ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

名もなき毒 宮部 みゆき

2011年11月01日 | 小説-日本-
2006年
幻冬舎
☆☆


いや~面白い!
先日、ドラマを放映していたので(魔術はささやく)ふと、宮部みゆきを読みたくなった次第です。
なんと、今度は火車がドラマ化されるようです。
それはさておき、

出だしが、犬の散歩中の老人が立ち寄ったコンビニで購入したウーロン茶を飲み
死亡するというところから始まる。
このウーロン茶からは青酸カリが発見され、
この前に3件ほど飲料から青酸カリによる無差別殺人事件が起きていた。

なるほど、今回はこの無差別殺人の話なのか・・
と、思っていると、
次からは、
はからずも大財閥の社長の娘婿となった杉村は
その傘下の社内報を作成する部署にいて、
トラブルを起こしたアシスタントの対応をしていた。
このアシスタント、原田いずみはさまざまなことに怒り、
あらゆるところでトラブルを起こすトラブルメーカーだった。

原田いずみの話に引き込まれながらも、
あの青酸カリの事件はどうなってるんだろう?と、やきもきしながら読んでいくと

原田いずみについて調査していくうちに、
北見という私立探偵に行きつき、訪ねていく
すると、北見に調査をお願いに来ていた少女に出会う。
それが、先にでてきた毒殺された老人の孫であった。

ここで一旦、話はクロスして、
老人の事件にシフトするのだが、
こちらも、青酸カリの事件に興味を引かれ読んでいくが
原田いずみはどうしてるんだろうと、気になってくる。

そうした、クロスをいくつか繰り返し、
その合間に、
シックハウス症候群や地質調査の話を織り交ぜながら話が進んでいく、
一見、関係なさそうな事柄が最後に見事につながっていくのは
さすがだな~と、思った。

この本は、青酸カリという毒、家を建てる際の内装に潜む毒、その土地自体に潜む毒
そして、人間の心の毒という
毒はどこにでも潜んでいる「理不尽」という形で・・・



あかんべぇ 宮部 みゆき

蒲生邸事件 宮部 みゆき

火車 宮部みゆき


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2 コメント

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本当に何でもなさそうな・・・ (ぶー)
2011-11-01 02:22:01
事柄がくっついていくのですね!
昔「ドミノ」を読んで感心しましたが、
読ませる作家さんはつなぎが上手ですよね、やっぱり。

どこかで見たはず・・・と思って本棚(クローゼットの中にもある!)を探したら、ありました。
「晩鐘」のあとにいきます!
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ぶーさんへ (ぶーくん)
2011-11-01 22:32:28
いや~これが、
シックハウスの話は、
ちょっとした会話の中からでて、でもそれが記憶に残る感じだったんですよ、
それがなんと!って、感じでした。

さらには、今、日本では・・と、いうか特に関東ですが、
自治体とかで放射能の計測をしていて、
妙な所から、高密度の放射線が出てると言うのがニュースになってるのですが、
それも、ラジウムが地中に埋まってるという・・
この本の中にも、戦後復興でいろいろなものを埋めて町を作った的な話があり、
そのため、土地が汚染されていることがあると書いてあったので、なんとなくタイムリーだな・・って、思ったのでした。
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