JAZZ SINGER REIKO OSHIBUCHI 押淵玲子オフィシャルブログ

福岡で活動しているSINGERです。乳がん闘病中(再発転移あり)の事や、音楽の事など。
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2016年12月4日(日)18:00~
ANIME JAZZ THE LAST
10年間皆様に愛されて続けてきたANIME JAZZ LIVE
ライブはこの日が最後となります。
どうぞ、お見逃しなく!

取材する側される側

2017-04-09 00:32:45 | 日記
先日、路上で息子がテレビ局の人に声をかけられた。
とても軽いコーナーの取材だった。
そこで、私と息子のLINEのやり取りを見て
「そのお母さんを呼ぼう」という軽いノリで
結局、私がジャズシンガーであることや
乳がん闘病中であることや
今度ライブが近々あることや
2時間以上取材され、詳細情報を送ってくれというので、
それもいろいろ送ったのだが
私たちのところはボツになった。

ところが、6日に急に取材をしたいという連絡が入り
ライブ前ではあるし
私は皆さんに知ってもらって、お客様でライブにいらしていただき
ファンになっていただきたく、という職業で
メディアの取材はだいたいウェルカムだ。

今回のライブは少し地味な企画なので
集客に大変苦戦しているし
どうぞ、どうぞ、ではあったのだ。

しかし、全く予習なしというのは初めてだった。

色んな話をして、私がどういう経歴で、どういう人生を歩いているのか
今の状況も説明したり
その中で翌日乳腺外科の検査と診察がある、という話をしたら
「取材したい」と。
まあ、そう言うだろうと思ったけど、昨日の今日はさすがに無理なんじゃないかと
いろいろ知恵を出しつつ、病院との交渉。

病院側も取材は大いに結構なのだが、こんな急にはOKできないし
まず、待合室風景は撮れないというのが常識なのだが
何となく人がいる的な撮り方なら、とは思っていただろうと思う。
例えば、ライブ会場だったり、イベント会場だったりで
大勢の人たちを撮影する気持ちでいると大間違いだったりする。
患者は微妙なのだ。
中には自分が病気であることを隠している人もいるし
心中穏やかではないところを撮られるのは嫌だろう。
特に、99%が女性という待合で
カメラが回るというのは、思いやりに欠くところとなる。

「患者さんが全員いなくなってからか、診察室の中でしか撮影できないかも」
という話はしたものの
基本的に、先生に許可を取っていないし
先生がOKだったら、その次に病院に交渉という
そんな順番が守れないこの時間の無さ。

思い付きで取材するのか?

と思わず突っ込みたくなった。
まあ、最近の人たちのやることなので、なんとも・・・・

しかも、取材される側なので
そうそう意見も言えない。

あと、ライブも取材したいというので
局の人は当然取材できるだろうと思っていただろうが
私はメンバーに連絡し、お店にも連絡し、了解を得た。
途中でこんな事まで私がやる必要はないかも、と思ったが
きっと、あの軽いノリでは、そこまで気が付かないかも、と。
練習したい気持ちはあったが
時間も相当取られたし疲れてしまって
楽譜の訂正もできずに寝てしまった。

そこまでして、検査、診察日に臨んだが
やはり、昨日の今日で、病院側も「来週にできないのか?」と。
当然であろう。
主治医の先生には検査の前にお会いして色々話して
やはり、あまりに急だから対応できないけど
別の日ならOKという了解は得ていた。

検査を待ちながら、考えたのは
ここまで、私が動く必要があったのかな?
だいたい先方の予習不足だし

検査結果を聞く前に担当者と待ち合わせで時間があったので
私はちょっと局の人に意見をした。
あまりに取材時間が短いし、準備が出来ていない。
これで、何を伝えたいのだろうか?等々。

聞くと、普通1日くらいの取材で7日後くらいに7分以内の映像で放映
というのが番組の方針だというのだ。
そんな事で私の取材はできないというのは
病院側の対応や、私との会話で何となく伝わって
ほどなく
「じゃあ、今回のお話はなかったということで」
と、またしても、取材はボツとなった。

このテレビ局とは相性が悪いらしく
以前にも取材を受けたのだが
なんだか急に撤収という感じで

え?
あなた方が取材したいって言ったのに
後ろ足で砂をかけられたみたいな感じで
私が悪かったの?
みたいな。
そんな後味の悪いことが過去にあった。

まあ、私がおばさんだから。

そんな感じだった。
(代わりにというか、そのすぐ後にテレビに取材されて放映されたのは
若くて、人気のある歌を始めたばかりのシンガー見習いだった)

重い人生を背負っている人は取材対象にならない。
そんな言葉が聞こえてきそうな出来事だった。

他局の取材は3回ほど受けた

私がどういう状況で、どういう経歴なのか
あらかじめ、ちゃんと予習をして取材に来ていたので
色々、病院へ行かねばならないことや
時にはちょっと精神的に参ってしまうことや
体力がそこまでない時もあるとか
いろいろ理解してくれる記者の人がいた。

病院や先生方やお店いもいろいろ配慮していただいた。

新聞の取材も色々受けたが
2人ほど、ちょっと違うんじゃないかな?という記者の人がいたが
フォローの人が代わりに取材を引き継いだりで
今まで、実際に取材を受けた人たちとは
その後もとても親しくお付き合いをしている。

以前にフリーの記者もどきの人から取材の申し込みがあったが
大変失礼な話で
「可哀そうながん患者」のストーリーではないという事で
申し込んでおきながら、向こうから蹴ってくるという
ああ、最近はそんな感じの人が多いんだな、と思われることがあった。

今回も、なんだそれに近いかも。

今回のテレビ局の人は
自分たちの局は情報番組しか持っていなくて
報道番組ではないので、と。
情報って楽しげな情報しかいらないんだな。
がん検診しましょうとか
こんなクリニックがあって、きれいなところで乳がん検診できますよとか
おしゃれに闘病もできますよ的な
そういう情報しか、一般的にはいらないのだな、と実感。

「10年も長生きしてるじゃないですか」

そう言われたが、私はまだ58歳だ。長生きしているのか?
乳がんは闘病期間が長くて、10年以上闘病している人はざらにいる。
10年生きたけど、脳転移まで来てしまったから
さて、還暦まで頑張れるのか。いつまで闘えるか疑問だし歌える期間はもっと短いだろう。
10年間だって、色んな時期があったのだ。

私は多分、見かけよりずっとずっと真面目なのだと思う。
固いというか・・・。
だけど、平たく報道されがちながん患者。がん治療。また、歌い手としての人生。
実情を理解していただけるよい機会だと思うから取材はOKしている。
今はがんが進行しても、いろんな治療があること
そして、それは患者主体で患者が治療を選べるし、期日も選べる。
痛みや吐き気や色んな副作用も軽減する薬がたくさんあり
まあまあ普通に生活しながら長く闘病できる。
緩和ケアも早くからちゃんと受けていれば
死ぬまで、ずっと先生方が見守って、痛みもなく安らかな死を迎えることができる。
そういう医療の中で
私は自分の人生を自分らしく終えたいと思っている。
バリバリとソウルフルに歌う歌手としての人生を。
(歌手だけではなく、アレンジャーとしても?
総合的にミュージシャンとしてというべきだろうか?)

面白くない人生なんだろうか?

取材される側だったのに
自分の人生を否定された気分になった出来事だった。

そんな事がありましたが
ますます、今回の渋い企画、希少価値があると思います。
ステージとして地味すぎるので
ちょっと曲目を変えましたが
多分、こういう曲を一気に聞ける機会はないと思います。
みなさん、来週の土曜日、是非いらしてくださいね。