SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

ARMANDO TROVAJOLI 「TROVAJOLI JAZZ PIANO」

2009年10月13日 | Piano/keyboard

一瞬、ジャケットに心奪われる。
レコードやCDがずらりと並んだショップの棚の中を、一枚一枚見ているときによくあることだ。
こういうジャケットに出会うと、「おっ!」と思うのである。
この時点ではまだデザイン的にいいとか悪いとかを判断しているのではなく、ただ単に手が止まるだけだ。
買うか買わないかはこの後決まる。
まず誰のいつ頃の作品かを確認し、一通り曲目を眺め、演奏メンバーを確かめて、じわじわと購買意識が高まるのを待つ。
誰でも経験していることだとは思うが、この楽しさがお店通いを止められない一番の理由だ。
但しポピュラー系のアルバムを探すときにはこんな感情はあまり起きない。
ほとんどの場合ミュージシャン名で探しており、見知らぬ人の作品をジャケ買いをするなんてことはあまりないからだ。
つまりジャズの場合は、誰が何を演奏しているかということも大事なのだが、それ以上にジャズとして「良さそうな(フィーリングが合いそうな)雰囲気」を探し求めているからに他ならない。
ジャズが他のジャンルの音楽と決定的に違うのはこうした点にあるのだと思う。

ということで、このアルバムはお店でジャケ買いした典型的な一枚である。
写真の大胆な構図とそのコントラストが、ジャズとしての「そそる雰囲気」を十二分に醸し出している。
正直言うと、私はアルマンド・トロヴァヨーリという人のことはほとんど知らなかった。
このアルバムを買ってきてライナーノーツを読んで、初めて彼はイタリア映画音楽界の巨匠であることを知った次第なのだ。
但し最近は、アントニオ・ファラオがこのトロヴァヨーリの優れた楽曲集を出したりしているので、やたらとあちこちで目につくようになってきた。
一度その存在を知ると、何だか急に親しみを覚えるから不思議なものである。

さて肝心の演奏はというと、どの曲もこれがイタリアンとは思えないほど黒っぽくスイングしており、ジャケットの雰囲気そのままである。
店頭でこんな雰囲気の演奏なのかな、と思っていたとおりだったので嬉しかった。
あなたならこのジャケットからどんな音を想像するのだろうか。



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