SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

BOB BROOKMEYER 「AND FRIENDS」

2008年01月09日 | Trombone

夕焼けに染まる海辺のテラスなんかで聴いたら最高だろうなぁ、といつも思ってしまう。
とにかくメンバー全員が心に染み渡る演奏を行っている。

このアルバムは1965年の作品で、リーダーはボブ・ブルックマイヤー(tb)、そして彼の友人としてスタン・ゲッツ(ts)、ゲイリー・バートン(vib)、ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)らが迎え入れられている。
それぞれがリラックスムードで演奏しているのに、全員の息がぴったり合っているのはやはり実力者揃いだからだ。
特にスタン・ゲッツのテナーとエルヴィン・ジョーンズのドラムスが飛び抜けていい。
ゲッツのテナーは優しい男らしさに溢れている。
2曲目の「Misty」、5曲目の「Skylark」、7曲目の「I've Grown Accustomed To Her Face」なんかは何度聴いてもたまらない。夕焼けの空がブルックマイヤーのトロンボーンだとすると、潮騒がジョーンズのブラシ、吹き抜ける南風がゲッツのテナーだ。
そこに若々しさを感じるバートンやハンコックが絡んでいく。カーターのベースも強靱ですこぶる気持ちがいい。

ボブ・ブルックマイヤーとスタン・ゲッツは何度も一緒に演奏してきた所謂旧友である。
この二人の良好な関係がこの作品の中でもうまく生かされている。要するにこれは二人のリーダーアルバムといっても何ら差し支えない内容なのだ。
当時のゲッツはボサノヴァで大人気を博していた頃だけに、いかにも脂ののりきった感がある。ブルックマイヤーには申し訳ないがゲッツを聴くためだけに買っても損はしない。
とにもかくにもこの作品は、私にとって一服の清涼剤的なアルバムなのだ。