文屋

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■「カバー意匠 伊原宇三郎」という本

2005年02月28日 22時24分06秒 | 日録雑感
えーと、これどこで買ったのかなあ。
百万遍知恩寺の夏の古本市かなんかで、500円均一の箱に
入っていたような。

いまは、折口信夫の全集は中公文庫で、固めの装幀だけど
この伊原宇三郎という未知のデザイナーの粋さには驚いた。
日本の伝統的な縞柄を、モダンにアレンジして、端正。

銀ねずのような伝統色も渋い。

昭和三十年、印刷発行 と記されている。

こんな全集ができて、死んでいけたらいいなと思う。

装幀って、本の骨格だし、見た目としては唯一の情報だしね。

中身が、本文で、血だろうけど

考え方によっては、

物としての本ならば、装幀は、血でもあり骨でもあり皮膚でもある。

本文によって、立ちのぼる意味やメタファーなどの目に見えない
内容が大事とつい思ってしまいがちだけど、
その目に見えない、意味やメタファーも
目に見えるようにしてしまう
もうひとつの作品世界だと思う。

けっして二次的なものじゃない。

本そのものでもある。

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