SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

ELLYN RUCKER 「ELLYN」

2008年03月26日 | Piano/keyboard

エリン・ラッカーはジャケットを見てもおわかりのようにカーリーヘアがよく似合う素敵な女性だ。
彼女はピアニスト兼シンガーである。
言うなればダイアナ・クラールなんかの先輩に位置づけてもいい人だ。
なぜそう感じるかというと、ダイアナ・クラール同様にピアノが上手いからだ。
但しダイアナ・クラールは歌が70%、ピアノが30%という感じだが、エリンの場合はその逆だ。まぁ弾き語りもするピアニストなのである。

彼女のピアノは歯切れがいい。
録音がどちらかというとソリッドだからそう感じるのかもしれないが、少なくともねっとりするような弾き方はしていない。一音一音の鍵盤をしっかり打ち下ろしている。
そんな彼女の魅力を知るにはラストのソロ・メドレーを聴くといい。
このメドレーは「Prisoner of Love~Body & Soul~Wonder Why」と続く。
最初のPrisoner of Love~Body & Soulでは優しくしみじみとメロディを弾き、Wonder Whyに入るとテンポが変わってリズミカルになり、メロディラインに合わせた魅力的なスキャットを弾き語る。
彼女の声はどちらかというと曇っている。だから純粋に詞を歌い込む歌よりこうしたスキャットに魅力を感じてしまうのだ。

このアルバムにはエリン・ラッカー(p,vo)の他、ジョン・クレイトン(b)、ジェフ・ハミルトン(ds)、そしてピート・クリストリーヴがテナーサックスで参加している。
ピアノトリオあり、ワンホーンあり、ヴォーカルあり、ピアノソロありと実にバラエティに富んでいて私たちを飽きさせない。
もっともっと知名度が上がってもいいはずの人である。寡作なのが原因かもしれない。