JAZZ SINGER REIKO OSHIBUCHI 押淵玲子オフィシャルブログ

福岡で活動しているSINGERです。乳がん闘病中(再発転移あり)の事や、音楽の事など。
そして、趣味の着物リメイクなど

今更ですが

2013-07-24 13:21:29 | 日記
ええ・・・なんで一つ一つのライブに想いが強いのか、と。
そう、私はもしかしたらそんなに長くは生きないかも
というか、5年くらいで死んでしまう人たちの方が多い状況で
でも、私は個人的に10年くらいは大丈夫なんじゃないか、とか
そういう風に信じているのですが・・・。
それでも、もし、5年で死んでしまっても後悔しない音楽活動を
そういう歌を歌っていたい、というわけです。

ちょっと最近色んなことがあって
今年の予定が大々的に遅れてしまいましたが
まあ、ちょっと一つ予定を減らそうか、という事で
それは来年早々にでも入れてみようか、とか。
その程度ですけれどね。

私は乳がん患者です。
初発は6年前。48歳の6月初めでした。
この時の画像はありません。
書類だけで。



およそ中期です。
抗がん剤治療をすること、その後手術で摘出、リンパ節も摘出
という事が決まっていました。
抗がん剤治療をしながら仕事をしている方も多いのですが
私の場合は兼業。
クリニックの経理は治療をしながらでも出来るのですが
演奏の仕事はお客様に感動していただける演奏が出来るのか
愛想よく、ずっと演奏できるのか
また、夜遅くに帰宅するのは体力的に大丈夫なのか?
(もちろん経理の仕事で朝早くには起きなくてはいけないです)
という事で、教室と演奏の仕事は1年間休業にいたしました。

4.3㎝ほどあった腫瘍ですが
そこまで何もなかったのか、というと、本当に色々ありました。
がんは痛いです。痒いです。違和感があります。
何もない、というのは嘘です。
なにかしら違和感を感じた時に、病院へ行けばよかったと思います。

子宮筋腫もあり婦人科にかかっていましたが
小さな小豆大のシコリを見つけて、触診で乳がん検診をしてもらいました。
「こんなものががんであるはずがない。出来るところが全く違う。
100%乳がんなんかじゃありません。乳腺症でもっと大きくなりますが害はありません。
こんな事で検査に行ったら笑われちゃいますよ」
その時の医師の言葉で、それから8年間私は乳がんを育ててしまいました。
これが乳がんでよかったとは言えます。
8年育ててもまだ、治療が十分に出来る状態ですから。

抗がん剤は2回目の投与の時に脱毛しました。
それはもう言葉も出ないくらい悲しい数日間でした。
真っ赤に染めたりして割と平気なつもりだったんですけどね。
二度とステージへは戻れないだろうと思いました。

禿げは禿げで楽しい時期もありました。
まあ、少しはね。
でも、外食して人の多い所へ行くと
鼻の奥が熱くなってきて、鼻血が出そうになり、何度か失礼した時があります。
約半年間の抗がん剤ですが
段々体力も落ちて、ダメになっていきましたね。
関節は痛いし、足先や指、手の感覚も無くなるし
耳鳴りなんてしょっちゅう。
最後は小指の関節さえも痛い、何とも情けない感じでした。

そんな弱った時に手術で
まあ、こうならないと私の事だから、きっと大人しくして無かったでしょうね。
左乳房は全摘して再建することにしてました。
この再建の為にエキスパンダーバッグがですね・・・
筋肉の間に挟み込んでいるので、肉離れみたいな痛みで
一体どこが、どういう事痛いんだろう????
リンパも廓清しているので痛いはずですが
何処が痛い、というのが言えない1週間。
あとは、廃液が少なくなるまで入院して
よく娘と部屋でテレビを見て笑っていました。
息子は根が真面目なので、手術の立ち会い等も真面目にずっといたし
何かというとすぐにやってきて
まあ、母親だからなぁ…心配なのかなぁ?と。

その後、ホルモン治療が始まりました。
抗がん剤等の副作用はすぐには消えません。
爪はずっと薄いまま。
指の感覚も、髪の毛がうっすら生えてきたのも手術から半年後。
有難い(?)ことに無駄毛と呼ばれている毛は全部脱毛されました。
結構順調だったと思います。
その間に胸の再建手術もしました。
さあ!!!復帰するぞ!!!
ってなもんで、バリバリに色んな事をしましたね
CDも3枚レコーディングして・・・

まあ、総幸せは続かないものだな・・・。
2010年の10月に乳がんは鎖骨下に再発しました。
息子の結婚式の直前。

これは放射線治療のための映像ですが
赤いモワモワした所ががんです。
声帯の数センチ近くまで迫っていました。



最初は放射線治療は声帯のあまりに近くなので嫌だと言っていましたが
ダ~リンの説得で受けることに。
12月中旬から1月いっぱいまで。
ANIME-JAZZのCDを発売してすぐなのに
宣伝も出来ずに、また闘病で休業。

