文屋

文にまつわるお話。詩・小説・エッセイ・俳句・コピーライティングまで。そして音楽や映画のことも。京都から発信。

★「セントジェームス病院」という唄は、もう何年も聴いている

2005年02月24日 21時19分24秒 | 日録雑感

悲しい歌、「セントジェームス病院」。
昔は、浅川マキだったなあ。
かすれた声。それにからむ南里文雄のトランペット。
そのころ京都に「地獄の季節」という名の飲み屋があって、
「コットンクラブ」→「みかどや」→「レオ」→「とり一」
この辺で夜が明けて、朝になってもあいてる→「上海」までいって
この「上海」は、朝の酔っぱらいばっかりがたむろして
ケンカが花盛りで、よくぼくらは「きょうも、上海事件」なんて
よく言っていた。
「コットンクラブ」でよく聴いた「セントジェームス病院」は
アール・ハインズ。
「FATHA」というアルバムで、この老練のピアニストが
泣きながら歌うの。ほんとに最後、嗚咽する声がはいってる。

それからいま、
タワーで買ってきた、

●ジャック・ティーガーデンの4枚組に入っていた。

「セントジェームス病院」。

一曲で、ぼくのある人生の一脈は語れる。

●鯉の恋。春よぶ、小梅小路を歩く

2005年02月24日 18時54分55秒 | 日録雑感

露地、京都では、「ろーじ」と言う。
中心部の寺町三条あたりでも、まだ、京都らしい露地がある。
最近、思いがけなくも発見した小道。
行き止まりとばかり思っていて入っていかなかった道が
あみだくじみたいに、かっくんかっくんと曲がって
三条に出る。
通りに出る角の店は、和風のジーンズの店で
いつも50年代のジャズがかかっている。
それがいつも新鮮に鳴っている。
ロリンズのテナーなんて、断片で聴いたほうが
より鋭角に刺さってここちよい。
うねうねとアドリブをしたあとに
トミー・フラナガンだろうか、可愛くスイングする。
小刻みの断片。
ふと、眼の下をのぞけば、つくりものの鯉が、
「い」の字になっている。
「こ」の字にもなる。
この鉢、ふたつあれば、「こ」「い」になる。
鯉の恋。
あるいは、鯉の濃い恋。
店に「来い」か、店に「恋い」のまじないか。
露地には、植え込みがあって、梅の花がこぼれている。
はる
うめ
こい

ちょっと、うれしい季節である。