文屋

文にまつわるお話。詩・小説・エッセイ・俳句・コピーライティングまで。そして音楽や映画のことも。京都から発信。

◆三月書房さんは、永遠書店なんだなあ。

2005年02月21日 16時33分56秒 | 文学全部
久しぶりに「三月書房」さんにおじゃました。
宍戸恭一さんにお会いするのは、何年ぶりだろう。
何年、といって、いつもつい最近にもお会いしたような気になって、
ジャズの話や喫茶店の話をしたりする。
5年ぶりぐらいだったかなあ、でも昨日も会って話していたような錯覚がする。
不思議な時間感覚。
書店なのだが、あの空間は、ぼくにとって、お店ではなくて
物を書いている自分が、純白に漂白されるような
禊ぎの場所になっている。
二十代の後半に、始めた同人誌「ガルシア」を
まったくなにもわからないままにお願いをして
置いてもらったり、いろいろな、ある意味でまっとうな躾をしていただいた記憶が
はっきりとよみがえってくる。
書棚の雰囲気は、昔とひとつも変わっていない。
昔、第一詩集の「セルロイド界隈」が置かれていたところに
いまは、最新の「冬白」があった。
ああ、あのまま売れずに「そこにあってよ」と心の中で叫んだ。
永遠なども考える。
宍戸さんとぼくとのちょっとした言葉の交流という永遠。
詩人という、細道の、か細い、流通の時間のさなかで出会い
ただ会釈をしてというだけでなく、
生死の永い歳月の細道で、親密に出会っているような尊さ。
ぼくの本が、ぼくの手許でないどこかにある。
それが三月書房という場所ならば、ぼくには生涯の幸福である
ような気がする。

「短歌ヴァーサス7号」
熊谷守一のクロッキー集「鳥獣虫魚」
    素描・水墨画集「虫時雨」

を買う。

「庭園」と「紙子」を置いていただく。