私はめまいの持病があるので、放射線治療をすると
ものすごい船酔いみたいになって、演奏の仕事は出来なくなるのです。

あ~あ、な感じで
先生からは「一生乳がんと付き合う事となりましたが、上手に付き合えば普通に生きられます」
そんなに悲観することはないのだろうけれど
結局、私はこの病気から逃れられないのだ、とちょっとがっかりでした。

放射線治療で火傷になった部分は無事回復したのですが
その春に姉が末期大腸がんと分かり
東京都往復の日々が始まりました。
私一人ではなく、両親を連れて行かなくてはなりません。
「この時期に無理をすると治療した筋肉が固まって戻らないよ」
というご注意も受けましたが
両親はそんな私の状態は理解できませんでした。
姉が死んでしまうのも悲しいし
自分の治療が出来ないのも悲しいし
当時、アリミデックスという薬を飲んでいたのですが
治療と介護の両立が難しく
2か月分をごみ箱に捨てたこともありました。

「どうしてかな?自分の命も大事だと思うよ」
という主治医の言葉は理解できるけれど、現実はかなり厳しい状態。
結局、私の放射線治療痕の肩は「ノートルダムのせむし男みたい」と母に笑われるほど腫れあがり
固まってしまいました。

姉は2011年11月に他界。
少しほっとしたけれど、治療に専念は出来ない状況。

両親の具合は老齢なりに色々悪い所があるのです。
その度に病院へ連れて行き
医師はまだ若い理解力のある私に説明をします。
そして、入院等の準備からお世話・・・。
そんなこんなでホルモン治療の副作用のイライラを抱えることができず
たぶん、半分も飲めなかったのではないかと思います。

心配してくださった主治医には本当に申し訳ないと思っています。

そして、何となく嫌な予感はしていたけれど
2012年10月肺に転移しました。

画像が小さくてよくわからないんですよ。
他の所もあるのですが
その断面は別の画像で、それが、また判り辛くて・・・
一つだけ載せておきます。



当初は肺がんかも、と。
この画像に無い病巣が角ばっていて、原発性肺がんの疑いがあると・・・。
え?咳も出ないんですけど?
ということでMRI検査にも行きました。
全部で6カ所あるそうです。
それがもし、全部肺がんだとするとステージ4で手術は不可能だと。
うーーーーむ・・・・
まあ、乳がんの遠隔転移でもステージ4だから同じようなものだけど
肺がんって?

それからしんどい気管支鏡検査・・・。
悪性グレード5の腺癌という事以外は判らなかった。
何しろ大動脈(大静脈だっけ?)を挟んで向こう側にあるから無理して細胞を取りに行けなかったし。
ためしに手術で肺門部の主な主要を取ってくる、とか
そういう方法もあると言われましたが
私は歌い手ですから、そんな事はしたくない!!と頑強に反発。

グレーでしたが、そのまま無治療よりはとりあえず、乳がんの転移という過程で治療を、と
今のフェソロデックスという注射治療になりました。
でも、これに変えて、4か月後のCT検査では
わずかーに薄くなっている気がする、という画像で
おそらく、肺転移で確定でしょう。

フェソロデックスは昨年保険適用認可された薬で、乳がん再発転移患者に投与されます。
まあ、だたい1年くらいで効かなくなるようですが
1年半くらい効いている人もいるようなので
私もそうであってほしい所です。
お尻に2か所注射なのですが、揉んでも掻いてもダメ!
お腹具合は大変悪くなり
足は段々鉛を付けて歩いているほど重くなり
長時間立つのも辛くなってきます。
ダル重・・・・です。

でも、捨てられることなく
主治医曰く「4週間ごとに否応なく治療」なので、私には合っているのだと思います。

そして、今後の私ですが
今のところ肺転移をした人が何年生きているかというと
結構ショックです。5年くらいで亡くなっています。
でも、これは最近の治療結果が反映されていないからだと信じて
私はもう少し長く生きられるかも、と思います。

この件について、あの手この手で主治医に聞くのですが
見事にかわされます。
今後の予定が立たない・・・・。

というわけで、今のあんまりマメに活動していない私の病状説明です。

元気なころはいつも中洲近辺に居ましたけれどね
そこまで元気ではないのですよ。
歌う元気を残さねば!なので。

で、一つ一つのライブに対する想いは当然強くなります。
5年先に歌えるのか。
もちろん、私の鍛えられた声では65歳以上までは歌っていられる自信はありました。
それが大幅に減るわけで
残念な上にも残念で
妙に頑張ってしまって、最近は音域も広がってしまったりして・・・。
死ぬまで歌っていますから!!
たぶん、死ぬまでパワフルで居ますから!!

今度のライブ、よろしくお願いしますね。
長文でした。


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