JAZZ SINGER REIKO OSHIBUCHI 押淵玲子オフィシャルブログ

福岡で活動しているSINGERです。乳がん闘病中(再発転移あり)の事や、音楽の事など。
そして、趣味の着物リメイクなど

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尚、CDは2,800円のものは800円を2,500円のものは500円を
「がんの子供を守る会」また「あしなが育英会東北レインボーハウス建設募金」に寄付いたしております。

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2016年12月4日(日)18:00~
ANIME JAZZ THE LAST
10年間皆様に愛されて続けてきたANIME JAZZ LIVE
ライブはこの日が最後となります。
どうぞ、お見逃しなく!

異形のもの

2016-08-31 10:26:43 | 日記
私は今超個性的な髪型にしている。

2度目の抗がん剤での脱毛は
全然回復力がなく
髪が伸びてくれるのが大変遅い。

もちろん、髪の本数も半分量くらいしか生えてくれない。
だけど、ウィッグをずっと被るというのも
これはこれで面倒だし
肌が弱いので、すぐに痒くなってしまい
長時間つけておくことは無理。
それで、少ないけれど、金髪にして
超個性的な髪形という事で
脱ヅラデビューしてしまった。

本来はちょっとくしゃくしゃとして
今どき男子のような感じにするのだが
色々な所で笑われるので、ここ1週間くらいはこんな感じに



まあ、それでも個性的というか
普通の人達には「異形のもの」に見えるのは確かだ。

私はシンガーだし
会社等に勤めているわけではなく
そもそも自由な時間で働いているので
こういう超個性的な髪形も多少許されるのだが
「許されている」と思っていたのは間違いだった。

最近はこの頭の説明をしなくては
指をさして笑われたり
非難されたり
結構散々な目に合ってしまう。

「おねえみたい」
「なんか変な人」
「女のくせにハゲかよ!」
「不細工!」
「ブスのくせに」

などなど、本当にむかつくことを大声で言われ
ステージが台無しになる事もある。
場を面白おかしくするために、そういうヤジを放って
指をさして笑われる。
それも50は過ぎた人達の集団に。
女性も大声で笑っていることもある。

私にとっても大変嫌な雰囲気になってしまうが
まあ、そこはその場をクールダウンさせねばなので
乳がんなのだ、最終ステージである4期なのだ
抗がん剤治療も2度目で、1年近くだったのだ
それで、時々座ったりするがごめんなさいとか
あれこれ色々、笑いに対して失礼のない程度に
自分の説明をする。

大した時間のかかることではない。
1曲歌っている間に笑われて
これでは悲しい歌や、とても深い意味のある歌など
ちゃんと聴いてくれる環境にならないので
静かにさせるだけ。

ステージが始まって10~15分程度の出来事。

あとは、私のペースで
泣いたり笑ったり
感動的な歌では、ちゃんとそういう反応が返ってくるようになる。

だから、あえて、笑う人達をどうこういう事もないと思うかもしれないが

「指をさして笑う」というのはとても頭にくる。

頭がこの通りなのと、太っているから
そういう「不細工」には何を言ってもいいとか
そういうテレビの芸人さん達に対する態度が普通だと思っているのだろうか?

私は歌を歌うことでお金をもらっているが
容姿の醜さを笑いのネタにしてお金をもらっているわけではない。

こういう容姿でも、最終的には自分の世界に引き込めるし
ライブが終わると泣きながら
「感動しました」と言って握手を求められることも多い。
容姿など関係ない。
最終的にはそれが理解できるのに
何故、受けを狙ってそういう「いじり」的な事をするのだろうか。
生活すべてのステージがお笑いの場ではないのだ。

私はたまたまこういう職業だから
挽回することも出来るが
一般的な患者さん達だったらどうする?
笑いものにしてよいのか?

今やがんは医療の発達でかなり長期間共存できるものとなった。
生きているし、生活できるし、人生を楽しむ時間も出来る
もちろん、仕事も出来る。
しかし、それなりの副作用はあるわけで
それが表面に出ている人を笑ってはいけないのではないか。

また、そうやって笑う人達は障碍者に対してもそういう態度なんじゃないだろうか。
手が不自由だから
足が不自由だから
目が見えない
声を発することが出来ない などなど
笑うことではない。
身体が不自由でも大変長い期間訓練をして何とか外に出ているのだ。
そして、知的障碍者も「生きている意味」はあるのだ。
だって、人間なのだから。
生きているだけで価値のある存在なのだ。

普通になった「お笑い」の日常生活。
そういうことえ傷つく人間は少なからずいる。

自分が反対ン立場になった時の事をが考えない
きっと想像力に賭ける人間が多いんだな。