10月18日 | Bass

こういうライヴを見られた人はラッキーだ。
このくらいドライヴの効いた演奏を目の当たりにしたら、ジャズファンならずともやみつきなるに違いない。

考えてみればこれもピアノトリオなんだよな~、と思ってしまう。
どうもピアノトリオというと、最近のクールで耽美な世界をイメージしがちなのだが、これは明らかにホットで人間臭い。
とにかく1曲目の「Impressions」から、私たちの心をわしづかみにしてしまう。
アドリヴのスピード感といい、力強さといい、ライヴの臨場感といい、魅力がたっぷり詰まっている作品なのだ。
これはジャック・ウィルソン(P)の見直し盤といってもいい。
もちろんアイク・アイザックスのウォーキングベースも迫力満点だし、ジミー・スミスのドラミングも確かだ。
この作品が大変な人気盤であることも頷ける。

ただこのアルバムのイメージは、2曲目の「Mercy,Mercy,Mercy」であり、5曲目の「Walk On By」がつくり出していると思う。
このいかにも60年代というメロディラインが一種独特の雰囲気を醸し出している。
所謂、当時の匂いがプンプンするのである。
おそらく当時はジャズ喫茶などで大人気だっただろうと想像できる。
これを今の人が楽しめるか、古くさいと感じるかで、この作品の評価が変わってくるのかもしれない。

いずれにせよ、この手のライヴは熱ければ熱いほどいい。
思わず手拍子をしたくなるような演奏をして初めて会場が一体化するのだ。
こういう演奏が近頃聴けなくなってきたことが寂しい。


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